研究室コラム・更新履歴

7月22日

渋沢栄一ゆかりの資料
NHKの今年の大河ドラマの主人公は渋沢栄一との事。実は当館では渋沢ゆかりの資料をいくつか所蔵しています。筆頭は、渋沢の喜寿を祝って建てられた誠之堂の煉瓦。世田谷から深谷へ解体・移築された際に採取されました。渋沢が起こした会社の一つに日本煉瓦製造株式会社があります。ここで作られた煉瓦は戦前の日本の建設業を大いに支えました。国宝・迎賓館赤坂離宮で使われた煉瓦も、この会社の製造したもので、当館で所蔵しています。最後は、渋沢が設立に関わった第一国立銀行の建築模型。洋風に似て非なる建物と後の建築史研究者に擬洋風建築と名付けられたこの建物は、明治の東京名所として、数々の錦絵に描かれました。ドラマにあやかり、これらの資料を展示できないかとも考えましたが、煉瓦だけでは展示にならず、こっそりこの場でお披露目いたします。
(理工学研究部:久保田稔男)

7月15日

砂浜はハチのすみか
砂浜で出会ったアリバチの一種

海辺の砂浜でハチを探してみました。すると、ハマヒルガオやハマエンドウといった砂浜で花を咲かせる海浜植物のまわりで、たくさんのハチに出会うことができました。なかでもおもしろかったのは、砂浜を歩き回る「アリバチ」という変わったハチとの出会いでした。アリのような姿をしたこのハチは、砂浜に掘られた他のハチの巣穴 に潜り込み、巣の中の幼虫に卵を産みつける、といわれています。どうやら海辺の砂浜は、さまざまなハチにとって大事なすみかとなっているようです。
(動物研究部:井手竜也)

7月8日

シカ化石の年代を調べる
ツヅピスキアブ遺跡の調査区。写真奥に洞窟の入り口が見える。

琉球列島にいた数種のシカ類は、各島でヒトの渡来直後(3万〜3万5千年前)に絶滅したようなのですが、宮古島のツヅピスキアブ遺跡では1万年前の地層からシカ化石が見つかりました。宮古島だけシカが生き延びていたのか疑問に思い、私たちはこの地層から出たシカとイノシシの化石に含まれる数種の元素の量を調べてみました。すると、シカとイノシシでは元素の含量が異なり、イノシシは1万年前、シカ化石はそれより古いことがわかりました。洞窟の堆積は複雑で、古い化石と新しい化石が混ざって埋まっていることがしばしばあります。これから堆積プロセスの研究やシカの年代測定を進め、宮古島でのシカ絶滅とヒト渡来の関係を探っていく計画です。
(人類研究部:藤田祐樹)

7月1日

キミは水深6,500 mの世界を知っているのか!
真っ暗で圧力の高い深い海の底に、今や人間は潜っていくことができます。海洋研究開発機構が所有する調査船「しんかい6500」は、水深6,500 mまで人間を乗せて潜ることができます。開催中の企画展「日本の海洋調査への挑戦とあゆみ」(地球館2階常設展示室内、2022/3/21まで)では、「しんかい6500」の1/2模型とその初代プロペラの実物を展示しています。現在、このプロペラは科博に寄贈されていますが、深さ6,500 m の世界を知っているのだと思うと、なにやらワクワクしませんか?皆様も展示をご覧になって、人類最後のフロンティアと言われる深海の世界に思いを馳せてみてください。
(理工学研究部:室谷智子)