第654号
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科博メールマガジン第654号
発行日:2015年11月19日
http://www.kahaku.go.jp/
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今日は11月の第3木曜日、ボージョレ・ヌーヴォー解禁日ですね。日付が
変わるとともに召し上がった方もいらっしゃるのではないでしょうか。先週の
冒頭文でご案内した特別展「ワイン展」での「ちょっとひと口体験タイム」で
すが、27日(金)まではボージョレ・ヌーヴォーをご提供します!詳しくは、
下記リリース資料をご覧ください。
http://www.kahaku.go.jp/procedure/press/pdf/94377.pdf
※ 科博メールマガジンは、国立科学博物館が毎週木曜日に発行しています。
※ このメールマガジンは等幅フォントでご覧ください。
▼- 目 次 -▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼
■ エッセイ 「博物館職員冥利」
■ かはくの縁の下 「ワイン展にお越しの際は…」
■ 上野の鳥 「鳥の学名 上野の野鳥」
■ お知らせ
■ 壁紙プレゼント(11月カレンダー付き)
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◆ エッセイ ◆
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博物館職員冥利
植物研究部 樋口 正信
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今年の7月に地球館(北側部分)がリニューアルオープンした。その見学後、
久しぶりに南側部分を歩いてみた。もちろん気になるのは自分が関係した展示
である。
1階の「地球の多様な生き物たち」の数か所を担当したが、「自然を生き抜
く工夫」のところでは「サイズへの挑戦」のコーナーをまかされた。動物のマッ
コウクジラと並べると、自分の専門のコケ植物ではいかんせん迫力が乏しい。
それで我が国最大の樹木であるスギに登場願ったという次第である(その顛末
もいつか紹介したいと思う)。それとともに体感できる展示ということで作っ
た「世界一重い木と軽い木」の様子がとても気になった。重い木のリグナムバ
イタは製作当初からほとんど変化は無いのだが、軽い木のバルサは角が削れて
全体が黒ずんでいたのである。
寺社の中には触るとご利益があるという石や、金属でできた置物があるとこ
ろがある。長い年月を経て触られたところがツルツルになっているのを見ると、
多くの参拝者がいろいろな思いで触れたことが想像される。傷んだり、汚れた
りするのはハンズオン展示の宿命であるのだが、それこそが、「おもー」「か
るー」と家族で、また友達と歓声をあげて体感いただいたことの証拠であり、
ご利益のほどはわからないが博物館職員冥利に尽きるのである。
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◆ かはくの縁の下 ◆
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ワイン展にお越しの際は…
レストラン ムーセイオン 後藤 明日香
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連日たくさんのお客様に足を運んでいただき、ありがとうございます。
国立科学博物館では、特別展「ワイン展−ぶどうから生まれた奇跡−」が開
催されています。その特別展に関するムーセイオンでのお話です。
レストランでは特別展ごとに記念メニューを提供しております。今回は、仔
羊のソテーとソースに赤ワインを使った「ワイン展記念メニュー」(1日限定
50食)をご用意しました。そのほかにも「ワインの飲み比べセット」として、
2〜4種類のワインを少量ずつお楽しみいただけるメニューや、ワインによく
合うお料理もございます。
お客様のテーブルへワインを運んでいると、ワインのいい香りがしてくるの
で、私たちも楽しく営業をしています。中には、提供しているワインについて
詳しくお聞きになるお客様がいらっしゃいますので、私ももっと丁寧にお答え
が出来るようにならないといけないと思っております。
多くのお客様に「おいしかった」「また来たい」と思っていただけるよう、
明るい笑顔で接客をしております。皆様のご来店を心よりお待ち申し上げてお
ります。
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◆ 上野の鳥 ◆
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鳥の学名 上野の野鳥
文京区役所 渡辺 浩(友の会会員)
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前回に引き続き、学名の話をします。今回は、上野公園で見られる野鳥につ
いてです。
まずは、スズメです。スズメの学名は「Passer montanus」で、「山のスズメ」
という意味です。街中に住んでいるスズメに、こんな学名が付いているのは不
思議だと思いませんか?その理由は、スズメとイエスズメ(「P.domesticus」。
意味は「家のスズメ」)の関係にあります。スズメの学名を命名したのは、ス
ウェーデンの博物学者カール・フォン・リンネです。ヨーロッパ等、スズメと
イエスズメが競合する地域では、体の大きなイエスズメが人里で生活し、スズ
メは人里離れた森林に追いやられてしまいます。しかし日本ではイエスズメは
迷鳥のため、スズメたちは堂々と?人里で生活できるのです。
次にカモの仲間です。不忍池でよく見られるカモは、マガモ属(「Anas」。
マガモは「A.platyrhynchos」)とスズガモ属(「Aythya」。ホシハジロは「A.
ferina」)の二つに分けられます。マガモ・カルガモ・オナガガモ・ヒドリガ
モ・ハシビロガモはマガモ属、ホシハジロ・キンクロハジロはスズガモ属にな
ります。前者は淡水ガモ類(オシドリ属を含む)、後者は海ガモ類(ケワタガ
モ属・ホオジロガモ属等を含む)とも呼ばれ、生態や足の位置(淡水ガモ類は
体の中央・海ガモは体の後方)等が異なります。
最後にコゲラです。キツツキの仲間であるコゲラの学名は「Dendrocopos
kizuki」です。種小名の「kizuki」は、「キツツキの誤記」説と、「(新種記
載時の)標本採集地が、豊後の杵築のため」説があります。もし前者が正しい
とすれば、前回の「コマドリとアカヒゲの種小名取り違え」同様、シーボルト
+テミングのコンビになります。気になるのは、日本人だけでしょうが…。
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◆ お知らせ ◆
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企画展 <予告>
「日本の科学者技術者展シリーズ第11回 渋川春海と江戸時代の天文学者たち」
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今年は日本で最初の天文学者ともいわれる渋川春海(1639-1715)が亡くなっ
て300年にあたります。渋川春海は自らの天体観測に基づいた日本で初めての
独自の暦を作成し、平安時代から800年以上用いられ、ずれの生じていた暦を
新しくして、幕府の初代天文方に任命されました。
本展ではさまざまな努力の末に改暦を行った渋川春海の業績、人物とともに、
その流れを継ぐ江戸時代中後期の天文学者たちについて紹介します。
[開催期間]平成27年12月19日(土)〜平成28年3月6日(日)
[会 場]国立科学博物館 日本館1階企画展示室
[料 金]常設展示入館料のみ
[主 催]国立科学博物館
[後 援]日本天文学会、日本科学史学会
詳しくは下記をご覧ください。
http://www.kahaku.go.jp/event/2015/12shibukawa/
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化学実験講座
「キレート滴定を利用した、様々な水の硬度測定」 <参加者募集>
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各種のミネラルウォーターの硬度を分析して種類による差を明らかにします。
キレート滴定は最新の機器分析に感度は全くかないませんが、精度は非常に高
い事を実感していただきます。
[日 時]平成27年12月12日(土)14:30〜16:00
[会 場]上野本館 地球館3階実験実習室
[講 師]理化学研究所/高橋和也
当館理工学研究部/若林文高、米田成一
[申込方法]往復はがきまたはWEB(11/28締切・消印有効)
[定 員]20名
[対 象]大学生以上、現職理科教員を優先
詳しくは下記をご覧ください。
http://www.kahaku.go.jp/event/all.php?date=20151212
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特別展「ワイン展−ぶどうから生まれた奇跡−」
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本展は、ワインをテーマにした国内初の大規模展覧会です。世界中で古くか
ら愛されてきたワイン。美しい色と香りで私たちを魅了するワインは一体どの
ような過程を経て出来上がっているのでしょうか。本展では、そのひとしずく
に隠されたストーリーを、多彩な資料と映像で科学的かつ歴史的に解き明かし
ます。
[開催期間]平成27年10月31日(土)〜平成28年2月21日(日)
詳しくは下記をご覧ください。
http://www.kahaku.go.jp/exhibitions/ueno/special/2015/wine/
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企画展「世界のヒョウタン展−人類の原器−」
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ヒョウタンは世界最古の栽培植物のひとつで、1万余年もの歴史があります。
多くの地で土器に先立って、人間が生きていくための生活用具として使われて
きました。丈夫で軽い優れた容器として活用されてきただけでなく、絵を描い
たり、彫ったり、変形させたりといった芸術表現の素材となり、世界各国の神
話や伝説にも登場する神秘性を有しています。形や大きさの多様性と、さまざ
まな利用法について、世界各地から集められたコレクションをもとに紹介しま
す。
[開催期間]平成27年9月15日(火)〜12月6日(日)
詳細は下記をご覧ください。
http://www.kahaku.go.jp/event/2015/09gourd/
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「国立科学博物館サイエンスコミュニケータ養成実践講座」受講生による
サイエンスイベント <参加者募集>
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■「アンモナイトに群がるモノたち〜穴から広がる科学の眼〜」
穴の空いたアンモナイトの化石。それを見た研究者は何を思ったのでしょう。
真実は化石だけが知っています。今回は皆さん自身が化石研究者となり、アン
モナイトの謎を解き明かしましょう!
[開催日時]平成27年12月13日(日)10:30〜12:00(受付開始10:00)
詳しくは下記をご覧ください。
http://www.kahaku.go.jp/learning/university/partnership/2015/sccafe1.html
■「『わければ』わかる 光の世界 〜読み解く光のメッセージ〜」
クリスマスと言えばイルミネーション!そんな季節に、「光」をいつもと違
う目線で見てみませんか?植物はなぜ緑に見えるの?赤外線ストーブはなぜ暖
かいの?光でどんな研究ができるの?科博の研究者と一緒に、みんなで考えて
いきましょう!
[開催日時]平成27年12月13日(日)13:30〜15:00(受付開始13:00)
詳しくは下記をご覧ください。
http://www.kahaku.go.jp/learning/university/partnership/2015/sccafe2.html
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特別展「ワイン展」関連イベント
EUワインセミナー:ヨーロッパ産ワインのラベルを読み解く <ご案内>
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ワインのラベルには、生産地、ぶどうの品種、アルコール度数など、さまざ
まな情報が詰まっています。国によってワイン醸造における歴史も文化も異な
るので、ラベルも異なってきます。EU(欧州連合)では、ワイン呼称システ
ムがあり、ヨーロッパ産ワインは、生産地域・村・ブドウ畑によって分類され
ます。このセミナーでは、具体例を挙げながら、やさしくワインラベルについ
て概説します。
[日 時]平成27年11月20日(金)17:00〜17:45
詳しくは下記をご覧ください。
http://www.kahaku.go.jp/exhibitions/ueno/special/2015/wine/event.html
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国立科学博物館Facebookページ更新中!
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上野本館の情報を中心に、科博の「今」を写真付きでお届けしています。
Facebookユーザーでなくても閲覧可能ですので、ぜひご覧ください!
https://www.facebook.com/NationalMuseumofNatureandScience
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雑誌milsil(ミルシル)通巻48号と定期購読について
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今回の特集は酒造りに欠かせない微生物のお話です。顕微鏡などで微生物が
観察できるようになるずっと前から我々は、何かの力が働いて穀物や果物から
アルコールができることを知っていました。研究により明らかになったその複
雑な働きを知れば知るほど、見えない微生物の機嫌を取りながら、おいしいお
酒を作る方法を導き出した先人に畏敬の念が生じます。
2015年のノーベル賞受賞者が発表され、2年連続で日本人が受賞するこ
とが決まりました。大村智先生は、本誌2015年第2号(通巻44号)の巻
頭インタビューにご登場いただいています。また、梶田隆章先生は、本誌創刊
号の同記事にご登場いただいた故・戸塚洋二先生らとともに、「ニュートリノ
振動」の証拠となる観測データを示されました。まさにノーベル賞級の研究内
容を皆さまにご紹介できたことを嬉しく思います。
発行日 :平成27年11月1日(日)
定 価 :420円(税込)
定期購読やお得な会員制度など詳細については下記をご覧ください。
http://www.kahaku.go.jp/userguide/book/milsil/index.html
(友の会)http://www.kahaku.go.jp/userguide/repeater/index.html
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科博のイベント情報紙「kahaku event」12−1月号配布中!
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情報紙「kahaku event」(年6回 A4サイズ 6ページ)は、展覧会や開
催予定のイベントなどについてご紹介しています。国立科学博物館の各施設内
で無料で配布している他、下記ページからもダウンロードすることができます。
ご来館や、イベント参加の計画をたてる際などにご活用ください。
(「友の会会員」「賛助会員(個人特別会員)」の方には郵送でお届けします。)
http://www.kahaku.go.jp/event/kahakuevent/index.html
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