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第807号

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  科博メールマガジン第807号

    発行日:2018年10月4日

   http://www.kahaku.go.jp/

 

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 現在開催中の特別展「昆虫」と筑波実験植物園の「きのこ展〜みんなでさぐ

るきのこのふしぎ〜」はまもなく会期終了を迎えます。どちらも8日(月・祝)

までの開催です。連休のお出かけ先にいかがでしょうか。みなさまのご来場お

待ちしております。

 

 

 ※ 科博メールマガジンは、国立科学博物館が毎週木曜日に発行しています。

 ※ このメールマガジンは等幅フォントでご覧ください。

 

 

▼- 目 次 -▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼

 

 ■ エッセイ       「科博と学会」

 ■ 筑波実験植物園だより 「コンニャクの夢」

 ■ お知らせ

■ 壁紙プレゼント(10月カレンダー付き)

 

 

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◆ エッセイ ◆

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 科博と学会           

 

            

                        動物研究部 篠原 現人

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 学会と聞くと、どこか遠くの世界のように感じている人もいるかもしれませ

ん。でも意外と皆さんの近くに関係者がいるものです。たとえば当館の研究者

も、どこかの学会に会員として所属しています。そのほうが情報を早くかつ効

率的に入手できるからです。また、学会は定期的に研究発表会を開催していま

すし、学会誌を発行しているところも多いので、研究発表の場を求めて会員に

なります。

 

 私が所属している日本魚類学会は今年設立50周年を迎えました。この間、

当館の研究者3名が会長になっています。学会の活動を支えるのは会長だけで

はなく、編集委員会、自然保護委員会など多くの委員会です。また毎年秋に開

催される研究集会は学会にとって一大イベントです。最近は研究発表会が連続

2日間、その後にシンポジウムが1日行われるという3日間のパターンが続い

ています。

 

 50年前の第1回研究集会では参加者は50人程度でしたが、近年は400人を

超えることも珍しくありません。開催地も北海道から沖縄までさまざまで、当

館は過去50回の研究集会のうち8回会場を提供しています。今年の開催地は

東京ですが、当館では収容しきれない参加者数が予想されたので、会場を別に

確保しました。ちょうどこのメールマガジンが配信されるころ、私は開催責任

者のひとりとして研究集会の運営で大忙しの時間を過ごしていると思います。

 

 

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◆ 筑波実験植物園だより ◆

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 コンニャクの夢

 

 

                     筑波実験植物園 小野寺 知子

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 ショクダイオオコンニャクが花を咲かせた2018年6月26日、日付も変わる

深夜零時に、コンニャクがとうとうと湯気を立ち昇らせているのを確認した。

その後、一時間毎に懐中電灯で付属体のてっぺんを照らして湯気の動向を見守

ることとし、いったん眠りについた。

 

 ショクダイオオコンニャクは、受粉を助けるシデムシを呼び寄せるため、そ

の活動時間に合わせて、夕方から深夜に付属体から強烈な腐った肉のような臭

いと38℃前後の熱を発して、湯気とともに臭いを1km先まで飛ばすという。

 

 深夜一時。湯気は若干の勢いは失せたが、まだすーっと立ち昇っている。深

夜二時。いまにも消えそうな湯気が最後の力を振り絞って僅かに揺れながら立

ち昇っていく。深夜三時。再び灯りで照らしてみると、もう既に湯気は絶えて

いた。誘引活動これにて終了。安心して眠りにつく。

 

 四時過ぎ、朝日が降り注ぎ始め、もう既に仏炎苞(ぶつえんほう)が閉じ始

めていたコンニャクに引き寄せられるように歩み寄ると、ぐぐぐっと閉じる音

が聞こえた気がした。

 

 その、にわかには理解しがたい不思議な生態とユーモラスな姿、腐った肉の

ような臭いを発するというゲテモノ感、開花期の不安定さや短さが、人を引き

つけてやまない理由なのかもしれない。

 

 花が終わり、土だけとなった鉢を日々見つめていると、あれは夢だったのだ

ろうかとさえ思う。しかし土の中では巨大なイモが次の葉の展開に備えて着々

と、静かに力を蓄えている。そして最近土の中で芽が動き出していることが確

認できた。

 

 想像してみてください。ショクダイオオコンニャクが自生するスマトラ島の

空を。夜の森を、臭いに誘き寄せられて図らずも受粉を助けるシデムシを。コ

ンニャクを取り巻く世界やコンニャクの一生を想像しながら、日々の成長も楽

しんでみてください。

 

 

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◆ お知らせ ◆

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写真展「都市蝶」:附属自然教育園

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 写真家の関 洋氏が東京都区内で撮影した蝶の姿を26点の美しい写真でご紹

介します。



[開催期間]2018年10月3日(水)〜10月31日(水)

[会  場]自然教育園 展示ホール



 詳しくは下記をご覧ください。

 http://www.ins.kahaku.go.jp/exhibition/data/604160.pdf

 

 

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UENO WELCOME PASSPORT−上野地区文化施設共通入場券−販売中 <ご案内>

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 上野地区の文化施設をお得に楽しめる共通入場券「UENO WELCOME PASSPORT」

を、10月1日から販売しています。このパスポートで、12施設の常設展等に各

1回入場できるほか、「特別展チケット」が付くタイプでは指定の特別展から

1つを選びご観覧いただけます。ぜひご利用ください。

 

[販売・利用期間]2018年10月1日(月)〜2019年3月31日(日)

 

 詳しくは下記をご覧ください。

 http://ueno-bunka.jp/news/welcome2018f/

 

 

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海洋研究開発機構(JAMSTEC)海と地球の研究所セミナー

地球深部探査船「ちきゅう」人類未踏の南海トラフ“超”深部へ

―目指せ巨大地震発生帯!―           <Web生中継のご案内>

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 南海トラフはフィリピン海プレートがユーラシア大陸に沈み込む海溝です。

「ちきゅう」は間もなく、この南海トラフの海底下5,200mからプレート境界断

層の採取に挑戦します。このセミナーでは南海トラフの地質学や生物学、南海

トラフ地震とこのプロジェクトに期待される成果について解説します。

 

[開催日時]2018年10月6日(土)13:30〜16:30

 

 参加者の募集は締め切りましたが、セミナーの模様はYouTube、Facebookにて

生中継されます。詳しくは下記をご覧ください。

 http://www.jamstec.go.jp/j/pr/pr_seminar/017/

 

 

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10月の夜間開館関連イベントについて             <ご案内>

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 上野本館では、金曜日・土曜日は20時まで開館しています。(入館は閉館時

刻の30分前まで。)夜間開館関連イベントも実施しますので、この機会にぜひ

お越しください。

 

 10月の夜間開館関連イベントの詳細は、下記をご覧ください。

 http://www.kahaku.go.jp/news/2018/premium_10/

  

 

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特別展「昆虫」                 ※間もなく会期終了です

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 本展では、昆虫の驚くべき世界を多様な昆虫標本と展示演出で紹介します。

昆虫の生態、多様性や機能、他の生物との関わりなど、幅広い視点からその魅

力に迫るとともに、昆虫研究の成果が現代社会でどのように活かされているの

かを取り上げます。

  

[開催期間]2018年7月13日(金)〜10月8日(月・祝)

 

 詳しくは下記をご覧ください。

 http://www.kahaku.go.jp/exhibitions/ueno/special/2018/konchu/

 

 

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企画展「標本づくりの技(ワザ)−職人たちが支える科博−」 

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 標本とは何か? に始まり、あまり知られていない標本づくりの「技(ワザ)」

を、国立科学博物館の動物・植物・地学・人類・理工学の5研究部ごとに紹介

します。また職人たちによって作られた数々の標本に加え、標本づくりの技や

道具も数多く展示します。まるで博物館のバックヤードにいるような臨場感を

お楽しみください。

 

[開催期間]2018年9月4日(火)〜11月25日(日)

  

 詳しくは下記をご覧ください。 

 http://www.kahaku.go.jp/event/2018/09hyouhon/

 

 

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「きのこ展〜みんなでさぐるきのこのふしぎ〜」:筑波実験植物園

※間もなく会期終了です

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 今回は、キノコやその他菌類を題材にした「自由研究」について大特集しま

す。どんなユニークな研究に出会えるか乞うご期待! 例年大好評の、野生き

のこ、栽培きのこの展示も行います。きのこを見て、触って、匂いをかいで。

五感をフル活用して、きのこの世界を体験してください。

 

[開催期間]2018年9月29日(土)〜10月8日(月・祝)

 

 詳しくは下記をご覧ください。

 http://www.tbg.kahaku.go.jp/event/2018/9kinoko/index.html

 

 

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緑陰サイエンスカフェ「ゼンマイのはなし」:附属自然教育園 <参加者募集>

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 食べられる身近なシダ植物として馴染みのあるゼンマイのほか、渓流沿いに

生育するヤシャゼンマイや、冷温帯でみられるヤマドリゼンマイなど、ゼンマ

イのなかまの特徴や生態、進化などについて紹介します。

 

[開催日時]2018年10月14日(日)13:30〜14:30

  

 詳しくは下記をご覧ください。

 http://www.ins.kahaku.go.jp/event/index.php?date=20181014

 

 

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10月・11月利用分の入室整理券について:親と子のたんけんひろば コンパス

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 地球館3階「親と子のたんけんひろば コンパス」では、10月の事前発券対

象日の入室整理券に残数があるため、入室希望日前日まで先着販売を行ってい

ます。

 また、11月の入室整理券の二次抽選受付は、10月15日(月)からです。

 

 事前発券対象日、お申込みの詳細は下記をご覧ください。

 http://www.kahaku.go.jp/learning/compass/

 

 

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「シアター36○」閉鎖のお知らせ               <ご案内>

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 日本館地下1階の360度全球型映像施設「シアター36○」は、設備改修のた

め下記の期間中、閉鎖しています。ご迷惑をお掛けいたしますが、ご理解のほ

どよろしくお願いいたします。

 

[閉鎖期間]2018年9月4日(火)〜2019年3月下旬(予定)

 

 詳しくは下記をご覧ください。

 http://www.kahaku.go.jp/exhibitions/theater360/news/2018/closing/

 

 

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国立科学博物館Facebookページ更新中!

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 上野本館の情報を中心に、科博の「今」を写真付きでお届けしています。

Facebookユーザーでなくても閲覧可能ですので、ぜひご覧ください!

 

 https://www.facebook.com/NationalMuseumofNatureandScience

 

 

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自然教育園見ごろ情報

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 園内の植物、鳥、昆虫等の見ごろ情報を毎週更新して紹介しています。

 

 http://www.ins.kahaku.go.jp/season/index.php

 

 

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自然と科学の情報誌「milsil(ミルシル)」通巻65号と定期購読について

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 今回の特集「ふしぎで多様な変形菌の世界」では、変形菌の生態や進化系譜、

日本での変形菌研究の成果から研究の最前線まで、変形菌について幅広く紹介

しています。変形菌は落ち葉や朽木の裏などにいる身近な生き物ですが、意外

にその生態は広く知られていません。単細胞の生物ながら、数メートルにもな

るアメーバになって移動したり、迷路の中で一番短い経路を見つけることがで

きたり、ふしぎと謎がいっぱいの変形菌の世界を楽しんでください。

 また、連載「日本の国立公園」では、2005年に世界自然遺産に登録された

「知床国立公園」の自然を「知り・守り・伝える」ための取り組みをご紹介し

ます。

 皆さまの知的好奇心を高めるきっかけに、本誌がお役に立てば幸いです。

  

 発行日 :2018年9月1日(土)

 定 価 :420円(税込)

 

 定期購読やお得な会員制度など詳細については下記をご覧ください。

 http://www.kahaku.go.jp/userguide/book/milsil/index.html

 (友の会)http://www.kahaku.go.jp/userguide/repeater/index.html

 

  

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科博のイベント情報紙「kahaku event」10−11月号発行!

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 情報紙「kahaku event」(年6回 A4サイズ 6ページ)は、展覧会や開

催予定のイベントなどについてご紹介しています。国立科学博物館の各施設内

で無料で配布している他、下記ページからもダウンロードすることができます。

ご来館や、イベント参加の計画をたてる際などにご活用ください。

(友の会会員には郵送でお届けします。)

 

 http://www.kahaku.go.jp/event/kahakuevent/

 

  

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★ メール募集中 ★

 

 科博に関する思い出、展示の感想など皆様からのメールをお待ちしておりま

す。(ご感想などについては、このメールマガジンにて紹介させていただくこ

とがあります。なお、お名前は公表しません。)

 

 宛先: magazine@kahaku.go.jp

 

 

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 ◆編  集:国立科学博物館 事業推進部 広報・運営戦略課

 ◆発  行:国立科学博物館

       東京都台東区上野公園7−20

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