研究室コラム・更新履歴

4月19日

サクラ
自然雑種と推定されるヤママメザクラ(ミノブザクラ)[2018年3月28日房総半島]

サクラといえば栽培されているソメイヨシノが取り上げられることが多いですが、日本には山野に自生する野生のサクラがあります。東京の上野公園でソメイヨシノが満開に近いころ、房総半島では野生のサクラが花盛りでした。その中でもマメザクラはヤマザクラよりやや小ぶりの花をつけ、花序あたりの花数も2個前後と少な目で、遠目に見ても違いがわかります。また、自然雑種と推定されるヤママメザクラ(ミノブザクラ)はヤマザクラでもなくマメザクラでもなく、ちょっと変わったものに見えます。東京周辺ではこれからカスミザクラの花が咲きます。野生のサクラの花をじっくり見てみませんか。自然雑種が見つかるかもしれません。
(植物研究部:秋山 忍)

4月12日

100人力の助っ人
丸木舟を漕ぐモーケンの人

一昨年度から始まった総合研究「ミャンマーを中心とする東南アジアの生物インベントリー」では海洋生物の調査も行っています。私はミャンマー南部にあるランピ国立海洋公園内の島々での調査に参加しましたが、そこでは海洋民族として知られる「モーケン」の人たちに調査協力していただきました。かつては生涯を海上で過ごしたといわれるモーケンの人たちは、現在でも海に関する多くの知識や、優れた潜水能力をもっています。持参した海産無脊椎動物の標本や写真を見せて、このようなものを集めてほしいと依頼したところ、とても小さな種類や、一見、同じなかまとは思えない種類まで、たちどころに集めてくれたことには大変驚きました。
(動物研究部:齋藤 寛)

4月5日

東大寺修二会(お水取り)と時香盤(香時計)
籠松明への点火

東大寺二月堂の修二会(しゅにえ)は天平勝宝4(752)年に始まり、以来途切れることなく続く由緒ある行事で、今年で1267回目になる。3月1日から2週間、行を勤める11人の練行衆(れんぎょうしゅう)は1日6回決まった時間に法要を行う。その時間の管理は、今でも時香盤(じこうばん)が儀式中で使われ、一度見たいと思っていたところ、今年3月12日のお水取りに参加する機会を頂いた。人々の見守る中、「時香の案内」のかけ声で松明が点され二月堂に上がるのを聞き、時間の重要性はこうして広まったのだと納得し、1200年余の時の長さも改めて実感した夜だった。
(産業技術史資料情報センター:鈴木一義)