人やものを飾るだけではなく、さまざまな目的のために、多様な素材を使って作られてきたビーズ(Beads)。私たちは、およそ10万年もの間、何のために、どのような素材や技術を用いてビーズを作ってきたのでしょうか。

民博と科博。それぞれの専門分野である民族学、自然科学の視点からビーズを眺め、双方の知見を合わせることで、ビーズと人類とのかかわり方を紹介します。

展示概要

企画展名称 国立民族学博物館・国立科学博物館 共同企画展「ビーズ -自然をつなぐ、世界をつなぐ-」
開催期間 2019年4月9日(火)~6月16日(日)
開催場所 国立科学博物館(東京・上野)
日本館1階 企画展示室、中央ホール
開館時間 午前9時~午後5時
(金・土曜日及び4月28日(日)~5月5日(日・祝)は午後8時まで。5月6日(月・休)は午後6時まで)
*入館は各閉館時刻の30分前まで
休館日 毎週月曜日、5月7日(火)(ただし、4月29日(月・祝)、5月6日(月・休)、6月10日(月)は開館)
入館料 一般・大学生:620円(団体500円)
高校生以下および65歳以上:無料
主催 国立民族学博物館、国立科学博物館

アクセス

独立行政法人国立科学博物館
所在地 東京都台東区上野公園 7-20
お問合せ (ハローダイヤル) 03-5777-8600
国立科学博物館アクセスマップ

展示紹介

第1章 ビーズとは

ビーズ(Beads)を、さまざまな部材をつなげたものと定義します。ビーズに用いられる素材はさまざまで、それらが持つ性質はビーズの役割に大きな影響を与えています。ビーズの持つ性質を考えるときに、素材について考えることが重要です。

第2章 植物のビーズ

第2章 植物のビーズ植物のビーズには、草や木の実、種子、花、葉などさまざまな部位が使われてきました。植物では、部位をそのまま使うことができる点、すでに穴があいているものもある点、匂いを持つ点など、他の素材とは異なる特徴があります。私たち人類は、色や形、加工しやすさなどを考慮して、植物の部位をビーズに利用してきました。

第3章 動物のビーズ

第3章 動物のビーズ動物を材料としたビーズでは、虫・鳥・魚・爬虫類・ヒトを含む哺乳類など、素材となる生き物の対象が多様である点、部位をそのまま使う場合と加工する場合がある点などの特徴があります。私たち人類は、入手の困難さ、穴をあけるための労力などを考慮して、動物の部位をビーズに利用してきました。

第4章 貝のビーズ

第4章 貝のビーズ貝製のビーズの作製には、さまざまな種類の貝が使われてきました。海や陸の巻貝が中心ですが、ビーズの部材としては二枚貝も使われました。貝の場合には、大量に同じ大きさや形のものをそろえることができる点、持ち運びに便利であることから交易を通して遠方に運ばれてきたという点に特徴があります。

第5章 石のビーズ

第5章 石のビーズ石のビーズに用いられる素材もさまざまです。代表的な素材としては、ヒスイ、メノウ、トルコ石、ラピスラズリなどが挙げられます。石の場合には、素材の産地が偏在している点や、素材の獲得や穴をあけるために特別な技術が必要であるという点に特徴があります。

第6章 金属のビーズ

第6章 金属のビーズ金、銀、銅、鉄など、さまざまな種類の金属もビーズの素材として使われてきました。鉱石から金属を生産してビーズへ加工するためには、いくつもの特別な技術が必要となります。このため、鉄製ビーズの場合などでは、製作する職人と利用者との間の交易が発達してきます

第7章 ガラスのビーズ

第7章 ガラスのビーズさまざまな色のガラスが、単色の玉やトンボ玉など多様なガラスビーズに利用されました。ガラスビーズの交易品としての価値は大きく、17世紀以降、世界の諸地域をつなぎました。日本列島でも紀元前に海外からもたらされ、その後国内で作られるようになり、その価値は大きいものでした。(ガラス勾玉:春日市奴国の丘歴史資料館蔵)

第8章 21世紀のビーズ

21世紀に入り、紙やコットンパールといった新たな素材や、ワイアーアートやビーズ織りといった技法を用いたビーズが生まれています。10万年の間、自然と人とをつないできたビーズは、今後ますます多様化していくでしょう。そのとき私たちとビーズのかかわりはどのように変化していくのでしょうか。

講演会

「企画展『ビーズ -自然をつなぐ、世界をつなぐ-』民博vs.科博」講演会

日時 4月27日(土)14:00~16:00
会場 国立科学博物館 日本館2階 講堂
定員 100名
申込方法・期間 こちらをご覧ください。
※定員に達したため、受付は終了いたしました。
対象 高校生以上
備考 常設展示入館料は別途必要です。
(一般・大学生620円、高校生以下・65歳以上は無料)

トークイベント「ヒトってなんだ??-ホモ・サピエンスの誕生から文化の獲得まで-」

日時 5月25日(土)14:00~16:00
主催 一般財団法人千里文化財団、国立科学博物館
会場 国立科学博物館 日本館2階 講堂
定員 100名
申込方法・期間 こちら(千里文化財団のHP)をご覧ください。
※定員に達したため、受付は終了いたしました。
対象 高校生以上
備考 常設展示入館料は別途必要です。
(一般・大学生620円、高校生以下・65歳以上は無料)

プレミアムフライデー ギャラリートーク

本展担当の研究者による展示解説を実施します。

会場 国立科学博物館 日本館1階 企画展示室
時間 18:00~18:30
備考 事前申込不要(直接会場へお越し下さい)
※常設展示入館料は別途必要です。
(一般・大学生620円、高校生以下・65歳以上は無料)
日程 【第1回】4月26日(金)
講師:池谷 和信(国立民族学博物館人類文明誌研究部教授)
【第2回】5月31日(金)
講師:沓名 貴彦(国立科学博物館理工学研究部科学技術史グループ研究主幹)