第322号
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科博メールマガジン第322号
発行日:2009年8月13日
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☆★☆ 祝 メールマガジンご登録者10000人突破 ☆★☆
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台風や地震など自然災害が続き恐い思いをされた方もいるのではないかと思
います。こちら上野も激しい雨が続きましたが、昨日からまた日差しも強くな
りとても暑くなっています。
先週のメールマガジンでは、ご登録者数が10000人を達成したことをお伝えし
ました。今後も当館のメールマガジンを皆様のご友人や学校・会社などの方に
もおすすめいただけると大変嬉しく思います。
※ 科博メールマガジンは、国立科学博物館が毎週木曜日に発行しています。
※ このメールマガジンは等幅フォントでご覧ください。
▼- 目 次 -▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼
■ エッセイ 「絶海の孤島「北硫黄島」での野外調査」
■ 常設展示紹介 「宇宙実験・観測フリーフライヤー」
■ ボランティアだより 「私の宝物」
■ お知らせ
■ 科博関連メディア情報
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◆ エッセイ ◆
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絶海の孤島「北硫黄島」での野外調査
植物研究部 大村 嘉人
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6月に北硫黄島の地衣類調査に行ってきました。
小笠原諸島の一つである北硫黄島は、海岸線の長さが8kmしかありませんが
標高は792mあり、洋上にそびえ立つ存在感のある島です。北硫黄島は戦後から
無人島となっており、小笠原でしか見られない固有の生物など貴重な自然が多
く残っていると期待されていますが、一部を除いて詳しいことはまだよく分か
っていません。
この調査では、首都大学東京と広島大学の合同調査に科博の菌類研究者が参
加し、計9名からなる調査隊が組まれました。私の通常の野外調査では、車で
の移動と登山道を歩いて目的地まで行くことが多いのですが、今回はそうはい
きません。
北硫黄島には父島から漁船をチャーターして行きます。ところが、島の周辺
は磯波が高く、岩礁にも阻まれて船を接岸することができないのです。そのた
め、船から島へはダイバーが張ってくれたロープを頼りに、泳いで上陸します。
食料や調査用具なども箱に浮かべて、海からバケツリレーで陸揚げします。そ
の後、山の中腹のベースキャンプまで20〜30kgほどある荷物を背負って、ヤブ
をこぎ、崖を越えて、道なき道を進んでいきます。直射日光があたり、風が止
まると蒸し風呂状態となり、熱中症になる危険と隣り合わせでした。
幸い全員ケガもせず5日間の調査を終えて、再び泳いで船に戻り、貴重なサ
ンプルを無事に持ち帰ることができました。
かくして完成する地衣類標本は、研究利用のためにこれから世界各地へ旅を
続けていくことでしょう。
http://www.kahaku.go.jp/research/researcher/researcher.php?d=ohmura-y
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◆ 常設展示紹介 ◆
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宇宙実験・観測フリーフライヤ (地球館2F「科学と技術の歩み」フロア)
事業推進部 内尾 優子
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地球館2F中央付近に展示されている、金色や銀色に光る大きな物体は、「宇
宙実験・観測フリーフライヤ(SFU:Space Flyer Unit)」です。1995年3月
18日にH-IIロケット3号機により種子島宇宙センターから打上げられ、約10ヶ
月間宇宙で実験を行った後、1996年1月13日、スペースシャトル「エンデバ」
号で、若田光一宇宙飛行士が操作したロボットアームにより回収された実物を
展示しています。
展示されているのはSFUの本体部分(直径約4.7m×高さ約2.5m)で、宇宙環
境の観測や微小重力下での実験など、宇宙ならではの実験を行うためなど11の
装置からなっています。展示にはありませんが、実際には羽のように太陽電池
パドル(最大展開時長さ24.4m×幅2.36m)が付いていました。その様子をイメ
ージできるように、この展示の後ろの柱には、太陽電池のついた状態をグラフ
ィックで紹介しています。
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◆ ボランティアだより ◆
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私の宝物
教育ボランティア 小池 玲子
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ある日のことです。館内の撮影をして良いか聞いてきた韓国人の青年がいま
した。私が、あなたの国に行ったことがあると言うと、ニコニコしながらティ
ーバッグのお茶を一つくれました。独学で覚えたのでお粗末な発音ですが、そ
こに書かれているハングル文字を私が読むと、今度は手を叩いて喜んでくれま
した。そして「ありがとう」の言葉を残して去っていきました。私は「カムサ
ハムニダ」と、その背中を見送りました。
今でも、あの時のティーバッグは私の宝物として部屋に飾ってあります。
ボランティアになって三年目。上野に向かう日の朝、私はあのティーバッグ
を見て初心を思い出すのです。それは、さり気ない気配りのできるボランティ
アでありたいということです。そして、来館者の方の「ありがとう」に、私も
「ありがとう」と言える気持ちを失わずにいたい、と改めて思うのです。
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◆ お知らせ ◆
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【「熱帯雨林の特殊な環境で生きる植物」を公開】
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筑波実験植物園の熱帯雨林温室では、木の上や水の中といった特殊な環境で
生きる熱帯植物をご覧いただくコーナーを8月15日(土)から公開いたします。
「動けない」という宿命を負った植物が、極限の環境をしのぐためにどのよう
な進化を繰り広げたかを感じていただくことのできる、 ユニークな展示です。
展示コーナーではいま、世界でも珍しい黒いラン「シンビジウム・ カナリク
ラツム」、フィリピンの絶滅危惧種「バンダ・サンデリアナ」、もっとも原始
的なサトイモ科「ギムノスタキス」などが咲いています。
ご来園お待ちしております。
【会 場】 国立科学博物館 筑波実験植物園(茨城県・つくば市)
熱帯雨林温室1階
【開園時間】 午前9時〜午後4時30分
夏休み期間中の8月31日までは午後5時まで30分延長します。
入園は各閉園時間の30分前まで。
【休 園 日】 毎週月曜日、祝日の翌日
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【ホットニュース第28回速報をアップしました】
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『夏休み、生き物たちに親しもう! ― 生き物の『多様性』のひみつ(Part
1)』を公開しました。
今回の概要
一歩家から外に出れば(時として家の中でさえ)私たちの周囲は生き物たち
であふれています。
私たちを取り巻く日本の自然の特徴や,自然観察を楽しむコツを知っていま
すか?
今回と次回は2回連続で、日本の自然と生物の多様性についてご紹介します。
詳しくは下記をご覧下さい。
http://www.kahaku.go.jp/userguide/hotnews/index.php
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【2009秋 上野の山文化ゾーンフェスティバル講演会】
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上野の山文化ゾーンフェスティバルは、毎年秋に、上野の山の博物館、美術
館、動物園、音楽ホールなどが、一斉に企画展やイベントを開催するものです。
国立科学博物館では、開催中のシカン展に関連した講演会を開催します。
詳しくは下記をご覧下さい。
http://www.kahaku.go.jp/event/all.php?date=20090905
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【科博NEWS展示『危険な海の生き物たち』】
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内臓のみならず体全体に毒を持つフグ、「ドクサバフグ」。熱帯のフグです
が、近年、日本南部の近海でも見られるようになりました。無毒の近縁種と外
見が良く似ており、誤って食べての中毒も発生しています。
海のレジャーが楽しいこの季節、身近な海岸でも様々な海の生き物と出会う
ことができます。しかしその中のごく一部ですが、有毒な器官でヒトを刺した
り、咬んだりする危険な生き物もいます。
NEWS展示『危険な海の生き物たち』では、食べると危ない、触ると危ない海
の生き物たちを実物標本で紹介します。
彼らの姿を良く覚えておいて、安全に海を楽しんでください。
詳しくは下記をご覧下さい。
http://www.kahaku.go.jp/event/2009/07seadanger/
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【特別展「インカ帝国のルーツ 黄金の都シカン」】
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日本人によって発掘された古代文化「シカン」。これまでの30年間の発掘史
を、ペルー国内にある貴重な考古遺物約200件や、発掘現場の映像やCGを3D
化したシアターで紹介します。今ここに、1000年の眠りから覚めた、アンデス
の古代黄金文明の全貌が明らかになります。
また、小・中学生の皆さんにシカン土器を楽しく学んでいただくために、当
館教育ボランティアがワークショップを開催します。是非この機会に体験して
みてください。
詳しくは下記をご覧下さい。
http://www.tbs.co.jp/sicanten/
シカン土器レプリカ製作体験についてはこちらをご覧下さい。
http://www.kahaku.go.jp/exhibitions/ueno/special/2009/sican/special.html
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【2009夏休みサイエンススクエア】
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8月23日まで、恒例の夏休みサイエンススクエアを開催します。今年はさら
に企画数を増やし42団体56企画となりました。お馴染みの企画や、昨年度ご好
評をいただいた企画のほかに24企画が新たに加わります。
詳しくは下記をご覧下さい。
http://www.kahaku.go.jp/event/2009/07science/index.html
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【ルーシーと私の楽しむカガクの時間2009@サイエンスミュージアム】
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今年も開催!女子中高生のためのカガクするイベント。ミュージアムでカガ
クが身近になる、カガクするってかっこいい、そう思ったら参加しよう!3つ
のイベントをぞくぞく開催!
詳しくは下記をご覧下さい。
http://www.kahaku.go.jp/event/2009/07lucy/index.html
携帯サイト
http://www.portable.kahaku.go.jp/lucy/index.html
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【「アロサウルスと甑島の恐竜化石‐科博コラボ・ミュージアムin
薩摩川内市‐」の開催について】
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昭和39年(1964年)に、日本で初めて展示された恐竜の全身骨格“アロサウ
ルス”を薩摩川内市で展示します。併せて薩摩川内市の下甑島で発見された恐
竜化石を初公開します。
詳しくは下記をご覧下さい。
http://www.kahaku.go.jp/event/2009/07allosaurus/index.html
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◆ milsil紹介(2009年 No4) ◆
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7月1日、雑誌「milsil(ミルシル)」(年6回刊行)の2009年4号が発行
されました。
2009年4号の特集は「光と色を利用する昆虫たち」です。
定期購読やバックナンバーなど詳細については下記をご覧下さい。
http://www.kahaku.go.jp/userguide/book/milsil/index.html
友の会、賛助会員(個人特別会員)の方には無料でミルシルをお届けしてい
ます。
詳細については下記をご覧下さい。
(友の会)http://www.kahaku.go.jp/userguide/repeater/index.html
(賛助会員)http://www.kahaku.go.jp/userguide/support/index.html
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【科博のイベント情報紙「kahaku event」7-8月号発行!】
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7−8月号では、9−10月開催のイベントを紹介しています。
今回の表紙は、金魚。艶やかな様子をお楽しみください。
情報紙「kahaku event」(年6回 A4サイズ 6ページ)は、展示や学習
支援活動などの情報を掲載しています。国立科学博物館の施設内等で無料で配
布しています。見学や行事参加の計画をたてる際にご活用ください。
(「友の会会員」「賛助会員(個人特別会員)」の方には郵送でお届けします。)
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【「月の石」の常設展再公開とミニ企画展「名物展示 月の石」開催】
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1970年より国立科学博物館で常設展示され、上野本館のリニューアルのため
収蔵庫に保管されていた「月の石」を、再度常設展示します。この機にあわせ、
名物展示として月の石にまつわる話を関連資料で紹介するミニコーナーを期間
限定で設けます。
詳しくは下記をご覧ください。
http://www.kahaku.go.jp/event/2009/03moon/index.html
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◆ 科博関連メディア情報 ◆
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○ 8月17日(月)〜21日(金) 6:45〜7:30
放送局 : テレビ東京
番組名 : おはスタ(こども向け番組)
5日間に渡って当館が紹介されます。
詳しくはこちらをご覧下さい。
http://www.tv-tokyo.co.jp/oha/
○ 8月27日(木) 19:30〜20:00
放送局 : NHK
番組名 : 「プライミーバル」第2章放送直前スペシャル(仮)
地学研究部 冨田研究主幹が出演します。
※放送日時、放送局は、関東地区を基準に記載しています。
放送予定ですので、放送局の都合により、変更・中止の場合もあります。
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♪::☆::メールマガジン特製壁紙(8月カレンダー付き)プレゼント::☆::♪
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ご好評につき、「国立科学博物館特製8月カレンダー付きデスクトップ壁紙」
をプレゼントいたします。
(2009年8月28日までダウンロードできます。)
詳細はこちらです。↓
http://www.kahaku.go.jp/news/2009/kabegami08/index.html
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★ メール募集中 ★
科博に関する思い出、展示の感想など皆様からのメールをお待ちしておりま
す。(ご感想などについては、このメールマガジンにて紹介させていただくこ
とがあります。なお、お名前は公表しません。)
宛先: magazine@kahaku.go.jp
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◆編集:国立科学博物館 事業推進部 広報・サービス課
◆発行:国立科学博物館
東京都台東区上野公園7−20
◆お問合せ:magazine@kahaku.go.jp
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http://www.kahaku.go.jp/userguide/mailmagazine/index.html
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