第790号
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科博メールマガジン第790号
発行日:2018年6月7日
http://www.kahaku.go.jp/
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昨日、関東甲信地方が梅雨入りしたとみられると発表されました。梅雨の時
季の生物といえば、カタツムリを思い浮かべる方もいるのではないでしょうか。
今号のボランティアだよりは、当館に展示されているカタツムリ(マイマイ)
の、ある特徴について触れています。ぜひお読みください。
※ 科博メールマガジンは、国立科学博物館が毎週木曜日に発行しています。
※ このメールマガジンは等幅フォントでご覧ください。
▼- 目 次 -▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼
■ エッセイ 「よみがえる博物館の父 田中芳男」
■ ボランティアだより 「毛が生えてる!」
■ お知らせ
■ 壁紙プレゼント(6月カレンダー付き)
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◆ エッセイ ◆
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よみがえる博物館の父 田中芳男
植物研究部 北山 太樹
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明治150年にあたる今年、各地で関連イベントが開かれています。明治維新
といえば、西郷隆盛や大久保利通など政治家ばかりが注目されますが、博物館
に勤める者としては、上野に博物館や動物園を構想・実現し、自然科学の分野
で日本の近代化に重要な貢献をした博物学者、田中芳男(1838-1916)の存在
を忘れるべきではないと思っています。
田中芳男は、本草学者伊藤圭介の弟子で、幕府の洋書調所に勤めていました
が、明治に入ると新政府のもと大車輪の活躍を見せます。明治元年、舎密(せ
いみ)局(現在の京都大学につながる機関)の設立を担当。明治4年に伊藤と
九段坂で日本初の博覧会を開催。そして、明治5年には薩摩藩士の町田久成と
ともに「文部省博物館」の名で湯島聖堂に博覧会を開きます。これが現在の東
京国立博物館や国立科学博物館の起源となりました(東京国立博物館はこの年
を創立年、町田を初代館長としています)。
また、田中芳男は『林娜氏植物綱目表』(明治5年)などを著して植物の自
然分類体系を紹介したり、『動物学初篇哺乳類』(明治7年)で生物の分類階
級「綱」「目」「科」「属」「種」を整理したりするなど、数多くの著作によ
り国内に科学用語を普及させることに成功しました。コレクションも膨大で、
海藻の押し葉からアンモナイト化石まで残されています。ちなみに、明治40年
に動物学者の石川千代松が最初に名付けたという説もある「キリン」は、田中
の『動物訓蒙初篇哺乳類』(明治8年)で既に紹介されています。
このように自然科学や博物館の黎明期に大きな役割を果たした田中芳男。そ
の胸像を使用した美しいプロジェクションマッピングが、今年3月から日本館
地下1階ラウンジ奥にて常設で上映されています(約5分)。
今年生誕180年を迎える田中芳男男爵に、ぜひ会いにいらしてください。
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◆ ボランティアだより ◆
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毛が生えてる!
かはくボランティア 根来 輝代
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科博には、シカやウシの仲間、トラ、パンダなど哺乳類の剥製がたくさんあ
り、それぞれ特徴的な毛を持っています。でも、毛があるのは、それだけでは
ないのです。
ある日、日本館2階南翼の展示室でマイマイ(カタツムリ)を見ていたとこ
ろ、殻のふちに毛の生えたマイマイに気が付きました。それまで私は毛が生え
たマイマイがいるとは思ったこともなかったので、かなりの衝撃を受けました。
それ以来、展示物を見るときに、毛が生えていないかじっと見るようになって
しまいました。毛に注目して展示物を見ると、意外な何かに毛が生えているの
を発見できるかもしれません。それに、そもそもこれは毛なのだろうか? と
判断に迷うようなものに出会える可能性もあります。なんだかワクワクします。
また、毛といえば、恐竜には羽毛が生えていたらしいとか、サイの角は髪の毛
と同じ成分らしいとか、また別の方向へ考えが広がり、恐竜やサイの展示を見
てみたくなりました。書いているうちに、自分が変な人に思えてきましたが、
気のせいですよね?
「毛」ではなくても、ひとつのテーマに注目して展示を見ると、今まで気に
留めなかったものに目が向いて、新たにお気に入りの一品が見つかるかもしれ
ません。よかったらお試しください。ところで、地球館3階に展示されている
鳥の中に、まつ毛(?)のある鳥を発見しました。かわいいですよ。
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◆ お知らせ ◆
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協力団体展示「つくば夏の洋蘭展」:筑波実験植物園 <予告>
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ランの栽培では日本でトップクラスの実力を誇るつくば洋蘭会の会員が、丹
精込めて育てた最新の園芸品種、珍しい野生種などを一同に展示します。夏な
らではの魅力あふれるランの世界をお楽しみください。
[開催期間]2018年6月17日(日)〜6月24日(日)
[会 場]筑波実験植物園
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6月の夜間開館関連イベントについて <ご案内>
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上野本館では、金曜日・土曜日は20時まで開館しています。(入館は閉館時
刻の30分前まで。)夜間開館関連イベントも実施しますので、この機会にぜひ
お越しください。
6月の夜間開館関連イベントの詳細は、下記をご覧ください。
http://www.kahaku.go.jp/news/2018/premium_06/
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特別展「人体―神秘への挑戦―」
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私たちの体は神秘に満ちています。自らを生かし、動かすものの仕組みを理
解するために、人類は多くの挑戦を重ねてきました。本展覧会では、ルネサン
ス期以降の先人たちの努力の歴史と功績を振り返りながら、人体の構造と機能
を解説するとともに、それが最先端の研究でどのように変わりつつあるのかを
紹介します。
[開催期間]2018年3月13日(火)〜6月17日(日)
詳しくは下記をご覧ください。
http://www.kahaku.go.jp/exhibitions/ueno/special/2018/jintai/
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企画展「沖縄の旧石器時代が熱い!」
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日本の人類史上で最も古くて長い旧石器時代。そのころの日本列島に暮らし
た人々の生前の姿を現代に伝えてくれる人骨の大半は沖縄で発見されています
が、彼らの暮らしぶりは長い間、謎とされてきました。その沖縄で、近年、旧
石器時代の大発見が相次いでいます。本展では、そんな熱気あふれる沖縄旧石
器時代研究の最新情報を紹介します。
[開催期間]2018年4月20日(金)〜6月17日(日)
詳しくは下記をご覧ください。
http://www.kahaku.go.jp/event/2018/04okinawa/
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「2018 夏休みサイエンススクエア」 <ご案内>
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未就学児から高校生の皆さんを対象とした、科学に触れ、親しむことを目的
としたイベントです。実験・観察・工作などの科学を体験できるたくさんの企
画を開催します。
[開催期間]2018年7月24日(火)〜8月12日(日)※月曜日は閉室
[備 考]事前にWebサイトから参加申込みが必要な企画と、
当日参加が可能な企画があります。
企画や申込み方法などの詳細は、下記をご覧ください。
http://www.kahaku.go.jp/event/square/
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「シアター36○」閉鎖のお知らせ <ご案内>
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日本館地下1階の360度全球型映像施設「シアター36○」は、設備改修のた
め下記の期間中、閉鎖となります。ご迷惑をお掛けいたしますが、ご理解のほ
どよろしくお願いいたします。
[閉鎖期間]2018年9月4日(火)〜2019年3月下旬(予定)
詳しくは下記をご覧ください。
http://www.kahaku.go.jp/exhibitions/theater360/news/2018/closing/
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UENO WELCOME PASSPORT−上野地区文化施設共通入場券−販売中 <ご案内>
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上野地区の文化施設をお得に楽しめる共通入場券「UENO WELCOME PASSPORT」
を、4月1日から販売しています。このパスポートで、10施設の常設展等に各
1回入場できるほか、「特別展チケット」が付くタイプでは指定の特別展から
1つを選びご観覧いただけます。ぜひご利用ください。
[販売・利用期間]2018年4月1日(日)〜9月30日(日)
詳しくは下記をご覧ください。
http://ueno-bunka.jp/news/welcome-passport201804/
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国立科学博物館Facebookページ更新中!
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上野本館の情報を中心に、科博の「今」を写真付きでお届けしています。
Facebookユーザーでなくても閲覧可能ですので、ぜひご覧ください!
https://www.facebook.com/NationalMuseumofNatureandScience
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自然教育園見ごろ情報
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園内の植物、鳥、昆虫等の見ごろ情報を毎週更新して紹介しています。
http://www.ins.kahaku.go.jp/season/index.php
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自然と科学の情報誌「milsil(ミルシル)」通巻63号と定期購読について
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桜の季節が終わり、新緑が美しい季節になりました。天気の良い日は緑の中
を散歩するのもいいですね。今号の特集は「樹木の科学〜木の形はどのように
決まるのか〜」です。
ここでは、木の形を決めるさまざまな要素が紹介されています。高木と低木、
針葉樹形・広葉樹形の違い、幹と枝の伸び方、茎や根の形態など。さらに、生
育する環境が異なると、同じ樹種でも樹形を大きく変える例もあるそうです。
普段何気なく眺めている公園の木や街路樹も、「木の形」という視点で見てみ
ると、新しい発見があるかもしれませんね。
「親子で遊ぼう! 科学冒険隊」では、「昆虫をさがせ!」というテーマで、
シンプルな昆虫用トラップ(いわゆる「ノムラホイホイ」)の作り方から、使
い方、そして採集時の注意事項までを紹介しています。ぜひ夏までの間に、い
ろいろ工夫しながら試してみてください。
皆さまの知的好奇心を高めるきっかけに、本誌がお役に立てば幸いです。
発行日 :2018年5月1日(火)
定 価 :420円(税込)
定期購読やお得な会員制度など詳細については下記をご覧ください。
http://www.kahaku.go.jp/userguide/book/milsil/index.html
(友の会)http://www.kahaku.go.jp/userguide/repeater/index.html
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科博のイベント情報紙「kahaku event」6−7月号発行!
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情報紙「kahaku event」(年6回 A4サイズ 6ページ)は、展覧会や開
催予定のイベントなどについてご紹介しています。国立科学博物館の各施設内
で無料で配布している他、下記ページからもダウンロードすることができます。
ご来館や、イベント参加の計画をたてる際などにご活用ください。
(友の会会員には郵送でお届けします。)
http://www.kahaku.go.jp/event/kahakuevent/
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◆発 行:国立科学博物館
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