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第643号

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  科博メールマガジン第643号

    発行日:2015年9月3日

   http://www.kahaku.go.jp/

 

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 9月になりました。カレンダーに使われている写真などは秋一色ですが、実

際にはまだ蒸し暑い空気が居残っています。最近はお天気もよくないので、早

くきれいに澄み渡った秋空を見たいものです。

 さて、好評開催中の特別展「生命大躍進」ですが、先週20万人目のお客様

をお迎えしました!今月は関連講演会が3回予定されていますので、展示とと

もにお楽しみいただけたらと思います。会期は残すところ1ヶ月、10月4日

(日)までです!

 

 

 ※ 科博メールマガジンは、国立科学博物館が毎週木曜日に発行しています。

 ※ このメールマガジンは等幅フォントでご覧ください。

 

▼- 目 次 -▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼

 

 ■ エッセイ   「採集道具」

 ■ 常設展示紹介 「よくある話」

 ■ お知らせ

 ■ 科博関連メディア情報

 ■ 壁紙プレゼント(9月カレンダー付き)

 

 

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◆ エッセイ ◆

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 採集道具

 

 

                        動物研究部 小松 浩典

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 先月、沖縄へ調査に行って来ました。潮と海況のよい春から夏にかけてが、

我々海の研究者の調査シーズンになります。東京は今年も猛暑でしたが、沖縄

は日射しが強いものの、カラッとしてむしろ過ごしやすく感じました。今や沖

縄は避暑地と言っても過言ではありません。

 

 地元の研究者に案内してもらい干潟の甲殻類調査を行ったのですが、様々な

採集道具を駆使して目的の獲物を次々と捕らえていく、その姿にほれぼれとし

ました。ヤビーポンプという自転車の空気入れの底が抜けたような道具をアナ

ジャコの巣穴にあて、持ち手を一気に引き抜くとアナジャコとともに共生生物

が採集できます。また、石混じりの砂を掘ってカクレガニが潜む二枚貝を採集

するのには、鋸歯のついた山菜ナイフが役に立ちます(私が持って行ったプラ

スチック製のスコップはすぐに壊れてしまいました)。澪筋(みおすじ)の底

に埋もれている小さなコブシガニの採集には川底をタモ網で引きずるのですが、

普通のものではすぐに破れてしまいます。そこで網の枠が二重になった特注の

タモ網を使うと、網が内側の枠に取り付けられているのでそう簡単には破れま

せん。他にも百円ショップで買ったブラシやちりとり、ザルなども大いに役立

ちます。

 

 紹介しきれませんが、このように採集道具には研究者の知恵や工夫が込めら

れ、調査に無くてはならない存在になっています。研究者こだわりの採集道具

は地球館3階の「コンパス」でも展示していますので、是非ご覧ください(ティ

ラノサウルス側の通路から壁の小窓をのぞいてみてください)。

 

 

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◆ 常設展示紹介 ◆

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 よくある話

 

 

                        事業推進部 野村 篤志

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 「お金が足りない。さあ困った。どうすればいいか?」という事態は、展示

をつくる過程でよくあることです。7月にリニューアルオープンした地球館北

側部分の改修工事においても、限られた予算のなかで博物館側が求める理想的

な展示室の姿を、いかに質を落とさず実現させるかということは、私たちが常

に直面していた頭の痛い問題でした。

 

 施工業者との折衝や研究者からのヒアリングなどを通じて優先順位を決めて

いき、予算内でできることとできないことを振り分ける作業は、正直言ってあ

まり楽しいものではありません。研究者にとってはどれも思い入れのあるプラン、

実現したいプランです。そのなかでも、予算不足の犠牲になりがちだったのが

映像関係でした。ただ、展示物の説明を補完する上で、映像資料は非常に有効

な手法です。何とか実現できないかと検討を重ねた結果、事務担当者が現地に

赴いて撮影してみようということになりました。

 

 ある者はアメリカコロラド州の荒野へ、またある者は地磁気逆転地層の標本

はぎ取り現場へ、そして私は太平洋のど真ん中へと撮影に行ってきました。も

ちろん、プロが撮影した映像と比べれば見劣りはするのでしょうが、撮影機材

が日々進歩しているおかげで、見苦しくない程度にはできあがったと思います。

これらの映像は地球館2階と地下1階のキオスク端末等でご覧になれます。

 

 地球館1階の地球史ナビゲーターでは、人間史の後半で科学技術の発展を紹

介しています。科学技術の発展は人々の生活を豊かにしていることはもちろん、

当館の様々な研究も進展させています。そして展示をつくる側である私たちも、

最新技術が詰め込まれたビデオカメラのおかげで、多少なりとも予算不足を補

うことができました。科学技術が発展していることの恩恵を、私たち博物館の

職員自身も受けていることをつくづく実感しています。

 

 

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◆ お知らせ ◆

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特別展「生命大躍進 脊椎動物のたどった道」

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 本展では、世界各地の研究機関の協力により、日本初公開となる化石など、

生命進化の各時代を代表する重要な実物化石がこれまでにない規模で一堂に会

します。これら実物化石にDNAに関する最新の研究成果を織り交ぜ、精巧な

復元模型や4K映像を活用しながら、脊椎動物が歩んできた壮大な進化の道の

りを分かりやすく説明します。

 

[開催期間]平成27年7月7日(火)〜10月4日(日) 

 

 詳しくは下記をご覧ください。

 http://www.kahaku.go.jp/exhibitions/ueno/special/2015/evolution/

 

 

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企画展  <予告>

「過去5万年間の時をはかる−水月湖年縞堆積物と放射性炭素年代測定−」

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 年縞(ねんこう)とは、季節ごとに異なる堆積物で形成された地層で、明暗1

対の縞が1年に相当します。そのため、地層の年輪とも言われています。2006

年、国際研究チームにより、福井県にある水月湖の湖底から、世界一となる7

万年間の年縞が採取されました。この年縞の枚数を数えることによって、地層

の堆積した年代(暦年代)を1年単位で知ることができます。本企画展では地

球上のさまざまな事件の起こった年代をはかるために活躍が期待される水月湖

年縞堆積物について紹介いたします。

 

[開催期間]平成27年9月8日(火)〜10月12日(月・祝)

 

 詳細は下記をご覧ください。

 http://www.kahaku.go.jp/event/2015/09varve/

 

 

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企画展「世界のヒョウタン展−人類の原器−」  <予告>

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 ヒョウタンは世界最古の栽培植物のひとつで、1万余年もの歴史があります。

多くの地で土器に先立って、人間が生きていくための生活用具として使われて

きました。丈夫で軽い優れた容器として活用されてきただけでなく、絵を描い

たり、彫ったり、変形させたりといった芸術表現の素材となり、世界各国の神

話や伝説にも登場する神秘性を有しています。形や大きさの多様性と、さまざ

まな利用法について、世界各地から集められたコレクションをもとに紹介しま

す。

 

[開催期間]平成27年9月15日(火)〜12月6日(日)

 

 詳細は下記をご覧ください。

 http://www.kahaku.go.jp/event/2015/09gourd/

 

 

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Friday Night Science 大学生のための科学技術史講座

「日本の科学技術」  <参加者募集>

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 「日本通」になろう。知っているようで知らない奥深い世界。科学技術史を

のぞいてみませんか。「日本の科学技術」をテーマに、各分野の研究者6名が

それぞれの専門領域について講義をします。ぜひ、当館のホームページ、チラ

シをご覧いただき、受講をご検討ください。

 

[開催期間]平成27年10月〜12月

      (10月2日、10月16日、11月6日、11月20日、12月4日、

       12月18日各金曜日の18:00〜19:30に実施)

 

 カリキュラム内容、申込方法等、詳細は下記をご覧ください。

 http://www.kahaku.go.jp/learning/university/partnership/09.html

 

 

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自然史セミナー「ハギの花」:附属自然教育園  <参加者募集>

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 秋の花の代表ともいえるハギの仲間について、野生種を中心にして花のかた

ちや分布などについて解説します。

 

[開催日時]平成27年9月13日(日)14:00〜15:30

 

 詳しくは下記をご覧ください。

 http://www.kahaku.go.jp/event/all.php?date=20150913

 

 

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朝日地球環境フォーラム2015 親子セッション  <参加者募集>

国立科学博物館こども研究室

〜考えてみよう!地球環境のこれまでとこれから〜

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 「朝日地球環境フォーラム2015」(主催:朝日新聞社)において、小学生と

保護者を対象とした研究者のトークイベントやワークショップなどを行います。

地球環境について、さまざまな角度から楽しく学びます。

 

[開催日時]平成27年10月1日(木)

      【1】13:00〜15:00 【2】15:30〜17:30(各回内容は同じ)

 

 プログラム詳細やお申込みは、下記オフィシャルサイトをご覧ください。

 http://www.asahi.com/eco/forum/

 

 

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特別展「生命大躍進」講演会  <ご案内>

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 現在開催中の特別展「生命大躍進 脊椎動物のたどった道」の監修者より、

本展に関連するお話をいたします。

 

 ■9月5日(土)

  「脊椎動物のからだにみる進化」

  「ホモ・サピエンスへの最後の一歩」

 ■9月13日(日)

  「哺乳類の進化−その起源と中生代のなかま−」

  「バージェス頁岩とカンブリア大爆発」

 ■9月27日(日)

  「地球の環境変化と『生命の誕生』」

  「特別展『生命大躍進』にみる霊長類の起源と人類の進化」

 

[開催日時]平成27年9月5日(土)、13日(日)、27日(日)

      13:00〜14:45(12:30受付開始)

 

 詳しい参加方法等については、下記をご覧ください。

 http://www.kahaku.go.jp/exhibitions/ueno/special/2015/evolution/event.html

 

 

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雑誌milsil(ミルシル)通巻47号と定期購読について

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 2015年は「国際土壌年」です。国連決議文によると、「土壌は農業開発、

生態系の基本的機能および食糧安全保障の基盤であることから、地球上の生命

を維持する要」であるということです。とはいえ、都心部を中心に地面はアス

ファルトやコンクリートで覆われ、“土”の地面を踏みしめる機会は近年減っ

てきているかもしれません。しかしながら私たちは、ふわふわで柔らかい土の

畑では農作物がよく育つことを感覚的に知っています。この“土”の中で何が

起こっているのか? 今回の特集では私たちの足元の世界に迫ります。

 「世界をはかる」は連載最終回を迎えました。不変と思っていた1kg、1秒

という単位も科学技術の進歩により、より正確さを求められ、また単位を正確

に定めることによってさらなる科学技術の進歩が促される。単位への認識を新

たにしました。

 

 発行日 :平成27年9月1日(火)

 定 価 :420円(税込)

 

 定期購読やお得な会員制度など詳細については下記をご覧ください。

 http://www.kahaku.go.jp/userguide/book/milsil/index.html

 (友の会)http://www.kahaku.go.jp/userguide/repeater/index.html

 

 

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科博のイベント情報紙「kahaku event」10−11月号発行!

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 情報紙「kahaku event」(年6回 A4サイズ 6ページ)は、展覧会や開

催予定のイベントなどについてご紹介しています。国立科学博物館の各施設内

で無料で配布している他、下記ページからもダウンロードすることができます。

ご来館や、イベント参加の計画をたてる際などにご活用ください。

(「友の会会員」「賛助会員(個人特別会員)」の方には郵送でお届けします。)

 

 http://www.kahaku.go.jp/event/kahakuevent/index.html

 

 

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◆ 科博関連メディア情報 ◆

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 ○テレビ放送紹介

 

 放 送 局:日本テレビ

 番 組 名:所さんの目がテン!

 放送日時:9月6日(日)7:00〜

 

 ・番組冒頭「サイエンスニュース」コーナーにて、当館の濱尾動物研究部

  グループ長の研究成果が紹介される予定です。

 

 放 送 局:NHK総合(関東地域のみ)

 番 組 名:ひるまえ ほっと

 放送日時:9月7日(月)11:05〜11:54

 

 ・首都圏ニュースにて(11:30前後)、9月8日(火)から始まる企画展「過去

  5万年間の時をはかる」が紹介される予定です。

 

 

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★ メール募集中 ★

 

 科博に関する思い出、展示の感想など皆様からのメールをお待ちしておりま

す。(ご感想などについては、このメールマガジンにて紹介させていただくこ

とがあります。なお、お名前は公表しません。)

 

 宛先: magazine@kahaku.go.jp

 

 

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 ◆編  集:国立科学博物館 事業推進部 広報・常設展示課

 ◆発  行:国立科学博物館

       東京都台東区上野公園7−20

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