研究室コラム・更新履歴

1月17日

野生絶滅種に含まれる化学成分
トバタアヤメ(Iris sanguinea var. tobataensis)は2009年に当館の研究者らによって、アヤメの変種として学名が付けられた植物です。現在、北九州市戸畑区で維持されていますが、野生には存在しません。今回、フラボノイド組成をアヤメと比較し、論文にまとめました。実験では、トバタアヤメのみから検出されたフラボノイドが、これまで近縁の種から報告されていない稀有な化合物であることが判りました。トバタアヤメの絶滅は未利用の天然物資源の喪失も意味するようです。
(植物研究部:水野貴行)

1月10日

奥多摩調査
私は近年、野生魚と養殖魚(人工ふ化させ飼育した魚)の形態の差を、新たな視点で調査する研究を行っています。今年の秋には、奥多摩にて野生のヤマメとイワナの調査を行いました。調査は落差の大きい滝の上流で行いました。下流で放流された養殖魚が混ざるのを防ぐためです。ただ、魚が上れない滝は人(研究者)も上れない。よって、調査を断念した場所もありました。日頃の運動不足が研究にも影響することを痛感しました。
(動物研究部:中江雅典)

1月3日

最先端科学で歴史を探る
こちらは、茨城県東海村の大強度陽子加速器施設J-PARCの実験設備で、関係者の集合写真です。この実験設備では、陽子加速器により発生する世界最強度の負電荷ミュオンを利用して、非破壊で深さ方向の材質調査が可能です。そこで貴重な文化財の材質状態を知る手段として活用し、当館のほか、高エネルギー加速器研究機構、国立歴史民俗博物館、山梨県立博物館など7機関共同で金属製品の歴史を解き明かす研究を進めています。とてもワクワクする最先端研究が現在進行中です。
(理工学研究部:沓名貴彦)