このページはJavascriptを使用して作成しています。設定がオフになっている場合、一部正常に閲覧できないコンテンツがあります。

2009年11月12日

コハクオナジマイマイ 動物研究部 長谷川和範

コハクオナジマイマイ リンク1

 今年の秋の初め頃、つくば市にある自宅の庭で見慣れないカタツムリを見つけました。今や秋葉原から快速電車45分で結ばれるつくば市も、駅から15分も歩くと、まだヒタチマイマイ、ニッポンマイマイなど在来のカタツムリが這い回る自然が残されています。我が家の庭にもそれらを含め5~6種類が見られるのですが、今回目に留まったのは、2cmほどの小型の種類で、殻がとても薄く、特徴的な黄色い内臓(中腸腺)が透けて見えることから、すぐにコハクオナジマイマイであることがわかりました。これは日本固有の種類で、元来山口県や四国以西にのみ分布していたのですが、1990年代に突然千葉県と神奈川県で相次いで見つかって以来、関東でも少しずつ分布を広げています。茨城県ではまだ確実な記録はないようで、これが恐らく現時点の北(東)限となります。人為的な拡散とは思いますが、温暖化も影響しているのかもしれません。いずれにしても今後の分布の動向が気になります。皆さんも周りにいるかもしれない、小型で薄くて「黄色い」カタツムリにご注意ください。

写真:コハクオナジマイマイ