第675号
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科博メールマガジン第675号
発行日:2016年4月7日
http://www.kahaku.go.jp/
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上野は朝から強めの雨が降っていて、満開のサクラにも容赦なく雨粒が当たっ
ています。まるで「お花見も昨日までで一段落だよ」という合図のようです。
さて、当メルマガでも度々お知らせしていました「3万年前の航海 徹底再
現プロジェクト」のクラウドファンディングが、先日目標金額を達成しました!
エッセイ特別編にてご報告していますので、お読みいただけましたら幸いです。
※ 科博メールマガジンは、国立科学博物館が毎週木曜日に発行しています。
※ このメールマガジンは等幅フォントでご覧ください。
▼- 目 次 -▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼
■ エッセイ【特別編】
「クラウドファンディング達成の御礼と追加募集のお知らせ」
■ エッセイ 「小さな生き物の和名」
■ かはくの縁の下 「上野の山で動物めぐり」
■ 上野の鳥 「鶯の正体は? ウグイス」
■ お知らせ
■ 科博関連メディア情報
■ 壁紙プレゼント(4月カレンダー付き)
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◆ エッセイ【特別編】 ◆
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クラウドファンディング達成の御礼と追加募集のお知らせ
人類研究部 海部 陽介(プロジェクト代表)
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去る4月4日、国立科学博物館「3万年前の航海 徹底再現プロジェクト」
のクラウドファンディングが、700名近い方々からのご支援を受け、当初目
標の2000万円を達成しました。これで本年7月に予定している、与那国島
→西表島の実験航海を実現できます。本当にたくさんのご支援に感謝申し上げ
ます。ありがとうございました!
クラウドファンディング開始前は、設定した目標金額が高すぎるのではな
いかと、正直悩みました。しかし始まってみれば、この科博の新しいチャレン
ジに対し多数の共感と激励のメッセージが寄せられ、私たちは本当に勇気づけ
られました。
そんな皆様からの熱いご声援に応え、来年度の実施を目指している本番航海
(台湾→与那国島)の初期費用を追加募集しています。来週12日(火)の募
集締切りまで、まだまだ走り続けますので、引き続き応援をよろしくお願いい
たします!
▼3万年前の航海 徹底再現プロジェクト
https://readyfor.jp/projects/koukai
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◆ エッセイ ◆
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小さな生き物の和名
植物研究部 辻 彰洋
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私が研究対象としている顕微鏡レベルの微細藻類の多くは、種レベルの和名
はついていません。科博の展示では、学名のカタカナ表記と属の和名を併用し
ていますが、どちらも問題を抱えています。
学名のカタカナ表記は、小さな生き物ではよく使われますが、学名の読み方
は実は人によってばらばらです。たんぼに見られるアオミドロ属は、学名では
Spirogyraと言いますが、ラテン語読みをすると「スピロギラ」、英語読みを
すると「スパイロジャイラ」と全く別物になってしまいます。科博の展示では
ラテン語読みを基本としていますが、アナベナ(Anabaena, ラテン語読みでは
アナバエナ)の様にすでに慣用的に幅広く使われているものは、慣用的な読み
方を使っています。
「読み方が混乱している」と指摘されることもあるのですが、原則を貫くの
か慣用的な呼び方を活かすのか難しいところです。新たに和名を付けた方が良
いと思われるかもしれませんが、こちらもルールがなく、混乱しています。そ
の点はまたの機会にでもお話ししたいと思います。
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◆ かはくの縁の下 ◆
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上野の山で動物めぐり
博物館等連携推進センター 中山 由紀(連携推進課長)
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上野には多くの文化施設があることをご存知の方は多いと思いますが、当課
の役割の一つとして、そのような近隣の施設と連携を図っていくことが挙げら
れます。
例えば、年に1度、5月の上野ミュージアムウィークの期間に上野動物園と
東京国立博物館(東博)との3館園で「上野の山で動物めぐり」というツアー
を行っています。このツアーでは、毎年1つの動物をテーマにして、科博では
骨格標本や剥製、動物園では生きた動物、東博では美術品などを、それぞれの
専門家の案内で見学します。
当館では、主に骨格標本を用いて、研究員がからだの仕組みなどについて解
説をしますが、中には間近で観察できる標本もあります。普段は見ることので
きない距離で標本を観察したり、匂いを確かめて顔をしかめたり、実物を見て
学びを深めていく参加者の様子を直に見ると、各館園で時間をかけて準備して
きた甲斐があったと嬉しくなります。
そんな動物めぐりも今年で10回目を迎えます。これを記念してこれまでの
軌跡をまとめたリーフレット「10年のあしあと」を配布します(当館では4
月12日〜)。3館園をめぐって、見学レポートを応募する企画もありますの
で、春の陽気が心地よいこの季節、「10年のあしあと」を片手に上野公園を
散策してみてはいかがでしょうか。
▼上野の山でトラめぐり〜国際博物館の日記念ツアー〜
http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=event&inst=ueno&link_num=23461
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◆ 上野の鳥 ◆
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鶯の正体は? ウグイス
文京区役所 渡辺 浩(友の会会員)
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ウグイスのさえずり「ホーホケキョ」は、日本では最も有名な野鳥の鳴き声
のひとつです。ウグイスには、春告鳥(はるつげどり)・花見鳥(はなみどり)
等の異名があり、東京周辺では3月上旬位からさえずり始めます。上野動物園
の「日本の鳥1」ではウグイスが飼育されているので、そのさえずりが聞ける
かもしれません。
江戸時代、上野周辺はウグイスの名所で、特に「根岸の里」や谷中の「鶯谷」
が有名でした。上野駅の隣にある鶯谷駅も、それにちなんで名づけられたそう
です。
この辺りがウグイスの名所になったのには理由があるそうです。江戸時代に
京都から寛永寺へ来ていた公弁法親王が「江戸のウグイスの声は訛っている」
と言って、尾形乾山(画家・陶工。尾形光琳の弟)に命じて、京都のウグイス
を3500羽も取り寄せて放鳥したためだそうです。私は、谷中霊園でウグイ
スのさえずりを聞いたことがありますが、このウグイスは放鳥されたウグイス
の子孫だったのでしょうか?
日本では、ウグイスは漢字で「鶯」と書きます。しかし、この漢字は本来、
コウライウグイスに対して使われるものです。コウライウグイスは、ムクドリ
より少し大きい全身黄色の鳥で、黒い鉢巻状の過眼線があります。漢字の意味
も「輪状の羽模様が、首の回りをとりまいた鳥」というもので、コウライウグ
イスの特徴と一致します。
ウグイスは、漢字発祥の地である中国にも生息しています。どんな漢字か調
べてみたのですが「ウグイスは中国にも分布しているが、昔は注目されていな
かったようで漢名は不明である」(『図説 鳥名の由来辞典』柏書房)という
意外な結果になりました。現在は中国でもウグイス科の鳥には「鶯」の字を用
い、ウグイスは「短翅樹鶯」「日本樹鶯」と表記されます。同じウグイスとい
う鳥でも、日本と中国では扱いがこうも異なります。
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◆ お知らせ ◆
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企画展「生き物に学び、くらしに活かす−博物館とバイオミメティクス」
<予告>
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バイオミメティクスとは、生物学と工学が連携・協働し、生物に学びながら
私たちのくらしをより良くすることを目指す新しい学問です。本展では、昆虫
・魚類・鳥類を中心に、バイオミメティクスの実例とそのモデルとなった生物、
博物館が果たす役割、異分野の学術交流に役立つ情報科学技術などを紹介しま
す。
[開催期間]平成28年4月19日(火)〜6月12日(日)
詳しくは下記をご覧ください。
http://www.kahaku.go.jp/event/2016/03biomimetics/
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Friday Night Science 大学生のための自然史講座
「日本列島の自然史と生物多様性」 <参加者募集>
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大学生のための自然史講座は、国立科学博物館における研究の成果に加え、
近年の生物多様性研究の知見を交えながら、日本列島の自然・自然史について
様々な角度から体系的に理解できる講座です。
[開講期間]平成28年5月から12月まで(原則第1・3金曜日の18:00〜19:30)
[募集対象]主に大学生・院生・専門学校生(一般の方も受講いただけます)
カリキュラム内容、申込方法等、詳細は下記をご覧ください。
http://www.kahaku.go.jp/learning/university/partnership/03.html
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上野の山でトラめぐり〜国際博物館の日記念ツアー〜 <参加者募集>
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上野の山にある国立科学博物館と上野動物園、東京国立博物館が連携し、
「トラ」をテーマに3つの施設を巡りながら、動物の観察や講義、美術品の鑑
賞を行うユニークなセミナーです。各館園の専門家といっしょに、生きている
トラ、骨格標本のトラ、絵や彫刻のトラに会いに行きましょう。目指せ、トラ
博士!
[日 時]平成28年5月15日(日)9:00〜14:30
[対 象]小学5年生〜高校3年生 30名(応募者多数の場合は抽選)
[参 加 費]無料
[応募締切]平成28年4月24日(日)必着
企画の詳細、申込方法等は下記をご覧ください。
http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=event&inst=ueno&link_num=23461
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特別展「恐竜博2016」
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本展では、最新の研究をもとにしたスピノサウルスの全身復元骨格を、ティ
ラノサウルスと対峙する形で展示。貴重な赤ちゃん化石をはじめとする日本初
公開の標本など、近年の恐竜研究の成果をご紹介します。大迫力の映像シアター
も必見です!
[開催期間]平成28年3月8日(火)〜6月12日(日)
詳しくは下記をご覧ください。
http://www.kahaku.go.jp/exhibitions/ueno/special/2016/dino2016/
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ヒットネットミニ企画展「日本の海運博物館 −日本の産業技術−」
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「海運」をテーマにヒットネットから4つの博物館を紹介します。江戸時代
の弁財船航海から、開国して世界へ航路を広げ、世界有数の海運大国へと発展
する様子をエピソードとともに展示します。日々の生活を支え、豊かな文化を
育んできた産業技術の面白さや、技術の歴史を見る楽しさが伝われば幸いです。
※ヒットネット(HITNET)は,登録した日本全国の産業系博物館等が収蔵・展示
する資料についての共通データベースです。
http://sts.kahaku.go.jp/hitnet/
[開催期間]平成28年3月1日(火)〜4月17日(日)
詳しくは下記をご覧ください。
http://sts.kahaku.go.jp/
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UENO WELCOME PASSPORT−上野地区文化施設共通入場券− 発売 <ご案内>
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上野「文化の杜」新構想実行委員会では、上野地区の文化施設を一度に楽し
めるお得な入場券「UENO WELCOME PASSPORT(上野ウェルカムパスポート)」
を2016年1月2日から発売します。この共通入場券では、1月2日〜5月
31日までの期間中、東京国立博物館、国立科学博物館、国立西洋美術館、上
野動物園、下町風俗資料館、旧岩崎邸庭園、東京都美術館、東京藝術大学大学
美術館の8施設の常設展等を1回観覧できるほか、国立国会図書館国際子ども
図書館、東京文化会館、上野の森美術館を合わせた11施設を巡るスタンプラ
リーも楽しめます。
[販売および利用期間]平成28年1月2日(土)〜5月31日(火)
※限定10,000冊、売切次第販売終了
詳しくは下記をご覧ください。
http://www.kahaku.go.jp/news/2016/Ueno_passport/UENO_Passport.pdf
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国立科学博物館Facebookページ更新中!
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上野本館の情報を中心に、科博の「今」を写真付きでお届けしています。
Facebookユーザーでなくても閲覧可能ですので、ぜひご覧ください!
https://www.facebook.com/NationalMuseumofNatureandScience
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雑誌milsil(ミルシル)通巻50号と定期購読について
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皆さまの知的好奇心を高めるきっかけになればという思いで、その時々の
科学の話題や研究の最前線などをお伝えして8年と2カ月。とうとう本誌も
通巻50号となりました。
50号発行を記念して、今回の特集は「国立科学博物館」です。「科博?何
回も行っているからよく知っているよ」「オープンラボにも行ったことがある
し」という声も聞こえてきそうですが、そこは『milsil』。所蔵する標本資料
や研究者・研究内容をご紹介することで、当館をもっともっと知っていただけ
る内容になっています。博物館は展示だけではないのです。その土台となる標
本資料、研究があってこそ、皆さまに楽しんでいただける展示ができることを
少しでもお伝えできればと思います。そして、是非、お近くの博物館、科学館
にも足を運んでください。
発行日 :平成28年3月1日(火)
定 価 :420円(税込)
定期購読やお得な会員制度など詳細については下記をご覧ください。
http://www.kahaku.go.jp/userguide/book/milsil/index.html
(友の会)http://www.kahaku.go.jp/userguide/repeater/index.html
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科博のイベント情報紙「kahaku event」4−5月号配布中!
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情報紙「kahaku event」(年6回 A4サイズ 6ページ)は、展覧会や開
催予定のイベントなどについてご紹介しています。国立科学博物館の各施設内
で無料で配布している他、下記ページからもダウンロードすることができます。
ご来館や、イベント参加の計画をたてる際などにご活用ください。
(「友の会会員」「賛助会員(個人特別会員)」の方には郵送でお届けします。)
http://www.kahaku.go.jp/event/kahakuevent/index.html
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◆ 科博関連メディア情報 ◆
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○テレビ放送紹介
放 送 局:BS-TBS
番 組 名:土曜スタジアム「命の星“地球”生き物たちの物語#7」
放送日時:4月9日(土)23:00〜24:00
・「アデリーペンギン」の回で、動物研究部の西海研究主幹が出演します。
放 送 局:BSジャパン
番 組 名:林修が驚いた!46億年の地球博物館 〜恐竜vs人類〜
放送日時:4月10日(日)12:00〜13:15(再放送)
・2月に放送された、当館全面協力の特別番組の再放送です。真鍋コレク
ションディレクターと海部人類史研究グループ長が出演します。
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★ メール募集中 ★
科博に関する思い出、展示の感想など皆様からのメールをお待ちしておりま
す。(ご感想などについては、このメールマガジンにて紹介させていただくこ
とがあります。なお、お名前は公表しません。)
宛先: magazine@kahaku.go.jp
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◆編 集:国立科学博物館 事業推進部 広報・運営戦略課
◆発 行:国立科学博物館
東京都台東区上野公園7−20
◆お問合せ:magazine@kahaku.go.jp
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アドレスをご入力ください。
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