第374号
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科博メールマガジン第374号
発行日:2010年8月5日
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東京スカイツリーをご存じですか?新聞やテレビで話題となっていますね。
完成すると、塔高634mとなるそうです。現在、世界一高い自立式電波塔は、
カナダのトロントにある553.3mのCNタワーですから、まもなく、世界一に
なります。科博の地球館屋上からは、ぐんぐんと高くなっていく様子を見るこ
とができます。
さて、当館では現在「日本の先端科学技術の紹介」をテーマにしたミニ企画
展を開催しています。日本の機械技術面において歴史的に意義のある「機械遺
産」や、最新技術を駆使し、日本機械学会賞を受賞した製品などをご紹介して
います。科学や技術は、過去から未来へとつながっています。東京スカイツリ
ーも過去からの積み重ねによって、未知の高さへ挑戦できるということですね。
これを機会に先端科学技術について学び、未来がどのような世界になってい
くのか想像するのも楽しいと思います。
※ 科博メールマガジンは、国立科学博物館が毎週木曜日に発行しています。
※ このメールマガジンは等幅フォントでご覧ください。
▼- 目 次 -▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼
■ エッセイ 「隕石と『はやぶさ』」
■ 常設展紹介 「クロミズム」
■ 上野散策 「都立白鴎高校」
■ お知らせ
■ 科博関連メディア情報
■ 他館紹介
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◆ エッセイ ◆
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隕石と「はやぶさ」
理工学研究部 米田 成一
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現在、ニューヨークで開かれている国際隕石学会に参加しています。こちら
でも6月に小惑星イトカワから無事に帰還した日本の探査機「はやぶさ」に大
きな関心が寄せられています。隕石と「はやぶさ」にどんな関係があるのかと
疑問に思われた読者の方もいると思いますが、実は隕石の研究は小惑星の探査
と直接関係しているのです。
隕石落下の観測からほとんどの隕石は小惑星と同じような軌道で太陽の周り
を回っていたと考えられています。また、望遠鏡による小惑星から反射する太
陽光の観測と、実験室で隕石の表面に光を当てて得られる反射スペクトルの比
較から、3つの小惑星が一部の分類に属する隕石の起源だと推測されています。
しかし、まだ多くの隕石の起源ははっきり分かっていません。
小惑星イトカワは、「はやぶさ」による周回軌道上からの観測でLまたはLL
タイプの球粒隕石と同じ組成をしているらしいことが分かりました。これらの
種類の隕石は隕石全体の半分近くを占めているのに、未だに起源がはっきりし
ていません。イトカワの塵のサンプルが見つかってこのことが確定すれば、初
めての直接的な証拠であり大きな進展となります。
回収された「はやぶさ」のサンプル容器の中からは0.1から0.01mmの微小な
塵が数十個発見されています。ただ、地球の塵が混入していた可能性があるた
め、現在分析を行っているところと聞いています。「はやぶさ」関係資料の展
示も予定されている「空と宇宙」展(10月26日から)の頃には、よいお知らせ
が届くことを期待しましょう。
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◆ 常設展紹介 ◆
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クロミズム
事業推進部 田邊 玲奈
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クロミズム・・・聞き慣れない言葉かもしれませんが、物質が、光、熱、電
気などの外からの刺激を受けて、色が変わったり、もとに戻ったりする現象の
ことです。こうした現象は、実は身近なところで色々と活用されています。例
えば、暖かい飲み物を入れると模様が消えるマグカップは、サーモクロミズム
という温度の変化に応じて色が変化する現象を利用しています。
地球館地下3階「物質を探る」コーナーでは、同様の現象を体験することが
できます。紙に特殊なインクで印刷された温度計があり、手をかざすと体温に
よりその温度の色が消えます。この特殊なインクは、染料(ロイコ染料)と発
色剤が温度によって結びついたり、離れたりすることで、色が消えたりもとに
戻ったりします。原理は難しく感じるかもしれませんが、すごーく大雑把に書
いてしまうと、理科の教科書で学ぶ「酸・塩基反応」がもとになっています。
他にも、光が当たると色がかわる現象をフォトクロミズムといいます。例え
ば紫外線が当たると色が濃くなるサングラスなどもあります。探してみると、
身の回りの色々なところで見つけられそうです。
身近な科学の原理原則を体験する展示室として、地球館2階「たんけん広場」
はいつも子ども達に大人気ですが、地球館地下3階にも体験して楽しめるしか
けがたくさんありますので、ぜひ親子で訪れてみてください。
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◆ 上野散策 ◆
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都立白鴎高校
事業推進部 石川 昇
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上野散策は当館から徒歩30分以内という範囲で紹介していますが、今回、は
じめて高校を紹介します。JR上野駅から浅草通りを浅草方面へ進みます。地下
鉄銀座線稲荷町駅の角を左折、2本目の通りを左折すると右側に白鴎高校があ
ります。併設する付属中学校は少し東にあります。
白鴎高校は1888(明治21)年、東京府高等女學校として開校、1900年東京府
立第一高等女學校と改称、戦後、東京都立第一高等女學校、東京都立第一女子
新制高等学校、そして、1950(昭和25)年、白鴎高校と改称、男女共学になり
ました。2005(平成17)年には附属中学校を併設し、都内初の中高一貫校にな
りました。かつては「浅草の一女」とも呼ばれ、「おていちゃん」こと女優沢
村貞子の通学した学校として有名でした。
この学校の特徴として邦楽の教育に力を入れています。授業で三味線や長唄、
サークル活動で和太鼓や長唄三味線が行われています。校舎の外で、風情のあ
る優雅な音が聞こえてくることもあります。
白鴎高校は沢村貞子のほか、文芸、芸能を中心に数多くの著名な卒業生を輩
出しています。文芸では芝木好子、田村俊子、立原えりか、石垣綾子、漫画家
で池田理代子、芸能では奈良岡朋子、野沢那智、柴俊夫などがいます。上野松
坂屋前にある着物の鈴乃屋本店の会長、小泉清子さんも同校の出身です。
以上は白鴎高校・付属中学校のホームページから情報をいただきました。す
ばらしいホームページです。
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◆ お知らせ ◆
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【特別展「大哺乳類展‐海のなかまたち」】
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化石、はく製、骨格など約150点もの標本を通して、海棲哺乳類の進化と生態
の謎に迫ります。会場では、クジラの歯に触れたり、イルカやクジラの声を聞
けたりと、家族で楽しめる見どころがいっぱい。
【開催期間】 平成22年7月10日(土)〜9月26日(日)
詳しくは下記をご覧下さい。
http://www.kahaku.go.jp/exhibitions/ueno/special/2010/mammal/umi/index.html
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【2010夏休みサイエンススクエア】
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7月27日から8月22日まで、恒例の夏休みサイエンススクエアを開催します。
今年は45団体54企画が皆さんを待っています!お馴染みの企画や、昨年度ご好
評いただいた企画のほかに12企画が新たに加わります。
【開催期間】平成22年7月27日(火)〜8月22日(日)※月曜は閉室
詳しくは下記をご覧下さい。
http://www.kahaku.go.jp/event/2010/07science/index.html
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【夏休み限定スタンドCAFEがオープンしました!!】
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暑い夏にご来館くださるみなさまのために、夏休み限定スタンドCAFEを
ご用意いたしました!カキ氷やシェイク、コーヒードリンクなど取り揃えて待
ちしております。館内をご覧になってひと休みにぜひご利用ください!!
*建物内へのご飲食物のお持ち込みはできません。
【期 間】平成22年7月31日(土)〜9月5日(日)
↓メニューなど詳しくはこちらをご覧下さい↓
http://www.kahaku.go.jp/event/2010/pdf/08cafe.pdf
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【自然観察会「鉱物観察会」 参加者募集】 <ご案内>
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9月に開催される自然観察会「鉱物観察会」のお知らせです。北海道の自然
の中で鉱物の観察を行い、地球という星の成り立ちや環境への関わり、そして
私たち人間生活への関わりについて学びます。興味のある方、是非ご参加お待
ちしております。
【日 程】 平成22年9月11日(土)〜9月12日(日)
↓詳細はこちらから
http://www.kahaku.go.jp/event/all.php?date=20100911
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【2010植物園フェスタ:筑波実験植物園】
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7月21日から8月31日まで、植物園フェスタを開催します。海藻の押し葉標
本はがきや葉脈の標本しおり作りなど、お子様から大人の方まで楽しんでいた
だけるイベントを中心に、ウォークラリークイズや植物と虫の関係を探る展示
・講座など、さまざまなイベントを開催いたします。
【開催期間】平成22年7月21日(水)〜8月31日(火)※月曜休園
詳しくは下記をご覧下さい。
http://www.tbg.kahaku.go.jp/event/2010/07festa/
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【科博NEWS展示 重要文化財 紙張子製地球儀・天球儀特別公開
江戸時代の天文学者『渋川春海』】
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重要文化財である、渋川春海作の紙張子製地球儀及び紙張子製天球儀(実物)
を特別公開します。渋川春海に関係した星図・暦等の資料を展示して、パネル
による解説を用いて「渋川春海」の業績を紹介します。
本物を目の当たりにしながら、作製された背景や資料の重要性を感じてみま
せんか。
【会 期】 平成22年6月8日(火)〜9月5日(日)
ただ今、QRコード使用アンケート実施中です。コメントを送って、特製携帯
待ち受け画像をゲットしませんか?
↓こちらのページをご覧下さい。
http://www.kahaku.go.jp/event/2010/06shibukawa/
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【かはく生物多様性シリーズ2010】
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2010年が国連の定める国際生物多様年であることにちなみ、「かはく生物多
様性シリーズ2010」として各種の展覧会やイベントを実施いたします。
平成22年3月13日(土)〜12月26日(日)
詳しくは下記をご覧ください。
http://www.kahaku.go.jp/event/2010/tayousei/index.html
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【ホットニュース最新号をアップしました!】
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ホットニュースの最新号『生き物から教えてもらう技術 !---「バイオミメ
ティクス」研究最前線』をHP公開しました。
オリンピックの際に、サメの肌に似た素材の水着の着用で記録が伸びた!と
いう話題を耳にした方も多いでしょう。この「生き物の特徴を真似て新しいモ
ノを開発する」という研究が、「バイオミメティクス」の研究です。
今回のホットニュースでは、とても興味深い「バイオミメティクス」研究に
ついて、具体的な例を含めて紹介します。
↓最新号ページはこちら
http://www.kahaku.go.jp/userguide/hotnews/index.php
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【雑誌milsil(ミルシル)通巻16号と定期購読について】
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特集は「南極−地球環境の変動を探る」です。
様々な視点から南極を明らかにする本号をお楽しみ下さい。
発行日 :平成22年7月1日(木)
販売場所:当館ミュージアムショップ(日本館地下1階)
ジュンク堂書店池袋本店 (東京都豊島区南池袋2-15-5)
明正堂アトレ上野店 (JR上野駅内)
定 価 :400円(税込)
定期購読やバックナンバーなど詳細については下記をご覧下さい。
http://www.kahaku.go.jp/userguide/book/milsil/index.html
友の会、賛助会員(個人特別会員)の方には無料でミルシルをお届けしてい
ます。
詳細については下記をご覧下さい。
(友の会)http://www.kahaku.go.jp/userguide/repeater/index.html
(賛助会員)http://www.kahaku.go.jp/userguide/support/index.html
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【科博のイベント情報紙「kahaku event」8−9月号発行!】
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8−9月号では、現在開催中の展覧会情報や8−9月開催予定のイベントを
紹介しています。
情報紙「kahaku event」(年6回 A4サイズ 6ページ)は、展示や学習
支援活動などの情報を掲載しています。国立科学博物館の施設内等で無料で配
布しています。見学やイベント参加の計画をたてる際にご活用ください。
(「友の会会員」「賛助会員(個人特別会員)」の方には郵送でお届けします。)
詳しくは下記をご覧下さい。
http://www.kahaku.go.jp/news/2010/kahakuevent08/index.html
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◆ 科博関連メディア情報 ◆
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○ 出版物紹介
地学研究部 松原研究員の本が刊行されました。
『鉱物ウォーキングガイド 全国版』松原 聰 著 出版社 丸善
2010年5月発行
・B6判 167ページ 1995円
・ウォーキングを楽しみながら、鉱物散策ができる全国のスポット24ヵ所を
ご紹介します。
http://pub.maruzen.co.jp/book_magazine/news_event/2010/kobutsu_guide_zenkoku.html
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◆ 他館紹介 ◆
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特別展等開催中の上野公園内の文化施設をご案内します。
・国立西洋美術館
「ナポリ・宮廷と美―カポディモンテ美術館展 ルネサンスからバロックまで」
6月26日(土)〜9月26日(日)
http://www.nmwa.go.jp/jp/exhibitions/capo201006.html
・東京国立博物館
特別展「誕生!中国文明」
7月6日(火)〜9月5日(日)
http://www.tnm.go.jp/jp/servlet/Con?pageId=B01&processId=01&event_id=7411
・国際子ども図書館
「日本発☆子どもの本、海を渡る」
2月20日(土)〜9月5日(日)
http://www.kodomo.go.jp/event/exb/bnum/tenji2010-01.html
・東京藝術大学大学美術館
「シャガール ロシア・アヴァンギャルドとの出会い」
7月3日(土)〜10月11日(月・祝)
http://www.geidai.ac.jp/museum/exhibit/2010/chagall/chagall_ja.htm
・上野の森美術館
「山本太郎展」
7月2日(金)〜8月12日(木)
http://www.ueno-mori.org/voca/pw_gallery.html
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★ メール募集中 ★
科博に関する思い出、展示の感想など皆様からのメールをお待ちしておりま
す。(ご感想などについては、このメールマガジンにて紹介させていただくこ
とがあります。なお、お名前は公表しません。)
宛先: magazine@kahaku.go.jp
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◆編集:国立科学博物館 事業推進部 広報・サービス課
◆発行:国立科学博物館
東京都台東区上野公園7−20
◆お問合せ:magazine@kahaku.go.jp
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アドレスをご入力ください。
http://www.kahaku.go.jp/userguide/mailmagazine/index.html
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