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第628号

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  科博メールマガジン第628号

    発行日:2015年5月21日

   http://www.kahaku.go.jp/

 

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 昨日、沖縄地方が梅雨入りしました。平年より11日遅い梅雨入りだそうで

す。一方、本日の上野は、日差したっぷりながらも爽やかな風が吹き、絶好の

散策日和となっています。

 さて、今号から「地球館リニューアルオープン特集」と題して、新しい連載

が始まります。7月14日に予定している地球館(北側部分)のリニューアル

オープンまで、いよいよ残り2か月を切りました。どのような改修が行われて

きたのか、毎週少しずつご紹介していきます。どうぞお楽しみに!

 

 

 ※ 科博メールマガジンは、国立科学博物館が毎週木曜日に発行しています。

 ※ このメールマガジンは等幅フォントでご覧ください。

 

▼- 目 次 -▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼

 

 ■ エッセイ     「アマゾンの昆虫とバイオミメティクス」

 ■ 地球館リニューアルオープン特集【連載 第1回】

   「お待たせしております−地球館リニューアルオープンまであとわずか−」

 ■ 自然教育園だより 「新緑の自然教育園」

 ■ お知らせ

 ■ 科博関連メディア情報

 ■ 壁紙プレゼント(5月カレンダー付き)

 

 

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◆ エッセイ ◆

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 アマゾンの昆虫とバイオミメティクス

 

 

                        動物研究部 野村 周平

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 特別展「大アマゾン展」が3月14日に開幕となり、連日多くの来場者でに

ぎわっています。私はこの大アマゾン展で、昆虫の展示を担当しました。

 

 アマゾンには多種多様な昆虫が生息していますが、その中から特に、「モル

フォチョウ」「スカシジャノメとその他のチョウとガ」「カブトムシのなかま」

「巨大カミキリムシ」にしぼって展示しました。これらは、アマゾンの昆虫の

豊かな生物多様性を感じさせてくれる代表選手です。それに加えてこれらの昆

虫は、バイオミメティクスの観点から非常に興味深く、古くから注目されてき

ました。

 

 「バイオミメティクス」は、日本語では「生物規範工学」と呼ばれます。地

球上のあらゆる生物が進化の過程で実現してきた構造や機能を研究して、その

メカニズムをものづくり(工業技術)に活かしていこうという取り組みです。

その一番の成功モデルは、アマゾンにすむモルフォチョウの構造発色を取り入

れて、世界初の構造色繊維として開発された「モルフォテックス」です。また

近年では、スカシジャノメの翅にみられるようなモスアイ構造(※)を工業的

に再現した「モスマイト」と呼ばれる低反射シートも開発されました。

 

 これらのバイオミメティクス製品や、そのモデルとなった昆虫たちの標本を、

大アマゾン展の会場で展示しておりますので、ぜひご覧ください。大アマゾン

展は6月14日まで開催です。

 

※モスアイ構造…透明な膜や外皮の表面に微小な突起が列生することによって、

 表面での光の反射を抑えたり、水をはじく効果を生み出す構造。

 

 

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◆ 地球館リニューアルオープン特集【連載 第1回】 ◆

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 お待たせしております−地球館リニューアルオープンまであとわずか−

 

 

                        動物研究部 倉持 利明

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 科博では、ただいま地球館の北側部分(約2,300平方メートル)の展示改修

を行っております。ご来館の皆様には、たいへんご迷惑とご不便をおかけして

参りましたが、7月14日のリニューアルオープンが間近に迫ってきました。

 

 地球館の展示改修について話し合う最初の会議は、平成23年6月に開かれ

ました。以後、会議に会議を重ね、平成26年(昨年)9月には改修部分を閉

鎖して工事に取りかかりました。限られた予算に限られた工期。予想通りにた

いへん厳しい改修でした。現在では、展示室での各種調整、IT関連データの

作成に追われ、また、かはくボランティアの皆さんは、新しい活動に向けて研

修づくめの日々を送っています。

 

 「かわったな」と思える展示の数々。少しだけご紹介しましょう。1階には

地球館全体をながめるようなナビゲーション展示、2階には最新の科学技術で

地球環境や自然を探る体験展示、3階には小さなお子さんが保護者の方と楽し

める展示室がお目見えします。そして地下1階の恐竜フロアは「待ち伏せティ

ラノ」をはじめ最新の学説に基づくリニューアルが施され、地下3階は日本の

自然科学系ノーベル賞受賞者を一堂に紹介するコーナーに模様替えです。そし

てもうひとつ、科博初の試みとして、活発なサイエンスコミュニケーションの

ための展示開発に挑戦しました。その名も「かはくのモノ語りワゴン」。各フ

ロアでこのワゴンを使った活動が試行的に始まります。

 

 これらの改修を通して、科博はこれまで以上に充実した博物館に生まれかわ

ります。皆様の「かわったな」というお声を楽しみにしております。

 

 

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◆ 自然教育園だより ◆

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 新緑の自然教育園

 

 

                      附属自然教育園 植草 珠里

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 薫風爽やかな季節を迎え、港区白金台の自然教育園一帯はみずみずしさであ

ふれています。

 

 ゴールデンウィーク期間中、都会の中のオアシスともいえる自然教育園は、

たくさんの来園者の方々でにぎわいました。静かな雰囲気の中で、新緑や風に

ゆれる花々、水面に映える木々、野鳥のさえずりなど多くの自然の美しさに触

れていただきました。

 

 これからの季節に園内で見ごろを迎える植物は、水辺に咲く黄色の5弁花が

美しいアサザや濃い紫色のノハナショウブ、小さく可憐なニワゼキショウ、緑

の中で白い花が目を引くヤマボウシ、ウツギ、ヤマアジサイなどです。アオス

ジアゲハやクロアゲハ、コミスジなどの蝶類もご覧いただけます。

 

 また、展示ホールでは今月30日(土)〜7月2日(木)の期間、写真展

「自然教育園の四季と生きものたち」を開催いたします。白金自然写真クラブ

の皆様が自然教育園内で撮影した写真で、四季の移り変わりと躍動感あふれる

昆虫や野鳥などの姿を見事にとらえた個性豊かな作品をご紹介します。観賞を

通じて、自然の大切さや素晴らしさを感じていただければ幸いです。

 

 5月に入り気候が安定し、動植物も私たち人間も生命力が満ち、活動的にな

ります。皆様も散策、観察、スケッチ、写真撮影など、五感を大いに働かせ、

リフレッシュの場として自然教育園をご利用ください。

 

 

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◆ お知らせ ◆

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自然史セミナー「標本採集はなぜ必要なのか?−魚類標本からわかること−」

:附属自然教育園  <参加者募集>

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 生物標本はどのように役立っているのかを魚類を例にして紹介します。

 

[開催日時]平成27年6月14日(日)14:00〜15:30

[開催場所]国立科学博物館 附属自然教育園 2階講義室

[講  師]動物研究部 篠原現人

[申込方法]電話03-3441-7176にて受付(休園日不可)

[備  考]通常入園料(一般・大学生310円。高校生以下および65才以上は

      無料)が必要です。

 

 詳しくは下記をご覧ください。

 http://www.kahaku.go.jp/event/all.php?id=0001426913190960

 

 

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萩原博光先生 南方熊楠特別賞受賞記念講演会

『南方熊楠の学問−「博物」と「事の学」−』  <ご案内>

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 国立科学博物館名誉研究員 萩原博光先生の第25回南方熊楠賞特別賞受賞を

記念して講演会を開催します。

 南方熊楠(1867〜1941年)は、博物学・民俗学・エコロジーなど、多くの学

問を自在に横断し、東洋と西洋の両方に精通した人物です。本講演会では、南

方熊楠が残した多数の資料を整理・研究した結果を基に、南方熊楠の博物の世

界と宇宙観についての研究成果とその展望を紹介します。

 

[日  時]平成27年5月30日(土)13:30 〜 16:00(受付開始13:00)

[会  場]国立科学博物館 日本館2階 講堂

[講  師]桐生大学短期大学部 橋爪博幸 他

[定 員]100名

[対  象]一般

[備  考]事前申込不要。定員を超えた場合入場を制限する場合があります。

      参加費は無料ですが入館料は必要です。

 

 詳しくは下記をご覧ください。

 http://www.kahaku.go.jp/news/2015/05kumagusu/

 

 

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特別展「大アマゾン展」

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 本展は、アマゾン川流域に生息する生物の多様性を主なテーマにアマゾンを

総合的に紹介する過去最大級の“アマゾン展”となります。今回、大河アマゾ

ンの源流から河口まで、その広大な流域に生息する哺乳類・爬虫類・両生類・

鳥類・魚類・昆虫・植物・菌類の多様性について、化石や剥製、骨格標本、生

体を美しい映像資料とともに紹介し、あわせてそこに住む先住民と動植物との

関わりについても紹介します。

 

[開催期間]平成27年3月14日(土)〜6月14日(日)

 

 詳しくは下記をご覧ください。

 http://www.kahaku.go.jp/exhibitions/ueno/special/2015/amazon/

 

 

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コレクション特別公開「クレマチス園公開」:筑波実験植物園

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 カザグルマをはじめとするクレマチスの野生種とその園芸品種約250種類を

公開するとともに、クレマチスの種類や花の色などについて解説したパネルを

展示します。

 

[開催期間]平成27年5月2日(土)〜6月14日(日)

 

 詳しくは下記をご覧ください。

 http://www.tbg.kahaku.go.jp/event/2015/05clematis/index.html

 

 

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上野東京ライン開業記念 国立博物館・美術館3館共通入場券 発売中

<ご案内>

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 東京国立博物館、国立科学博物館、国立西洋美術館の3館は、上野観光連盟

と共同で、JR東日本「上野東京ライン」の開業を記念した共通入場券「UENO

WELCOME PASSPORT(上野ウェルカムパスポート)」を2015年3月14日より発売

しています。この共通入場券は、3月14日〜5月31日までの期間中、3館の常設

展/総合文化展が各館1回観覧でき、すごろく式マップやスタンプラリーなど

も付いて、親子で楽しめる内容となっています。

 

 詳しくは下記をご覧ください。

 http://www.ueno.or.jp/nmwp/

 

 

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国立科学博物館Facebookページ更新中!

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 上野本館の情報を中心に、科博の「今」を写真付きでお届けしています。

Facebookユーザーでなくても閲覧可能ですので、ぜひご覧ください!

 

 https://www.facebook.com/NationalMuseumofNatureandScience

 

 

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雑誌milsil(ミルシル)通巻45号と定期購読について

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 “おたまじゃくしは蛙の子”という歌にもあるように、おたまじゃくしはお

となになるにつれ、手足が生え、尾がなくなりカエルとなります。ほかにも幼

虫が蛹を経てチョウへ成長するなど、“変態”という言葉は知らなくても、両

生類や昆虫の体の変化は多くの人が知る自然現象といえます。ではそのメカニ

ズムは?今回の特集「変態のふしぎと多様性」では変態の謎に迫ります。普段

目にする現象を当たり前のことと受け止めず、なぜそうなるのか考え、検証す

ることは科学の原点かもしれません。変態のメカニズムの解説もさることなが

ら、研究者の飽くなき探究心も垣間見ることのできる内容となっています。

 また今号から新連載「旅する生き物」が始まります。第1回はニホンウナギ

です。おいしくいただきながらも産卵場所や川に戻ってくるルートは謎に包ま

れていたニホンウナギ。その壮大な旅についてご紹介します。

 

 発行日 :平成27年5月1日(金)

 定 価 :420円(税込)

 

 定期購読やお得な会員制度など詳細については下記をご覧ください。

 http://www.kahaku.go.jp/userguide/book/milsil/index.html

 (友の会)http://www.kahaku.go.jp/userguide/repeater/index.html

 

 

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科博のイベント情報紙「kahaku event」6−7月号配布中!

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 情報紙「kahaku event」(年6回 A4サイズ 6ページ)は、展覧会や開

催予定のイベントなどについてご紹介しています。国立科学博物館の各施設内

で無料で配布している他、下記ページからもダウンロードすることができます。

ご来館や、イベント参加の計画をたてる際などにご活用ください。

(「友の会会員」「賛助会員(個人特別会員)」の方には郵送でお届けします。)

 

 http://www.kahaku.go.jp/event/kahakuevent/index.html

 

 

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◆ 科博関連メディア情報 ◆

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 ○テレビ放送紹介

 

 放 送 局:TBSテレビ

 番 組 名:世界ふしぎ発見!

      「アマゾン大紀行! 生命の源 水没ジャングルの謎」

 放送日時:5月23日(土)21:00〜

 

 ・現在開催中の特別展「大アマゾン展」に関連した内容です。

 

 

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 科博に関する思い出、展示の感想など皆様からのメールをお待ちしておりま

す。(ご感想などについては、このメールマガジンにて紹介させていただくこ

とがあります。なお、お名前は公表しません。)

 

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 ◆編  集:国立科学博物館 事業推進部 広報・常設展示課

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