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第789号

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  科博メールマガジン第789号

    発行日:2018年5月31日

   http://www.kahaku.go.jp/

 

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 5月も今日で終わりですね。すでに梅雨入りした地域もあり、今年は各地の

梅雨入りが平年より早いようです。

 さて、メールマガジン特製6月カレンダー付きデスクトップ壁紙は、本日か

らご利用いただけます。今回は附属自然教育園より、花にとまっているクロハ

ナムグリの姿をお届けします。どうぞご利用ください。

  

 ※ 科博メールマガジンは、国立科学博物館が毎週木曜日に発行しています。

 ※ このメールマガジンは等幅フォントでご覧ください。

 

▼- 目 次 -▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼

 

 ■ エッセイ    「小さな国際集会」

 ■ かはくの縁の下 「特別展の開場・閉場作業」

 ■ 上野の鳥    「立山の敵は乗鞍で? ライチョウ」

 ■ お知らせ

■ 壁紙プレゼント(6月カレンダー付き)

 

 

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◆ エッセイ ◆

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 小さな国際集会                

 

            

                         動物研究部 齋藤 寛

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 今年の1月にパリの国立自然史博物館で開催されたヒザラガイ類研究のワー

クショップに参加しました。ヒザラガイ類は8枚の貝殻をもつ貝類で、磯にも

よく見られます。アメリカ、オランダ、ベルギー、ロシアの研究者と私で計6

名、博物館の担当スタッフを入れても10名に満たない小さな集会です。ワー

クショップの内容は、同博物館が20年にわたり世界各地で行った調査探検で

採集されたヒザラガイ類標本のうち、未同定のものを一気に同定しようという

ものでした。

 

 作業室には、標本を調査地域ごとにまとめて入れた箱や容器がたくさん並べ

られており、そこはまさに宝の山でした。そのうちの1箱を机の脇に置き、中

の標本を次々に見ていくことは大きな楽しみでした。コレクションは膨大で、

到底ひとりで見切れるものではなく、1地域を選んで見始めましたが、他にも

見たい地域があり、他の研究者が見ているものも気になります。このような感

覚はどの研究者も同じかもしれません。面白いものが出てくると互いに声を掛

け合い、集まって顕微鏡を覗きこみ、歓声を上げたり、分類の検討をしたりし

ました。また、お茶の時間などには研究を紹介してもらったり、得意なグルー

プの分類について教えてもらったりもしました。毎日がこのような興奮状態で

したから期間の11日間はあっという間に過ぎてしまいました。

 

 様々な分野の研究者が集まり、広範囲にわたる知識が得られる大きな集会も

楽しく、有意義なものですが、小さな集会にはまた別の良さがあります。同じ

分野の研究者は大きな集会よりむしろ多い場合もありますし、「お友達の集会」

と揶揄されることもあるくらいに和やかです。私はこれまでもこのような専門

家の小さな集会に幾度か参加し、そのたびにその良さ、良い雰囲気を感じてき

ましたが、今回もまた同様に感じて帰国しました。

 

 

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◆ かはくの縁の下 ◆

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 特別展の開場・閉場作業

 

  

                     特別展運営責任者 高根 政志

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 私たちは特別展の案内業務を担当しています。日中はお客様のご案内を中心

に行っていますが、開場前と閉場後は展示室の準備や片付け作業も行っていま

す。

 

 朝は開場時刻の1時間ほど前から展示会場の照明、映像モニター等の立ち上

げ作業を行います。展示室は真っ暗な状態です。恐竜が展示される展覧会など

は、さながら「ナイトミュージアム」のような体験ができます。現在の特別展

「人体」では、キンストレーキという紙粘土製の人体模型があるのですが、と

てもよくできているので、作業に集中していて不意に気づくと驚くことがあり

ます。

 

 作業時間は展覧会によって異なりますが、作業行程が多い時には若干駆け足

で行います。展覧会が始まってすぐの頃はまだ不慣れなので、時間がかかりま

す。しかし慣れてくると会場内を効率よくまわれるようになり、ほぼ一筆書き

で作業を進めていくことができるようになります。「この照明をいちばん始め

に点けておけば、すべての作業がしやすくなる」「このブルーレイデッキは機

嫌が悪い時があるから注意」などなど、体で覚えてくるのです。「今日は上手

くまわれた!」と思う日には気持ち良く開場時刻を迎えられます。

 

 閉場後は、展示物に異常がないかどうかを確認しつつ、モニターや照明を落

としていきます。「今日も一日を無事に終えることができた」と安堵しながら、

室内を真っ暗な状態にします。

 

 開場・閉場作業は毎日同じ作業ですが、展覧会の運営に欠かせない作業です。

これからもしっかり丁寧な作業を心掛け、お客様をお迎えしていきたいと思い

ます。

 

 

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◆ 上野の鳥 ◆

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 立山の敵は乗鞍で? ライチョウ

 

  

                  文京区役所 渡辺 浩(友の会会員)

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 今回は、5月17日に長野・岐阜県境の乗鞍岳山頂部にある畳平(標高約

2700m)に、ライチョウに会いに行ったときのお話をします。

 

 バードウォッチングツアーのバスで、長野県側からライチョウが生息する畳

平を目指します。当日の畳平の天気予報は曇りでしたが、途中で濃い霧が発生

し、標高が上がるにつれ風雨も強くなっていきました。畳平の駐車場に着いた

ときには、台風のような状態な上に濃霧で10m位しか見通しがききません。

待っていても天気の回復の見込みがないということで、バスで下山しながらラ

イチョウを探すことになりました。しばらく走ると、道路際のハイマツのそば

に一羽のライチョウを発見したため、荒天の中、レインウエアを着て見に行き

ました。夏羽の雄で、頭から背中、尾羽にかけての上面は黒褐色、腹や足等の

下面は白色で、目の上にある赤い肉冠が印象的でした。ライチョウ(雷鳥)の

語源のひとつに「天敵を避けるため、雷の鳴るような天候のときに活発に活動

する」というのがありますが、まさにそのとおりでした。結局、見ることがで

きたライチョウはこの一羽のみでした。

 

 私はこのときまでライチョウを見たことがなく、2009年に富山県立山町

の室堂平に行ったときは見事に振られてしまいました。今回は「江戸の敵を長

崎で」ならぬ「立山の敵を乗鞍で討つ」と思っていたのですが、危うく返り討

ちに遭うところでした。

 

 東京に戻って、上野動物園にスバールバルライチョウを見に行きました。ス

バールバルライチョウは、日本のライチョウ(以下「ニホンライチョウ」とし

ます)とは亜種の関係で、ノルウェーのスバールバル諸島などに生息していま

す。展示されていたのは雄一羽で、全身白色の冬羽でした。ニホンライチョウ

よりも、かなり大型でした。解説パネルによれば、ライチョウには世界で23

の亜種がいて、スバールバルライチョウは最北に棲む最大の亜種、ニホンライ

チョウは最南に棲む最小の亜種だそうです。

 

 

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◆ お知らせ ◆

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6月の夜間開館関連イベントについて             <ご案内>

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 上野本館では、金曜日・土曜日は20時まで開館しています。(入館は閉館時

刻の30分前まで。)夜間開館関連イベントも実施しますので、この機会にぜひ

お越しください。

 

 6月の夜間開館関連イベントの詳細は、下記をご覧ください。

 http://www.kahaku.go.jp/news/2018/premium_06/

 

 

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特別展「人体―神秘への挑戦―」                

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 私たちの体は神秘に満ちています。自らを生かし、動かすものの仕組みを理

解するために、人類は多くの挑戦を重ねてきました。本展覧会では、ルネサン

ス期以降の先人たちの努力の歴史と功績を振り返りながら、人体の構造と機能

を解説するとともに、それが最先端の研究でどのように変わりつつあるのかを

紹介します。

 

[開催期間]2018年3月13日(火)〜6月17日(日)

  

 詳しくは下記をご覧ください。 

 http://www.kahaku.go.jp/exhibitions/ueno/special/2018/jintai/

 

 

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企画展「沖縄の旧石器時代が熱い!」

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 日本の人類史上で最も古くて長い旧石器時代。そのころの日本列島に暮らし

た人々の生前の姿を現代に伝えてくれる人骨の大半は沖縄で発見されています

が、彼らの暮らしぶりは長い間、謎とされてきました。その沖縄で、近年、旧

石器時代の大発見が相次いでいます。本展では、そんな熱気あふれる沖縄旧石

器時代研究の最新情報を紹介します。

 

[開催期間]2018年4月20日(金)〜6月17日(日)

  

 詳しくは下記をご覧ください。 

 http://www.kahaku.go.jp/event/2018/04okinawa/

 

 

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コレクション特別公開「クレマチス園公開」:筑波実験植物園

※間もなく会期終了です

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 カザグルマをはじめとするクレマチスの野生種や、それらをもとに誕生した

多種多様な園芸品種を公開します。日本屈指の展示種類数を誇るクレマチス園

で、自然と人が作り出したクレマチスの多様性を体感してください。

 

[開催期間]2018年4月28日(土)〜6月3日(日)

 

 詳しくは下記をご覧ください。

 http://www.tbg.kahaku.go.jp/event/2018/04clematis/index.html

 

  

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「2018 夏休みサイエンススクエア」             <ご案内>

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 未就学児から高校生の皆さんを対象とした、科学に触れ、親しむことを目的

としたイベントです。実験・観察・工作などの科学を体験できるたくさんの企

画を開催します。

 

[開催期間]2018年7月24日(火)〜8月12日(日)※月曜日は閉室       

[備  考]事前にWebサイトから参加申込みが必要な企画と、

      当日参加が可能な企画があります。

 

 企画や申込み方法などの詳細は、下記をご覧ください。

 http://www.kahaku.go.jp/event/square/

 

 

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「シアター36○」閉鎖のお知らせ               <ご案内>

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 日本館地下1階の360度全球型映像施設「シアター36○」は、設備改修のた

め下記の期間中、閉鎖となります。ご迷惑をお掛けいたしますが、ご理解のほ

どよろしくお願いいたします。

 

[閉鎖期間]2018年9月4日(火)〜2019年3月下旬(予定)

 

 詳しくは下記をご覧ください。

 http://www.kahaku.go.jp/exhibitions/theater360/news/2018/closing/

 

 

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UENO WELCOME PASSPORT−上野地区文化施設共通入場券−販売中 <ご案内>

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 上野地区の文化施設をお得に楽しめる共通入場券「UENO WELCOME PASSPORT」

を、4月1日から販売しています。このパスポートで、10施設の常設展等に各

1回入場できるほか、「特別展チケット」が付くタイプでは指定の特別展から

1つを選びご観覧いただけます。ぜひご利用ください。

 

[販売・利用期間]2018年4月1日(日)〜9月30日(日)

 

 詳しくは下記をご覧ください。

 http://ueno-bunka.jp/news/welcome-passport201804/

 

 

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国立科学博物館Facebookページ更新中!

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 上野本館の情報を中心に、科博の「今」を写真付きでお届けしています。

Facebookユーザーでなくても閲覧可能ですので、ぜひご覧ください!

 

 https://www.facebook.com/NationalMuseumofNatureandScience

 

 

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自然教育園見ごろ情報

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 園内の植物、鳥、昆虫等の見ごろ情報を毎週更新して紹介しています。

 

 http://www.ins.kahaku.go.jp/season/index.php

 

  

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自然と科学の情報誌「milsil(ミルシル)」通巻63号と定期購読について

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 桜の季節が終わり、新緑が美しい季節になりました。天気の良い日は緑の中

を散歩するのもいいですね。今号の特集は「樹木の科学〜木の形はどのように

決まるのか〜」です。

 ここでは、木の形を決めるさまざまな要素が紹介されています。高木と低木、

針葉樹形・広葉樹形の違い、幹と枝の伸び方、茎や根の形態など。さらに、生

育する環境が異なると、同じ樹種でも樹形を大きく変える例もあるそうです。

普段何気なく眺めている公園の木や街路樹も、「木の形」という視点で見てみ

ると、新しい発見があるかもしれませんね。

 「親子で遊ぼう! 科学冒険隊」では、「昆虫をさがせ!」というテーマで、

シンプルな昆虫用トラップ(いわゆる「ノムラホイホイ」)の作り方から、使

い方、そして採集時の注意事項までを紹介しています。ぜひ夏までの間に、い

ろいろ工夫しながら試してみてください。

 皆さまの知的好奇心を高めるきっかけに、本誌がお役に立てば幸いです。

  

 

 発行日 :2018年5月1日(火)

 定 価 :420円(税込)

 

 定期購読やお得な会員制度など詳細については下記をご覧ください。

 http://www.kahaku.go.jp/userguide/book/milsil/index.html

 (友の会)http://www.kahaku.go.jp/userguide/repeater/index.html

 

 

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科博のイベント情報紙「kahaku event」6−7月号発行!

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 情報紙「kahaku event」(年6回 A4サイズ 6ページ)は、展覧会や開

催予定のイベントなどについてご紹介しています。国立科学博物館の各施設内

で無料で配布している他、下記ページからもダウンロードすることができます。

ご来館や、イベント参加の計画をたてる際などにご活用ください。

(友の会会員には郵送でお届けします。)

 

 http://www.kahaku.go.jp/event/kahakuevent/

 

  

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★ メール募集中 ★

 

 科博に関する思い出、展示の感想など皆様からのメールをお待ちしておりま

す。(ご感想などについては、このメールマガジンにて紹介させていただくこ

とがあります。なお、お名前は公表しません。)

 

 宛先: magazine@kahaku.go.jp

 

 

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