第732号
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科博メールマガジン第732号
発行日:2017年5月4日
http://www.kahaku.go.jp/
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地球館屋上のハーブガーデンでは、ラベンダーやローズマリーなどおなじみ
のハーブがきれいな花を咲かせています。このほか、その名も驚きの「カレー
プラント」にもご注目ください。こちらのハーブは、観賞用のほか香味料・薬
用(防虫)に用いられるそうです。風のない日などは辺りにふんわりと、カレ
ーのにおいがしてビックリすることも。天気のよい日には屋上にもお立ち寄り
ください。(天候不良時には閉鎖します。)
※ 科博メールマガジンは、国立科学博物館が毎週木曜日に発行しています。
※ このメールマガジンは等幅フォントでご覧ください。
▼- 目 次 -▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼
■ エッセイ 「泣ける展示」
■ かはくの縁の下 「夜の博物館」
■ 上野の鳥 「絶滅鳥 大英自然史博物館展にちなんで」
■ お知らせ
■ 科博関連メディア情報
■ 壁紙プレゼント(5月カレンダー付き)
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◆ エッセイ ◆
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泣ける展示
植物研究部 北山 太樹
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科博に着任して以来ずっと、来館者が感動できる展示をつくりたいと考え続
けてきました。
2004年の秋に完成した「系統広場」(地球館1階南側)は、動物・植物両研
究部の研究員を総動員して作り上げた展示で、世界に類をみない規模の巨大系
統樹展示です。2500種をこえる生物の標本・剥製・模型を床のLEDラインでつ
なぎ、大腸菌からヒトまで地球上のあらゆる生物が親戚関係にあることを一望
できるもので、来館者のなかには「2時間いました」という方までいたほどの
中身の濃い展示です。
そして、2015年夏にオープンの「地球史ナビゲーター」(地球館1階北側)。
これは、当館史上初めて動物・植物・地学・人類・理工学の5研究部が合同で
企画した、絵巻のように長大なスクリーンに宇宙史・地球史・人間史からなる
138億年の壮大な物語を映し出す、巨大アニメーション展示です。この展示に
は、私たちの存在は、ひとりひとりが生まれたときに突然始まったのではなく、
宇宙誕生後の原子や元素に始まり、最初の生命体、多細胞生物、脊索動物、哺
乳動物、猿人などを経て現代人にいたる、長い長い生物進化と文明の歴史を背
負い、今日ここにあるのだというメッセージを込めました。しかし、あまりに
情報量が多いため、この隠れたメッセージが来館者に伝わるかどうかが心配で
した。
そんな私に、当館実施の学芸員専門研修アドバンスト・コースに参加された
秋田県立博物館学芸員の浅利絵里子さんから、メールが届きました。「実は、
地球史ナビゲーター(絵巻スクリーン展示)をみて、不覚にも感動して展示室
で泣いてしまいました。という私の感動話を聞いて、友達ももらい泣きしてい
ました」(抜粋)。このメールを読み、着任25年目の私の目にも涙が浮かんで
まいりました。どうやら心の澄んだ方がじっくりご覧になると泣ける展示のよ
うです。
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◆ かはくの縁の下 ◆
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夜の博物館
事業推進部 有田 寛之 (特別展担当)
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映画「ナイト ミュージアム」のおかげで、夜の博物館と聞いて具体的なイ
メージを思い描く方が増えたのではないか、と思います。映画の原作となった
絵本の邦題もずばり『夜の博物館』です。
特別展担当にとって「夜の博物館」は、映画の中の世界というより映画制作
者の立場に近い世界かもしれません。特別展の広報のため、テレビ番組や雑誌、
新聞等で展示の内容を取り上げていただく機会がありますが、これらは休館日
や閉館後を中心に収録や撮影が行われています。有名芸能人にたくさん会える
のでは? と思われるかもしれませんが、展覧会を監修する立場の当館研究者
はともかく、裏方である特別展担当は控室や備品の準備といった対応が中心で、
残念ながら現場の「残り香」を感じることくらいしかできません。また、当館
では近年約3ヶ月ごとに新たなテーマの特別展を開催していますが、短期間で
撤収や設営を行うため、時には深夜に及ぶ設営作業、早朝の標本搬出入に対応
することもあります。
より多くの方に特別展の存在を知っていただき、足を運んでいただくための
「仕込み」の時間として貴重な夜間ですが、ゴールデンウィーク期間の国立科
学博物館はその時間も開館しております。このメルマガが発行される5月4日以
降は、5月7日(日)まで閉館時刻を夜9時に延長しています。展示室内で標本
が暴れ出す、という可能性は限りなく低いですが、昼間よりは多少ゆっくりと
展示をご覧いただけると思いますので、是非「夜の博物館」もお楽しみくださ
い。
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◆ 上野の鳥 ◆
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絶滅鳥 大英自然史博物館展にちなんで
文京区役所 渡辺 浩(友の会会員)
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国立科学博物館では特別展「大英自然史博物館展」が開催されています。今
回の特別展では、始祖鳥からオオフウチョウ、ハチドリまで、多くの鳥につい
ての展示があります。絶滅種についてもフクロオオカミ・オオナマケモノ・ニ
ホンアシカ等が展示されていますので、今回はこれに関連して絶滅鳥について
お話しします。
まずはモアについてです。モアは、ニュージーランドに生息していた巨大な
飛べない絶滅鳥です。モアは、化石やDNAの研究により十数種類ほどいたという
説があります。体高は最大のジャイアントモアで約3.6メートル、最小のも
のでシチメンチョウ位の大きさであったと推定されています。本展ではモアの
全身骨格と、リチャード・オーウェンとモアの骨格標本が並んで写っている写
真のパネルが展示されていました。なお、モアと同じ走鳥類の絶滅鳥で、マダ
ガスカル島に生息していたエピオルニスの実物大の像が上野動物園にあり、特
別展会期中に上野に行けば、両種に会うことができます。
次に飛べない海鳥であるオオウミガラスです。北大西洋の沿岸に多数生息し
ていましたが、肉・卵・羽毛のために乱獲され、19世紀半ばに絶滅したようで
す。「ペンギン」(古代ケルト語の「白い頭」又はラテン語の「脂肪」の意味
だとか)は、本来はオオウミガラス(学名「Pinguinus impennis」)のことで
す。後に南半球で、ヨーロッパ人がよく似た鳥を発見し「ペンギン」と呼ぶよ
うになりました。これが現在のペンギンです。日本国内では、同じウミスズメ
科のウミガラスが北海道沿岸に生息し、天売島のみで繁殖しています。こちら
は飛ぶことができますが、繁殖数が激減し絶滅が心配されています。
最後にリョコウバトです。かつては北アメリカに数十億羽も生息していまし
たが、駆除や食用のための狩猟・森林伐採等により激減し、1914年にシンシナ
ティ動物園で「マーサ」(初代大統領ワシントンの夫人の名より)が死亡して
絶滅しました。また、本展ではモーリシャス島に生息していた絶滅鳥のドード
ーの模型も展示されていました。ドードーはリョコウバトと同じハト目という
説が有力だそうですので、両種を見比べてみてはいかがでしょうか。
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◆ お知らせ ◆
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開館時間および夜間特別イベントについて <ご案内>
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上野本館では、金曜日、土曜日は20時まで開館していますが、ゴールデン
ウィークの連休期間中は21時まで開館時間を延長します。
開館時間、イベントの詳細は下記をご覧ください。
新マスコットキャラクター「かはくじら」がご案内します。
http://www.kahaku.go.jp/news/2017/Apr-May/
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特別展「大英自然史博物館展」
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本展は、大英自然史博物館の8000万点以上に及ぶ膨大なコレクションから、
「進化論」提唱のきっかけとなった標本を含む約370点の「至宝」をご紹介し
ます。出品される展示物は動植物、化石、鉱物など多岐にわたり、その多くが
日本初公開。貴重な標本を間近に見られる絶好の機会です。
[開催期間]2017年3月18日(土)〜6月11日(日)
詳しくは下記をご覧ください。
http://www.kahaku.go.jp/exhibitions/ueno/special/2017/daiei/
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企画展「卵からはじまる形づくり−発生生物学への誘い−」
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本展では、当館としては初めて「発生生物学」に焦点を当て、生きものの形
づくりについて紹介します。
[開催期間]2017年4月4日(火)〜6月11日(日)
詳しくは下記をご覧ください。
http://www.kahaku.go.jp/event/2017/03egg/
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企画展「卵からはじまる形づくり−発生生物学への誘い−」イベント情報
<参加者募集>
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■講演「発生学おもしろDuoトーク」(当日受付)
[日時]2017年5月13日(土)15:00〜17:30
※受付は開始時刻の30分前より
詳しくは下記をご覧ください。
http://www.kahaku.go.jp/event/2017/03egg/
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コレクション特別公開「クレマチス園公開」:筑波実験植物園
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カザグルマをはじめとするクレマチスの野生種や、それらをもとに誕生した
多種多様な園芸品種を公開します。日本屈指の展示種類数を誇るクレマチス園
で、自然と人が作り出したクレマチスの多様性を体感してください。
[開催期間]2017年4月29日(土・祝)〜6月4日(日)
[会 場]国立科学博物館 筑波実験植物園
詳しくは下記をご覧ください。
http://www.tbg.kahaku.go.jp/event/2017/04clematis/index.html
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プレミアムフライデー関連イベント
「アルバムディクショナリーin大人のコンパス」 <参加者募集>
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いつもは入ることの出来ない大人の方だけを対象に、「親と子のたんけんひ
ろば コンパス」でワークショップを開催します。
[日 時]2017年5月26日(金)
第1回18:00〜19:00 / 第2回19:00〜20:00
[会 場]国立科学博物館 地球館3階「親と子のたんけんひろば コンパス」
[対 象]中学生以上
※保護者と一緒でも、小学生以下の方は入室できません。
[応募締切]5月12日(金)17時
企画の詳細、申込方法等は下記をご覧ください。
http://www.kahaku.go.jp/event/all.php?date=20170526
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「国立科学博物館サイエンスコミュニケータ養成実践講座」受講者募集開始
<参加者募集>
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今年度で12期目を迎える「国立科学博物館サイエンスコミュニケータ養成実
践講座」では、夏期に実施する「サイエンスコミュニケーション(SC)1」
の受講者を募集します。
[開催日時]2017年7月11日(火)〜8月23日(水)のうち、15日間
[対 象]大学院生、博物館職員等
[定 員]20名程度
[申込締切]5月29日(月)17時必着
申込方法、カリキュラム等詳細は下記をご覧ください。
http://www.kahaku.go.jp/learning/university/partnership/02.html
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UENO WELCOME PASSPORT−上野地区文化施設共通入場券−発売 <ご案内>
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上野「文化の杜」新構想実行委員会では、上野地区の文化施設を一度に楽し
めるお得な入場券「UENO WELCOME PASSPORT(上野ウェルカムパスポート)」
を、4月1日から発売しています。今回は、対象施設指定特別展から1つ観覧
できる「特別展チケット」が1枚ついたタイプ(3000部限定)も新たに登場し
ます。どうぞご利用ください。
[販売・利用期間]2017年4月1日(土)〜9月30日(土)
詳しくは下記をご覧ください。
http://ueno-bunka.jp/news/uenowelcomepassport201704/
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国立科学博物館Facebookページ更新中!
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上野本館の情報を中心に、科博の「今」を写真付きでお届けしています。
Facebookユーザーでなくても閲覧可能ですので、ぜひご覧ください!
https://www.facebook.com/NationalMuseumofNatureandScience
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自然教育園生物記録情報
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園内の植物開花リスト、昆虫、鳥等の情報を毎週更新して紹介しています。
http://www.ins.kahaku.go.jp/season/index.php
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自然と科学の情報誌「milsil(ミルシル)」通巻57号と定期購読について
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今号の特集は「日本の深海底に眠る鉱物資源を探せ!」です。何だか宝探し
の冒険物語のようですね。鉱物資源が眠る海の底は、厚い水の壁に隔てられて
います。地上での探査で活躍する赤外線やレーダー波などの電磁波は、この海
水に吸収されてしまうため、海中での探査には使えないのだそうです。それで
は一体どのようにして、この広大な海底から鉱物資源を探し出すのでしょうか。
また、鉱物資源というと思い浮かぶのは鉄や銅などですが、日本近海の海底に
はどのような鉱物資源が存在しているのでしょうか。海の鉱物資源の成り立ち
を解明し、探査手法を研究開発する研究者たちの熱い物語をお届けします。
新連載「日本の国立公園」が今号からスタートします。心と体のリフレッシ
ュに国立公園を訪れる方も多いのではないでしょうか。この連載でさらなる国
立公園の魅力をお伝えできればと思います。
発行日 :2017年5月1日(月)
定 価 :420円(税込)
定期購読やお得な会員制度など詳細については下記をご覧ください。
http://www.kahaku.go.jp/userguide/book/milsil/index.html
(友の会)http://www.kahaku.go.jp/userguide/repeater/index.html
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科博のイベント情報紙「kahaku event」6−7月号配布中!
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情報紙「kahaku event」(年6回 A4サイズ 6ページ)は、展覧会や開
催予定のイベントなどについてご紹介しています。国立科学博物館の各施設内
にて無料で配布中ですので、ご来館や、イベント参加の計画をたてる際などに
ご活用ください。
(「友の会会員」「賛助会員(個人特別会員)」の方には郵送でお届けします。)
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◆ 科博関連メディア情報 ◆
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○テレビ放送紹介
放 送 局:NHK 総合テレビ
番 組 名:NHKスペシャル「世紀の発見!日本の巨大恐竜」
放送日時:5月7日(日) 21:00〜21:49
・当館展示のフタバスズキリュウが登場します。
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★ メール募集中 ★
科博に関する思い出、展示の感想など皆様からのメールをお待ちしておりま
す。(ご感想などについては、このメールマガジンにて紹介させていただくこ
とがあります。なお、お名前は公表しません。)
宛先: magazine@kahaku.go.jp
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◆編 集:国立科学博物館 事業推進部 広報・運営戦略課
◆発 行:国立科学博物館
東京都台東区上野公園7−20
◆お問合せ:magazine@kahaku.go.jp
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