第757号
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科博メールマガジン第757号
発行日:2017年10月26日
http://www.kahaku.go.jp/
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秋の夜長を当館で過ごすのはいかがでしょうか? 上野公園内で、11月1日
(水)〜5日(日)に開催される「創エネ・あかりパーク2017」。このイベントに
伴い、当館では11月1日(水)〜4日(土)、日本館正面が色とりどりにライトアッ
プされます。また、3日(金)、4日(土)に加え、1日(水)、2日(木)も開館時間を
延長し、20:00までご覧いただけます(入館は19:30まで)。公園をワクワクし
ながら散歩するもよし、展示をゆっくり見るもよし。来週をお楽しみに…。
※ 科博メールマガジンは、国立科学博物館が毎週木曜日に発行しています。
※ このメールマガジンは等幅フォントでご覧ください。
▼- 目 次 -▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼
■ エッセイ 「硬さと堅さ」
■ 常設展示紹介 「妄想の太古の虫」
■ お知らせ
■ 科博関連メディア情報
■ 壁紙プレゼント(11月カレンダー付き)
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◆ エッセイ ◆
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硬さと堅さ
地学研究部 門馬 綱一
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頭の固い人のことを「石頭」と表現するように、岩石や鉱物といえば固いも
のの代表格です。しかし、中には軟らかい鉱物もあります。鉱物の中で一番軟
らかい滑石(かっせき)は、爪で簡単に傷がつくほど軟らかく、また薄く剥が
れやすい性質をもつためスベスベした肌触りをしています。こうした性質を生
かし、滑石の粉はベビーパウダーなどの化粧品や医薬品類、さらには上質紙や
食品の添加物としても使われています。
一方、一番硬い鉱物といえばダイヤモンドです。ダイヤモンドに傷をつけら
れる物質はダイヤモンドの他にありませんから、ダイヤモンドのカットや研磨
には、同じ硬さを持つダイヤモンドの粉を用います。ところが、そんな硬いダ
イヤモンドも、ハンマーで強く叩くと簡単に割れてしまいます。実は「こすっ
た時の傷つきにくさ」と「衝撃に対する割れにくさ」は異なる性質であり、鉱
物学者はそれぞれを「硬さ」と「堅さ」という異なる漢字を用いて区別してき
ました。
では一番堅い(割れにくい)鉱物は何でしょう? 堅さは鉱物の種類だけで
なく、その集合組織に大きく影響されるため、一概には言えませんが、おそら
く良質の翡翠(ひすい)です。鉱物が割れるメカニズムの研究は、割れにくい
ガラスの開発など、身近な場面で役立っています。
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◆ 常設展示紹介 ◆
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妄想の太古の虫
事業推進部 酒井 清武
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数日前、家の中に手のひら大のクモ(アシダカグモ)が出て、家族で大騒ぎ
したあげく、天井の方に逃げられ見えなくなってしまいました。そこで世界中
ではどのくらい大きな虫がいるのだろうと思い調べてみると、長さが30cmもあ
るペルーオオムカデ、体長10cm以上のオバケコロギス(リオック)、17cm以上
になるヘラクレスオオカブトムシ、足を広げると13cmにもなるアシダカグモ、
体長7.5cmもあるヨロイモグラゴキブリなどが生息しています。現在でもこん
なに大きな虫が存在するのですから、化石になるような太古の時代にはどのく
らい大きなものがいたのでしょうか?
一般的に知られているものは、「メガネウラ」とよばれる約2億9,000万年前
に生息していた、翅(はね)の端から端までの長さが70cmにもなるトンボです。
一方、現生の最大のトンボ(テイオウムカシヤンマ)ではその長さが18cm位な
ので、その4倍! これを基準に、現生の大きな虫が太古にいたらどのくらい
の大きさだったかを妄想すると、ムカデは120cm、コオロギは40cm、カブトム
シは68cm、クモは52cm、ゴキブリは30cmにもなります。その時代に自分が生
きていたら、日々の恐怖で安心して暮らせなくなってしまうかもしれません。
そんな妄想を抱きながら、当館の地球館地下2階「陸上に進出した生物」の
「森林の形成」コーナーに展示されている化石を見ると、メガネウラの断片的
な標本も展示されていますが、「サナエトンボ類」「ハチ類」「クモ類」など
は、今も生きている虫と体長がほとんど変わらないことがわかり少し安心しま
した。
メガネウラのような巨大なものや、現生と同じ大きさの虫たちの化石を見比
べて、あれこれと妄想したり安心してみたりするのも楽しいかもしれません。
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◆ お知らせ ◆
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公益財団法人 藤原ナチュラルヒストリー振興財団
第9回シンポジウムおよび第8回高校生ポスター研究発表 <参加者募集>
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藤原ナチュラルヒストリー振興財団は国立科学博物館との共催で、第9回シ
ンポジウム「空の自然史」を開催します。また第8回高校生ポスター研究発表
も同日開催します。ぜひご参加ください。
■第9回シンポジウム「空の自然史」
[開催日時]2017年11月19日(日)13:00〜16:00
[会 場]国立科学博物館 日本館2階 講堂
[定 員]120名 ※事前登録制(先着順)
[参 加 費]無料
シンポジウムの詳細、申込方法等は下記をご覧ください。
http://fujiwara-nh.or.jp/archives/2017/0810_153912.php
■第8回高校生ポスター研究発表
[開催日時]2017年11月19日(日)11:00〜12:00
[会 場]国立科学博物館 日本館4階 大会議室
[備 考]ポスター研究発表の応募は締め切りました。審査結果発表・表彰
式は同日15:30から上記シンポジウム会場にて実施します。
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科学史講座「ホイヘンス『光についての論考』を読む」 <参加者募集>
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科学の古典を、日本語訳でじっくりと読んでみる講座です。今回は、光の波
動説で知られるホイヘンスの著作を取り上げます。※昨年度に開講したものと
同じ内容です。
[開催日時]2017年11月23日(木・祝)13:30〜15:30
[会 場]地球館3階 多目的室
[講 師]理工学研究部/有賀暢迪
[対 象]高校生以上
[定 員]15名
[申込方法]往復はがきまたはWEB(10/31締切・消印有効)
詳しくは下記をご覧ください。
http://www.kahaku.go.jp/event/all.php?date=20171123
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舞台「酸素 〜誰が『発見』した?〜」 <ご案内>
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国立科学博物館 サイエンスコミュニケータ・アソシエーション(通称、科博
SCA)は、国立科学博物館サイエンスコミュニケータ養成実践講座の修了者有志
によって構成された団体です。このたび、科博SCAが市民ボランティアの方々と
協力し、酸素発見を題材にした科学史の舞台「酸素 〜誰が『発見』した?〜」
を開催することとなりました。
[開催日時]2017年12月10日(日)14:00〜15:30(13:30開場)
[会 場]国立科学博物館 日本館2階 講堂
[料 金]入館料が必要です
[定 員]100名(先着順。当日直接会場へお越しください)
[対 象]どなたでもご参加いただけます
[主 催]科博SCA演劇分科会
[協 力]国立科学博物館
企画の詳細は下記をご覧ください。
http://blog.goo.ne.jp/sc-act
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10月の夜間開館関連イベントについて <ご案内>
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上野本館では、金曜日・土曜日は20時まで開館しています。(入館は閉館時
刻の30分前まで。)夜間開館関連イベントも実施しますので、この機会にぜひ
お越しください。
10月の夜間開館関連イベントの詳細は、下記をご覧ください。
http://www.kahaku.go.jp/news/2017/premium_10/
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特別展「古代アンデス文明展」
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本展では、アンデス文明を代表する9つの文化を取り上げ、いまだ残る数々
の「謎」や身体加工の風習についての最新の知見などを、優れた意匠の土器・
織物、黄金の仮面やミイラなど約200点の貴重な資料で紹介します。これまで
に当館で開催されてきたアンデス文明に関する展覧会の集大成となる特別展で
す。
[開催期間]2017年10月21日(土)〜2018年2月18日(日)
詳しくは下記をご覧ください。
http://www.kahaku.go.jp/exhibitions/ueno/special/2017/andes/
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企画展「フローラ ヤポニカ−日本人画家が描いた日本の植物−」
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わたしたちの日々の暮らしを彩る栽培植物、山野の自然を形づくる野生植物
など、日本の豊かな植物多様性を日本人画家が描いた植物画で紹介します。ま
た、英国で創刊され、世界の植物画家に大きな影響を与えた植物学専門誌『カ
ーティスのボタニカルマガジン』に掲載されたイラストレーションの中から幾
つかの原画も展示します。
[開催期間]2017年9月12日(火)〜12月3日(日)
詳しくは下記をご覧ください。
http://www.kahaku.go.jp/event/2017/09flora/flora_japonica.pdf
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産業技術史講座「見えないX線を見えるデバイスの変遷で発展したX線管装置
の技術の系統化調査」 <参加者募集>
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X線は、1895年レントゲン(Rontgen, Wilhelm Conrad:独)が発見しました。
物質を透過するという性能から医学に応用され、特に、国を挙げて取組んだ結
核への対応が広く国民にその必要性を認識させました。本講座では、X線管装
置の技術史を紹介します。
[開催日時]2017年11月11日(土)14:00〜16:00
申し込みの詳細は下記をご覧ください。
http://www.kahaku.go.jp/event/all.php?date=20171111
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自然園ボランティア募集のお知らせ <ご案内>
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自然教育園では、主に学校団体の園内案内、児童・生徒を対象とした学習支
援活動を2019年4月1日から行う「自然園ボランティア」を募集しています。
「人が好き」「自然が好き」「自然園が好き」な方なら、どなたでもご応募い
ただけます。学習支援経験のある方はもちろん、「これからボランティアとし
て活動に取り組んでみたい」という方も大歓迎です。実際のボランティアとし
ての活動までには、研修期間(月2回実施)を設けております。
[応募資格]18歳以上の方(2017年4月1日現在、高校生不可)
[応募締切]2017年10月27日(金)必着
募集案内や要項等、詳しくは下記をご覧ください。
http://www.ins.kahaku.go.jp/education/index.html
※要項に記載の研修日程(詳細は個人面談結果とあわせて通知)や活動期間
は、相談可能ですのでお問い合わせください。
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UENO WELCOME PASSPORT−上野地区文化施設共通入場券−発売 <ご案内>
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上野地区の文化施設を一度に楽しめるお得な入場券「UENO WELCOME PASSPORT」
を、10月1日から発売しています。このパスポートで、10施設の常設展等に各
1回入場できるほか、「特別展チケット」付きでは対象施設指定特別展から1つ
ご観覧いただけます。どうぞご利用ください。
[利用期間]2017年10月1日(日)〜2018年3月31日(土)
[販売期間]2017年10月1日(日)〜2018年2月28日(水)
詳しくは下記をご覧ください。
http://ueno-bunka.jp/news/uwpassport201710/
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国立科学博物館Facebookページ更新中!
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上野本館の情報を中心に、科博の「今」を写真付きでお届けしています。
Facebookユーザーでなくても閲覧可能ですので、ぜひご覧ください!
https://www.facebook.com/NationalMuseumofNatureandScience
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自然教育園見ごろ情報
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園内の植物、鳥、昆虫等の見ごろ情報を毎週更新して紹介しています。
http://www.ins.kahaku.go.jp/season/index.php
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自然と科学の情報誌「milsil(ミルシル)」通巻59号と定期購読について
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たっぷりと湿気を含んだ空気、生い茂る木々、苔むす岩々、みずみずしい緑。
「コケ」と聞くと、数年前に訪れた屋久島でのこんな光景を思い出します。と
はいえ、コケはそんな特別な場所に行かなくても、身近な場所で見ることがで
きます。庭先や公園などはもちろん、通勤途中のアスファルト道路の端やコン
クリートの塀にも! これは向こうにあったコケと同じ種類? などと観察し
始めると、遅刻しそうになります。皆さまもぜひ「コケの世界」をご堪能くだ
さい。
そして、今号から「Focus 科学者の探究心にせまる」が始まります。毎号巻
頭掲載していた「サイエンス・インタビュー」とは少し趣が違いますが、どち
らも研究者の熱い思いが伝わる内容です。今後は「サイエンス・インタビュー」
「Focus」どちらかの掲載となりますので、それぞれお楽しみいただければと
思います。
発行日 :2017年9月1日(金)
定 価 :420円(税込)
定期購読やお得な会員制度など詳細については下記をご覧ください。
http://www.kahaku.go.jp/userguide/book/milsil/index.html
(友の会)http://www.kahaku.go.jp/userguide/repeater/index.html
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科博のイベント情報紙「kahaku event」10−11月号配布中!
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情報紙「kahaku event」(年6回 A4サイズ 6ページ)は、展覧会や開
催予定のイベントなどについてご紹介しています。国立科学博物館の各施設内
で無料で配布している他、下記ページからもダウンロードすることができます。
ご来館や、イベント参加の計画をたてる際などにご活用ください。
(「友の会会員」「賛助会員(個人特別会員)」の方には郵送でお届けします。)
http://www.kahaku.go.jp/event/kahakuevent/index.html
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◆ 科博関連メディア情報 ◆
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○ラジオ放送紹介
放 送 局:NHKラジオ第1
番 組 名:NHKマイあさラジオ インタビュー 明日の人
「3万年前の大航海に迫る」
放送日時:10月28日(土)6:10〜6:43頃
・海部人類史研究グループ長が出演します。
放 送 局:TOKYO FM
番 組 名:「ピートのふしぎなガレージ」
放送日時:10月28日(土)17:00〜17:50
・前島科学技術史グループ長が出演します。
放 送 局:NHKラジオ第1
番 組 名:ラジオ深夜便 ないとエッセー「花の色のひみつ」
放送日時:10月30日(月)〜11月2日(木)23:15頃〜
・岩科司名誉研究員が出演します。
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★ メール募集中 ★
科博に関する思い出、展示の感想など皆様からのメールをお待ちしておりま
す。(ご感想などについては、このメールマガジンにて紹介させていただくこ
とがあります。なお、お名前は公表しません。)
宛先: magazine@kahaku.go.jp
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◆編 集:国立科学博物館 事業推進部 広報・運営戦略課
◆発 行:国立科学博物館
東京都台東区上野公園7−20
◆お問合せ:magazine@kahaku.go.jp
◆登録解除:ホームページの登録解除フォームに、ご登録いただいたメール
アドレスをご入力ください。
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◆個人情報:当館が取得した個人情報の取扱については、下記URLをご覧下さい。
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