第740号
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科博メールマガジン第740号
発行日:2017年6月29日
http://www.kahaku.go.jp/
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上野本館は明日30日(金)まで、展示物保護のための害虫駆除作業にともな
い休館しております。7月1日(土)からは通常どおり開館の予定です。ご理
解・ご協力をお願いいたします。
そして、7月〜9月の金・土曜日は、常設展を21時までご覧いただけます!
(入館は20:30まで)特別展が始まるまでの期間は比較的混雑も少なく、じっ
くり展示を見たい方にもおすすめです。上野公園を夕涼みがてら散策した後で
もゆっくりご覧いただけますよ。
※ 科博メールマガジンは、国立科学博物館が毎週木曜日に発行しています。
※ このメールマガジンは等幅フォントでご覧ください。
▼- 目 次 -▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼
■ エッセイ 「150年前の化石コレクションを見にインドへ行く」
■ かはくの縁の下 「博物館におけるサービスとは?」
■ 上野の鳥 「聞こえる? 聞こえない? 野鳥の鳴き声」
■ お知らせ
■ 科博関連メディア情報
■ 壁紙プレゼント(7月カレンダー付き)
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◆ エッセイ ◆
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150年前の化石コレクションを見にインドへ行く
地学研究部 重田 康成
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インド南部には、白亜紀に浅海で堆積した地層が広く分布しています。この
地層はアンモナイトや貝化石を豊富に含むことから、19世紀に詳しく研究され
ました。そしてこの時に研究された標本の多くは、コルカタにあるインド地質
調査所に大切に保管されています。今年の初春に、150年前に研究されたアン
モナイトの標本を見てきました。
インド地質調査所内のビジター用の部屋で待っていると、担当者が古めかし
い木製のお盆にのせて小箱を運んできます。アンモナイトの標本は、この蓋付
の頑丈な紙製の小箱の中に、綿に包まれて入っています。箱を開けて標本の番
号や状態を確認し、帳面に標本番号を書き、自分のサインをすると、ようやく
観察を始めることができます。天井で大きな扇風機がまわっているとはいえ、
気温が30度を超える中での写真撮影やシリコン材による型取り、スケッチなど
の作業は容易ではありません。観察が終わり、担当者と一緒に標本番号や状態
を確認し、再び帳面に番号を書き、自分のサインをして作業完了です。10日間
で、80個ほどの標本を観察しました。
インドと日本のアンモナイトの中には、よく似た種類のものが多くあります。
これらを詳しく比較することによって、日本のアンモナイトの起源や進化を理
解する上で重要な情報が得られるのではないかと思っています。実は、今回の
訪問は4回目でしたが、見るべき標本はまだ沢山あります。インド訪問は今後
も続きそうです。
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◆ かはくの縁の下 ◆
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博物館におけるサービスとは?
事業推進部 今井 亮介(博物館サービス担当)
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博物館サービス…と聞いてどのようなものを想像されるでしょうか? 受付
や案内、お問い合わせへの対応などがまず思い浮かぶところかと思います。そ
れらも勿論正解なのですが、実のところ私自身も一言でこれ! と言い表せな
いほど、多種多様な業務があります。
たとえば、館内の案内表示の検討。関係部署としては、少しでも多くの情報
をご来館の皆様に伝えたいところですが、あちこちに看板やポスターが乱立す
るとかえって伝えたいことが伝わらない可能性もあります。お客様にとって、
何をどの程度設置するのがよいのかを第一に考える。今まで会計部署しか経験
してこなかった私にとっては、現場に近い場所で仕事をする感覚が新鮮です。
その他、傘立てやコインロッカー、休憩スペースのパラソルの設置等々、ご利
用に際してお客様にご不便をおかけしないよう、会計部署で培った安全管理や
コスト意識もフル稼働させて、さらには他部署に協力を仰ぎながら、日々の
「サービス業」をこなしています。
さて、特別展「深海2017〜最深研究でせまる“生命”と“地球”〜」が、い
よいよ7月11日から始まります。夏休みの時期と重なることもあり、大変混雑
することが予想されます。博物館におけるサービスは一言では言い表せません
が、「お客様目線」で少しでも観覧しやすい環境を整えていきたいと考えてお
ります。科博へ足を運んでいただき、その際に気づいたことや感じたことがあ
れば是非お知らせください。
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◆ 上野の鳥 ◆
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聞こえる? 聞こえない? 野鳥の鳴き声
文京区役所 渡辺 浩(友の会会員)
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今回は「鳴き声から調べる野鳥図鑑 おぼえておきたい85種(音声データCD
付き)」(文・音声 松田道生、写真 菅原貴徳 文一総合出版)を、上野の
鳥とともに紹介します。普通の図鑑は、野鳥の「見分け方」(大きさ・体形・
色や模様等)重視で、鳴き声についてはあまり詳しくありません。しかし、こ
の図鑑の解説はほとんどが鳴き声について、つまり「聞き分け」のポイント
(さえずり、地鳴き、雄・雌・幼鳥・雛での相違点等)が詳細に述べられてい
ます。また、付属のCD-ROMでは図鑑のページ数と本文中の番号で、簡単に野鳥
の鳴き声を検索できるようになっています。
まずはツミについてです。この図鑑の最初(春・公園)に、タカの仲間であ
るツミがいきなり出てきます(鳴き声は、雄・雌・幼鳥を収録)。ツミは東京
23区内の公園等での繁殖記録が多くなり、私も5月に足立区内の公園で観察し
たばかりです。上野公園でも記録があるので、今後繁殖が確認されることを期
待したいと思います。
次に「聞きなし」(鳥の声を、わかりやすい言葉や語句などにおきかえて表
現したもの)についてです。上野周辺の野鳥では、ウグイスの「法、法華経」、
ツバメの「土食うて虫食うて渋い」、メジロの「長兵衛、忠兵衛、長忠兵衛」
等があります。この図鑑の中で松田氏は、ホオジロのさえずりの聞きなしであ
る「一筆啓上仕り候」(いっぴつけいじょうつかまつりそうろう)について、
「このように鳴くホオジロに会ったことがない」と述べています。私も、どう
聞いてもそうは聞こえなかったので安心しました。
最後にコラム「年をとると聞こえなくなる声」についてです。加齢によって
高い音、人によっては低い音も聞こえにくくなるそうです。上野周辺の野鳥で
は、シジュウカラのさえずり「ツーツーピィー」、コゲラの声「ギーッ」、ア
オジの地鳴き「チッ」等が高い音に該当するそうです。私も先日の健康診断で
「高音が聞き取りにくいみたいですね」と指摘された上に、私よりベテランの
方から「今、アオジが鳴きましたね」と言われて「?(聞こえない…)」とい
うことがあったので、とても他人事とは思えません。
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◆ お知らせ ◆
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特別展「深海2017〜最深研究でせまる“生命”と“地球”〜」 <予告>
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本展では、「生物発光」や「巨大生物」、「超深海」などに焦点をあて、最
新映像や実物とともに紹介するほか、東北地方太平洋沖地震の実態にせまる
「深海と巨大災害」、「深海と資源」などを、映像やCGなどを駆使して紹介
します。より「深く」、新たな感動をお届けします。
[開催期間]2017年7月11日(火)〜10月1日(日)
詳しくは下記をご覧ください。
http://www.kahaku.go.jp/exhibitions/ueno/special/2017/deep-ocean/
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第33回植物画コンクール入選作品展 <予告>
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国立科学博物館では、植物への理解を図る学習支援活動事業の一つとして、
昭和59年度から毎年継続して植物画コンクールを実施しています。平成28年度
は33回目を迎え、全国から2,454点の応募がありました。このたび、106点の入
選作品の展示を、上野本館にて開催いたします。素晴らしい作品の数々を是非
ご覧ください。
[開催期間]2017年7月1日(土)〜17日(月・祝)
[会 場]日本館1階 企画展示室
詳しくは下記をご覧ください。
http://www.kahaku.go.jp/event/2017/07botanical/
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害虫駆除による休館のお知らせ
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展示物保護のため、上野本館は6月26日(月)〜30日(金)の5日間を休館
とし、館内の害虫駆除を行います。7月1日(土)からは通常どおり開館の予定
です。
ご不便をおかけしますが、ご理解・ご協力をお願いいたします。
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企画展「まだまだ奥が深いぞ!『相模の海』−最新の生物相調査の成果−」
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「相模の海」は生物多様性の高い海域として知られ、約150年前から現在ま
で様々な生物相調査が行われてきた世界的にも珍しい海域です。本展では、最
近のマリンバイオ共同推進機構(JAMBIO)の調査においても新種や世界的珍種
の発見等の成果が上がっていることをもとに、調べるほど新たな発見に出会う
「相模の海」の奥深さを紹介します。
[開催期間]2017年6月13日(火)〜9月3日(日)
詳しくは下記をご覧ください。
http://www.kahaku.go.jp/event/2017/jambio/jambio_sagami.pdf
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自然史セミナー「自然教育園に見られる魚類の変遷と由来」:附属自然教育園
<参加者募集>
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自然教育園では、1949年以降、13回の調査・目録等により、計12種の魚類が
報告されています。残念ながら近年では見られなくなった魚種や、外来種もい
ます。本セミナーでは自然教育園に生息する魚類の今昔と変遷を紹介します。
[開催日時]2017年7月2日(日)14:00〜15:30
申込方法等、詳細は下記をご覧ください。
http://www.ins.kahaku.go.jp/event/index.php?date=20170702
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自然観察会「銚子沖に生息するスナメリの観察会・レクチャー」
<参加者募集>
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日本周囲に棲息するスナメリに逢いに銚子沖に行こう!!
[開催日時]2017年8月3日(木)10:30〜14:00
[会 場]銚子沖(観察会)、銚子海洋研究所(レクチャー)
申込方法や費用等、詳細は下記をご覧ください。
http://www.kahaku.go.jp/event/all.php?date=20170803
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「2017 夏休みサイエンススクエア」 <ご案内>
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当館夏の恒例イベント、夏休みサイエンススクエア。未就学児〜高校生の皆
さんを対象として、今年も夏に科学を楽しむことができる企画を多数開催しま
す。
[開催期間]2017年7月25日(火)〜8月13日(日)※月曜日は閉室
企画の詳細、申込み方法等詳しくは下記をご覧ください。
http://www.kahaku.go.jp/event/square/
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UENO WELCOME PASSPORT−上野地区文化施設共通入場券−発売 <ご案内>
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上野「文化の杜」新構想実行委員会では、上野地区の文化施設を一度に楽し
めるお得な入場券「UENO WELCOME PASSPORT(上野ウェルカムパスポート)」
を、4月1日から発売しています。今回は、対象施設指定特別展から1つ観覧
できる「特別展チケット」が1枚ついたタイプ(3000部限定)も新たに登場し
ます。どうぞご利用ください。
[販売・利用期間]2017年4月1日(土)〜9月30日(土)
詳しくは下記をご覧ください。
http://ueno-bunka.jp/news/uenowelcomepassport201704/
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国立科学博物館Facebookページ更新中!
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上野本館の情報を中心に、科博の「今」を写真付きでお届けしています。
Facebookユーザーでなくても閲覧可能ですので、ぜひご覧ください!
https://www.facebook.com/NationalMuseumofNatureandScience
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自然教育園生物記録情報
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園内の植物開花リスト、昆虫、鳥等の情報を毎週更新して紹介しています。
http://www.ins.kahaku.go.jp/season/index.php
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自然と科学の情報誌「milsil(ミルシル)」通巻57号と定期購読について
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今号の特集は「日本の深海底に眠る鉱物資源を探せ!」です。何だか宝探し
の冒険物語のようですね。鉱物資源が眠る海の底は、厚い水の壁に隔てられて
います。地上での探査で活躍する赤外線やレーダー波などの電磁波は、この海
水に吸収されてしまうため、海中での探査には使えないのだそうです。それで
は一体どのようにして、この広大な海底から鉱物資源を探し出すのでしょうか。
また、鉱物資源というと思い浮かぶのは鉄や銅などですが、日本近海の海底に
はどのような鉱物資源が存在しているのでしょうか。海の鉱物資源の成り立ち
を解明し、探査手法を研究開発する研究者たちの熱い物語をお届けします。
新連載「日本の国立公園」が今号からスタートします。心と体のリフレッシ
ュに国立公園を訪れる方も多いのではないでしょうか。この連載でさらなる国
立公園の魅力をお伝えできればと思います。
発行日 :2017年5月1日(月)
定 価 :420円(税込)
定期購読やお得な会員制度など詳細については下記をご覧ください。
http://www.kahaku.go.jp/userguide/book/milsil/index.html
(友の会)http://www.kahaku.go.jp/userguide/repeater/index.html
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科博のイベント情報紙「kahaku event」6−7月号配布中!
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情報紙「kahaku event」(年6回 A4サイズ 6ページ)は、展覧会や開
催予定のイベントなどについてご紹介しています。国立科学博物館の各施設内
で無料で配布している他、下記ページからもダウンロードすることができます。
ご来館や、イベント参加の計画をたてる際などにご活用ください。
(「友の会会員」「賛助会員(個人特別会員)」の方には郵送でお届けします。)
http://www.kahaku.go.jp/event/kahakuevent/index.html
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◆ 科博関連メディア情報 ◆
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○ラジオ放送紹介
放 送 局:FM-FUJI
番 組 名:Yes! Morning
放送日時:7月3日(月)6:00〜10:00
・特別展「深海2017」について、倉持動物研究部長がインタビューを受けま
した。
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★ メール募集中 ★
科博に関する思い出、展示の感想など皆様からのメールをお待ちしておりま
す。(ご感想などについては、このメールマガジンにて紹介させていただくこ
とがあります。なお、お名前は公表しません。)
宛先: magazine@kahaku.go.jp
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◆編 集:国立科学博物館 事業推進部 広報・運営戦略課
◆発 行:国立科学博物館
東京都台東区上野公園7−20
◆お問合せ:magazine@kahaku.go.jp
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アドレスをご入力ください。
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