研究室コラム・更新履歴

11月8日

ブナの模様
ブナと言えば美しいモザイク模様の樹皮を想像される方も多いと思います。しかし、それらはブナそのものの模様ではなく、様々な種類の地衣類が樹皮を被うことによって作られているのです。地衣類は菌類と藻類が微妙なバランスで成り立っている共生体で、大気汚染に弱いことが知られています。筑波実験植物園内のブナ林など都市部に植えてあるブナにはそのようなモザイク模様はほとんど見られません。異なる環境でブナ表面の地衣類を比較してみるのも面白いですね。
(植物研究部:大村嘉人)

11月1日

ニホンミツバチ
約200倍のニホンミツバチ模型

特別展「昆虫」で皆さんをお出迎えしたニホンミツバチ。かわいらしい見た目のハチですが、実はとても機能的な体のつくりをしています。体を覆うフワフワした毛は花粉を集めるためのもので、脚には体についた花粉をかき集めて、団子状にして運ぶための構造があります。前脚には触角を掃除するための構造もついています。模型作成時にはこういった部分も意識して監修しました。今度はぜひ身近な公園で生きた姿も観察してみてください。
(動物研究部:井手竜也)

10月25日

ミャンマーでのトンボ類調査
今年の5月にミャンマーのチン州にあるビクトリア山を訪れ、トンボ類などの昆虫相調査を行ってきました。雨季の始まりにあたる時期だったのですが、どこにいっても水場が無く、調査が難航しました。「池がある」という数カ所に現地の人に案内してもらっても、どこも水が枯れた跡があるだけでトンボの気配は全くない有様でした。ようやく見つけた小さな水溜りのような場所で未記載種と考えられるトンボを数種採集することができましたが、ここまで苦労した調査は初めてでした。
(動物研究部:清 拓也)

10月18日

いつ熟す?
昨年、南硫黄島で79年ぶりに発見されたシマクモキリソウ。当園で譲り受け栽培したところ、昨年11月に開花し、ニュースでも取り上げられ話題になった植物である。種子から増殖させようと交配し、今は果実が熟すのを待っている。この仲間は温帯に分布しており、5〜7月に花が咲き、秋に果実が熟し落葉するが、亜熱帯の小笠原諸島に固有のシマクモキリソウは、11〜3月に開花し、9〜11月に落葉する。果実がいつ熟すのかは不明で、開花後10ヶ月が経ち落葉してもまだ緑色。適期を逃して果実が裂開すると種子がこぼれてなくなってしまうので、果実が良い状態に熟すのを今か今かと見守る日々が続いている。
(植物研究部:堤 千絵)

10月11日

カミナリ様
今回は我々の研究室で使用している装置を紹介したいと思います。これはセルフラッグと呼ばれるスイス製の最新装置で、石に高電圧の電気パルス(カミナリ)を当ててバラバラにしてしまいます。石は鉱物やガラスの集合体ですが、これを使うと固い石から、年代測定や化学分析に必要な鉱物を、元々の形を保ったまま綺麗に分離することが出来ます。科博には2年前に導入され、地層の年代決定などに大活躍しています。
(地学研究部:谷 健一郎)

10月4日

海底温泉に棲むホウキガニ
一昨年から火山性熱水噴出域に生息するカニにはまっています。熱水域に生息するカニと言えば深海のユノハナガニが有名ですが、私が研究対象としているのは浅海に生息するホウキガニの仲間です。ホウキガニの名前は、ハサミ脚の先端に毛束があることに由来し、その「ホウキ」を使って海底に降り積もったプランクトンの死骸を集めて食べると言われています。ホウキガニの仲間は世界で3種のみが知られているのですが、その分類に問題があることがわかってきました。そのため昨年は火山列島の北硫黄島で採集を行い、今年は薩摩硫黄島と式根島で採集を計画しています。5月の調査は時化でうまくいかなかったので、10月の調査では海が荒れないことを祈っています。
(動物研究部:小松浩典)