研究室コラム・更新履歴

1月23日

50年前のコンピューター・シミュレーション
九州大学理学部物理教室に残っていた映画フィルム

1968年に京都で開かれた物理学者の国際会議で、ある映画が上映されました。内容は、統計力学という分野で使われる「イジングモデル」のコンピューター・シミュレーションで、この当時、計算結果をアニメーションの形で映し出したのは画期的だったと言われています。この映画について、ここ1年ほど、多くの方々のご協力を得て調査してきました。その結果、制作当時のフィルムが残っていることが確認され、資料の保存とデジタル化を現在検討しています。こうした現代の科学研究の遺産にも、もっと注目が集まればと思います。
※映画の内容の一部は、今月28日からの企画展「磁石と水からひろがる相転移の世界」で紹介します。
(理工学研究部:有賀暢迪)

1月16日

スイスで言い合いになる
私が専門とする地衣類サルオガセの分類は非常に難しいためか世界で数人しか研究者がいません。その縁もあって、昨年スイスの共同研究者に招待されてジュネーブ植物園に約一ヶ月滞在しました。朝から晩までサルオガセ三昧の夢のような研究生活でしたが、「種概念」の相違で白熱して何度か激しい言い合いになったことも…。しかし、意見の違うところこそが研究で取り組むべき面白い点なのだと確認し合い、熱く溶かしたチーズフォンデュとワインで和解?!したのでした。
(植物研究部:大村嘉人)

1月9日

マイブーム
研究の合間にながめる絵本「ほうさんちゅう」。研究中の珪藻化石プレパラートのかたわらに置いてある。

珪藻化石を専門とする私が、なぜか今、放散虫にハマっています。共通するのは、どちらも、水の中で暮らす単細胞の微小な生物で、自らが作り出したガラス質の硬組織が化石として残されることです。珪藻化石の形の不思議を明らかにしたいと研究している私から見ても、とにかく、放散虫化石の形は奇抜でその多様性には目を見張るものがあります。あなたも放散虫を見てみませんか?当館で開催中の企画展「絵本でめぐる生命の旅 」では本物の標本もご覧いただけます。
(地学研究部:齋藤めぐみ)

1月2日

ミャンマー調査での発見
去年の6月にミャンマーのカヤ州を訪れてトンボ類の調査をしていた時です。薄暗い小さな流れで比較的大型のイトトンボを見つけました。ミナミカワトンボ科のCryptophaea saukraという絶滅危惧種で、タイプ標本が発見されたタイ北部からのみ報告されていましたが、ダム建設の影響から近年は同地では絶滅したと考えられていたトンボです。今回の発見により、第二の生息地としてミャンマーにも同種が分布していることが確認できました。東南アジアのトンボ類については分布調査がまだまだ不十分であり、特にミャンマーはこれからの調査が必要な地域です。
(動物研究部:清 拓哉)