文化庁委託事業「博物館ネットワークによる未来へのレガシー継承・発信事業」総括シンポジウム 国立科学博物館 日本館2階 講堂 2020年1/26(日) 13:00~17:00 文化庁委託事業「博物館ネットワークによる未来へのレガシー継承・発信事業」総括シンポジウム 国立科学博物館 日本館2階 講堂 2020年1/26(日) 13:00~17:00

開催趣旨

平成28年度から平成30年度の過去3年間にかけて、国立科学博物館では文部科学省委託事業「博物館ネットワークによる未来へのレガシー継承・発信事業」* において、地域博物館同士のネットワークの構築について模索してきた。
 3年間の委託事業を通じて、各地域で巡回展示や研修を行い、学芸員同士のつながりや学芸員の資質の向上に資する取り組みを行ってきている。こうした事業の成果は、事業を実施した地域以外においても参考になるものと考えられ、各年度の事業成果報告や事業実施後の発展的な取り組みを総括して、これらの成果を発信し、共有することは、博物館同士が連携し、発展するために重要と考えられる。
 本シンポジウムでは、「つながる」「広がる」「発信する」をキーワードに、各年度における地域博物館同士の「つながり」を構築した実施成果と、事業以後の成果の「広がり」、そして、今日の社会における役割を博物館が担っていくためにどのように「発信するか」という点から、博物館におけるレガシー継承のこれからについて、議論を深めていく。

*平成30年度途中から文化庁に変更

開催概要

名称
文化庁委託事業「博物館ネットワークによる未来へのレガシー継承・発信発信事業」総括シンポジウム
開催日時
2020年1月26日(日)13:00-17:00
会場
国立科学博物館 日本館2階 講堂
定員
100名
参加費
無料 ※ただし、別途入館料が必要です。(一般・大学生:630円、高校生以下・65歳以上:無料)

タイムテーブル

時間
項目
13:00-
【開会のあいさつ】
国立科学博物館 理事・副館長:匂坂克久
13:05-
【概要説明】
国立科学博物館における「博物館ネットワークによる未来へのレガシー継承・発信事業」の概要説明
国立科学博物館 連携推進・学習センター長:小川義和
13:25-
【事例紹介Ⅰ】
平成28年度のレガシー事業に関する報告(仮)
岩手県立博物館 学芸員:望月貴史
13:50-
【事例紹介Ⅱ】
平成29年度のレガシー事業に関する報告(仮)
宜野湾市立博物館 館長:千木良芳範
14:15-
休憩
14:25-
【事例紹介Ⅲ】
平成30年度のレガシー事業に関する報告(仮)
前北海道博物館協会事務局:栗原憲一(株式会社ジオ・ラボ 代表取締役社長)
14:45-
【事例紹介Ⅳ】
平成30年度のレガシー事業に関する報告(多言語研修)(仮)
江差町教育委員会 社会教育課(学芸員):宮原浩
15:05-
【本事業に関する評価委員からのコメント】
高安礼士、高田浩二、洪恒夫(予定)
15:15-
休憩
15:30-
【話題提供】
自然史レガシー継承・発信実行委員会の取り組みについて(仮)
兵庫県立人と自然の博物館 主任研究員:三橋弘宗
15:55-
【パネルディスカッション】
事例紹介者および話題提供者:望月、千木良、栗原、宮原、三橋
モデレーター:小川義和
16:45-
【閉会のあいさつ】
国立科学博物館 科学系博物館イノベーションセンター長:池本誠也

アクセス

所在地

国立科学博物館
〒110-8718
東京都台東区上野公園7-20

周辺マップ

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お問い合わせ

独立行政法人国立科学博物館
科学系博物館イノベーションセンター
Tel:03-5814-9808
受付:午前9時~午後5時(月~金)

過去の取り組み

平成28年度
平成28年度文部科学省委託事業「博物館ネットワークによる未来へのレガシー継承・発信事業」
「巡回展示とプログラムを通じた地域資源の連携・活用促進事業」成果報告pdf(598KB)

地域博物館ネットワーク活性化のための巡回事業を通じた
地域連携の実践

展示の様子

展示の様子

モデルケースとして、岩手県立博物館との連携を軸に、岩手県内の巡回事業を展開し、県内の博物館同士や、博物館以外の団体との連携を深めることで地域博物館の活性化を図った。展示については、地域博物館が所有する重要な地層や化石など、地域資源を活用した巡回展示をおこなった。 実施するにあたっては、当該地域で中核となる博物館があること、当該地域をテーマにした展示を直近で検討していることなどから、岩手県立博物館との連携を軸として、展示テーマとあった展開が可能な県内の博物館等との事業連携を行った。

地域博物館で実施できる学芸員研修プログラムの開発・試行

研修実施の様子

研修実施の様子

地域博物館が持続的に活動 していくためには、その博物館で活動する博物館関係者の資質向上やネットワークの活性化など、博物館で活動する関係者を元気にすることが不可欠である。博物館 関係者の資質向上のための手段としては博物館研修などが挙げられるが、地理的な要因や館の規模などから、首都圏での研修等には、なかなか参加する機会が少ない関係者も多い。こういった背景を受けて、研修参加の機会の少なかった地域博物館学芸員やボランティア等、地域資源を活用したプログラムに携わる人材に対する研修を開発し、地方博物館を会場に試行的に実施した。
平成29年度
平成29年度文部科学省委託事業「博物館ネットワークによる未来へのレガシー継承・発信事業」
「学芸員等の資質向上とネットワーク構築を通じた博物館の機能強化モデルの提言」成果報告pdf(619KB)

同一地域の博物館等連携モデルの構築
―巡回ミュージアム in 沖縄―

巡回展示「琉球の植物」に関する展示の様子

巡回展示「琉球の植物」に関する展示の様子

同一地域内連携のモデルケースとして、沖縄県内の各博物館等と連携した。国立科学博物館で行ってきた「琉球の植物」に関する自然史研究の成果を基に、県内博物館が所有する植物由来の民具等の人文科学系資料との融合を意識し、地域特有の自然とそれにより醸成された地域文化をリンクさせた情報発信をおこなった。 展示以外では研修事業として、博物館の魅力を学芸員等職員が再認識するための研修と、標本作成に関する研修を実施した。 また、観光客の多い沖縄で、博物館の魅力をいかに発信していくかを考えるため、ホテルを会場にした博物館外でのアウトリーチ展示の試行的展開や、観光業界関係者と博物館関係者を交えた勉強会を実施した。

広域の博物館等連携モデルの構築
―巡回ミュージアム in 長野・in サヒメル―

展示実施の様子

展示実施の様子

広域の博物館連携のモデルケースとして、長野市立博物館および島根県立三瓶自然館と連携し、「恐竜」というテーマで展示を行った。それぞれの展示を実施するにあたり、報道機関と密に連携を取ることで、地元への発信を意識した。 また、学芸員および博物館ボランティアを対象とした研修プログラムや、観光振興について議論するシンポジウムを実施した。これらの事業において、長野市立博物館と島根県立三瓶自然館の学芸員や職員が相互に交流する機会を設けることで、広域の博物館同士が各館の現状について情報共有し、今後の魅力向上に向けて連携するための基盤を作成した。
平成30年度
平成30年度文部科学省委託事業「博物館ネットワークによる未来へのレガシー継承・発信事業」
「『出会いと学び』を通じた学芸員資質向上と博物館機能強化モデルの展開」事業報告書pdf(10,943KB)

博物館関係者同士の出会いと学び

研修中の様子

研修中の様子

北海道内での研修事業を検討するにあたり、道内の博物館関係者に研修についての意識調査を行った。
意識調査を踏まえ博物館関係者向け研修事業8件、シンポジウム1件、巡回展示・イベントを4件実施した。

研修テーマ
  • ・資料の取扱と修復について
  • ・展示発見カードをつくろう!
  • ・樹脂封入標本の製作と活用にかかる研修[2会場で実施]
  • ・樹脂を使った標本作成ワークショップ
  • ・科学館的ミュージアム・マネジメント(事業点検編)
    ~人と科学をつなげるサイエンスコミュニケーションを目指して~
  • ・博物館施設における多言語化
  • ・博物館の展示制作について考えよう

他業種の出会いと学び シンポジウム
「地域の情報発信拠点としての博物館
―観光と博物館の連携をさぐる―」

北海道博物館でのシンポジウムの様子

北海道博物館でのシンポジウムの様子

近年、外国人観光客の増加、観光のスタイルの変化に対し、観光による地域活性化などの取り組みが増加しつつある。その中で、歴史、くらし、自然、芸術など、地域資源にかかる「もの」と「情報」を集約、発信している博物館への期待は大きい。地域資源の情報の集積・発信拠点である博物館が、どのように「観光」と連携してゆくべきかというのは、喫緊の課題のひとつである。本シンポジウムでは、博物館、観光業界などそれぞれの立場からの意見を共有し、相互に対する理解を深めることで、互いの強みを活かし、観光客、利用者、地域住民にとって意味のある望ましい連携の在り方について議論する契機と なることを目的とした。