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Observation of Sunspots 1947 - 1996 by Hisako KOYAMA
国立科学博物館・太陽黒点スケッチデータベース
下のリンクをクリックすると、いろいろな月日の太陽のようすを見ることができます。太陽が自転しているようすも見ることができます。
黒点相対数テーブル 黒点相対数テーブルを見る
観測日ごとの黒点相対数とその日のスケッチを見ることができます。
黒点群テーブル 黒点群テーブルを見る
黒点群の出現位置や発達のようすと、該当する日のスケッチを見ることができます。

解説

 国立科学博物館には、1947年から1996年まで、約50年間の太陽黒点スケッチが残されています。この観測は、 国立科学博物館の職員であった小山ヒサ子氏(1916-1997)が本館屋上の20cm屈折望遠鏡を用いて行ったもので(*)、 一人の観測者がこれほどの長期にわたって行った太陽の観測記録は、世界的にも非常に貴重なものといえます。
 黒点のスケッチ観測は、図1のように紙に太陽を投影して行います。科博のスケッチの太陽の投影サイズは 直径30cmです。望遠鏡の口径が大きいことを生かしたスケッチサイズの大きさも、この観測の特長のひとつです。

(*) ただし、最後の数年間は村山定男氏(元理工学研究部長)宅の15cm屈折望遠鏡による観測も多く含まれています。
   
図1 20cm屈折望遠鏡と観測中の小山ヒサ子氏 図2 1978年12月13日の太陽黒点スケッチ

 

 太陽を続けて観測すると、太陽面で黒点が生まれ、発達して、最後は衰えて消えていくようすを見ることができす。最初は1つ単独で生まれた黒点が、ある時はたくさんの黒点からなる巨大な黒点群に発達し、またある時は発達せずにそのまま消えていくようすが観察できます。
 太陽の活動は約11年の周期で変化し、黒点の出現数もそれにあわせて増減します。図3はそのようすを示したもので、横軸は時間(年)、縦軸は黒点の相対数です(黒点相対数について、詳しくは「黒点相対数テーブルを見る」を参照して下さい)。この観測が、4サイクル以上の長期間におよぶ貴重な観測記録であることがわかります。
 図4は観測された黒点の出現緯度を時間とともにプロットしたもので、太陽の活動サイクルと出現緯度の間に関係があることを示しています。このことは、太陽黒点がどのようにしてできるのか、太陽の周期的な活動性はどのようにして生じているのかを調べるための重要な手がかりとなります。


図3 太陽の黒点数(黒点相対数)の変化のようす
   約11年の周期で増減を繰り返していることがわかる。


図4 太陽黒点が現れる緯度の変化のようす
   黒点が増え始める時期は高い緯度に現れ,しだいに低い緯度に現れるようになることがわかる。
 

参 考

小山ヒサ子,1985.太陽黒点観測報告 1947-1984,河出書房新社.

理科年表オフィシャルサイト/天文部:太陽黒点数の長周期変動(国立天文台・丸善出版)
https://www.rikanenpyo.jp/kaisetsu/tenmon/tenmon_030.html