2011-04-20

日本で起こる地震


日本で起こる地震

 2011年3月11日(金)に三陸沖を震源としてマグニチュード9.0という日本の観測史上最大規模の地震が発生しました。そして、大変大きな津波が発生しました。これらによって、全く予想の出来なかった大きな被害がもたらされました。東日本大震災等で被災された皆様には心よりお見舞い申し上げます。

 今回のホットニュースでは、これまで明らかにされている地震の歴史やメカニズムについて紹介し、今回の大地震をきっかけに、あらためて地震という現象について、そして日本列島という場所の特徴を含めて科学的に解説します。

■地震国・日本

 実は、日本は世界の地震の約10 %が集中する「地震大国」です。その宿命は、この国及び周辺で「北米プレート」「ユーラシアプレート」「太平洋プレート」「フィリピン海プレート」と、硬い岩石の板である4つのプレートがせめぎ合っていることが原因です(図1)。海洋プレートが大陸プレートに沈み込んでいる「沈み込み帯」で、次の「地震とは?−−−どうして起こるのか」のページで説明するように様々なタイプの地震が起こります。近年では中越地震や兵庫県南部地震(阪神大震災)など、いわゆる「直下型地震」による災害が多かったのですが、最も警戒されていたのは「東海地震」と呼ばれる、静岡沖の南海トラフ(ユーラシアプレートにフィリピン海プレートが沈み込んでいる所)で近々起きるであろうと考えられているプレート境界型の地震です。前回は太平洋戦争末期の1944年にM7.9〜8.0の地震を起こしています。また、東海〜東南海〜南海地震はしばしば連動して発生し、ほぼ同時に発生して巨大地震になる事も想定されていました。この地域で過去発生した巨大地震に関しては、明治以前には長らく政治の中心であった京都に近いこともあり、古文書の記録としてほぼ残っています。そのために地震発生の周期を見積もる上でも地震予知の対象としやすく、東海地震については、事前に発生の確率や規模を予測しやすい」とされています。

 しかし今回は関東〜東北という場所で、想定外のM9.0という大きさの地震が発生してしまいました。しかも、東海〜東南海〜南海で想定されていた巨大地震の連鎖が三陸沖〜宮城沖〜茨城沖で起き、特に沿岸を襲った津波は正に未曾有の災害をもたらしました。古文書によると、西暦869年に起きた地震により、多賀城まで津波が押し寄せ約1000人が溺死した、という記録があります(「貞観<じょうがん>地震」)。これが「前回の地震」であったとすると、今回の地震は正しく「1000年に一度の災害」と言えるかもしれません。実は、この「貞観地震」については、近年その重要性が注目されつつありました。堆積物などの研究の結果、巨大地震の連鎖により東北地方の広範囲に津波が押し寄せた可能性があることが分かり、2007年には新聞でも報道されていました。その成果が生かされる前に、今回の震災は襲ってきたことになります。