第319号
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科博メールマガジン第319号
発行日:2009年7月23日
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昨日の皆既日食は、46年ぶりに日本の陸地で観察ができるということもあり、
多くの方が関心をもっていたことだと思います。皆様は皆既日食の瞬間をテレ
ビや新聞などでご覧になられたでしょうか。当館では、部分日食の観察会は、
あいにくのお天気で中止になってしまいましたが、皆既日食の実況中継は開催
いたしました。太陽が月に隠れる瞬間や月から太陽が出る瞬間に光り輝くダイ
ヤモンドリングが見えた時は、会場内から歓声が上がりました。次回日本の陸
地で見られる皆既日食は、26年後の2035年9月2日です。
※ 科博メールマガジンは、国立科学博物館が毎週木曜日に発行しています。
※ このメールマガジンは等幅フォントでご覧ください。
▼- 目 次 -▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼
■ 科博あれこれ 「ヒザラガイの缶詰」
■ 上野散策 「谷中の防災広場「初音の森」」
■ お知らせ
■ 科博関連メディア情報
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◆ 科博あれこれ ◆
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ヒザラガイの缶詰
動物研究部 齋藤 寛
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科博の動物研究部長を勤めた故波部忠重先生は世界的に著名な貝類研究者で
した。波部先生は標本を収集するかたわら貝類に関連する様々なものを集めら
れ、楽しく紹介して貝類学の普及に努められました。収集品のいくつかは標本
庫に保管されていますが、そのひとつに、ヒザラガイ缶詰の缶があります。ヒ
ザラガイを食べる地方は少なくありませんが、身が堅く、アワビやサザエのよ
うに全国的に広く食されているものではありません。この缶詰は戦後の食糧難
の時代に対馬で生産されたもののようです。ラベルには紛れもないヒザラガイ
の絵と「くずま味付け(ひざらがい)」と名称が大きく印刷され、中身を偽る
ことなく売られていたことがわかります。いったいどんな味だったのか、食べ
てみたいところですが、現在ではもう手に入らないのではないかと思います。
中国や韓国では瓶詰が売られているという情報もありますが、私はまだ見たこ
とがありません。もしヒザラガイ類の缶詰(瓶詰)についてなにか情報をお持
ちでしたらお知らせいただけると幸いです。
http://www.kahaku.go.jp/research/researcher/researcher.php?d=h-saito
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◆ 上野散策 ◆
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谷中の防災広場「初音の森」
事業推進部 石川 昇
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前々回から谷中を歩いています。前々回は観音寺の築地塀、前回はそこから
蛍坂を散策しました。
築地塀を進み右折して蛍坂を進み、歩きながら左側に見える広場が防災広場
「初音の森」です。蛍坂の途中から左折して階段を下りていきましょう。
広場は休日であればたくさんの親子や子どもたちが球技などを楽しんでいま
す。蛍坂から下りてきた道の広場の向かい側は谷中コミュニティセンターで、
こちらも休日には多くの人の出入りがあります。
下りてきた道は十字路になります。右折していくと谷中銀座、左折して広場
の前を進むと三崎坂になります。直進してさらに下りていくと不忍通りです。
広場の入口には「防災広場 初音の森」という看板がかかっています。防災
施設があるとともに、芝生が貼られ、たいへん広々として、気持ちのよい空間
です。東側の広場の縁は森になって、かつ高くなり、台地になっていることが
わかります。広場中央の右手に施設があるので、近づくと「災害対策用深井戸」
と書かれていました。その先の右手は高くなり、金網の塀の先はお寺でした。
この十字路の広場側の位置にはかつてセブンラックススポーツセンターとい
う建物がありました。セブンラックスとは七福神のことです。谷中には江戸時
代から七福神めぐりがあり、そこから名前をとったものと思われます。それに
しても数年前、この一角に広大な広場が出現したときは驚きました。
なお、「初音」という名前はウグイスやホトトギスの年の初鳴きなどのこと
ですが、谷中6丁目となっているこのあたりが「谷中初音町」であったことに
由来していると思われます。日暮里駅の近くには「初音小路」という居酒屋街
があり、上野散策第136号で散策しました。三崎坂に面しては「初音山観音院」
という寺があり、境内に「初音幼稚園」、寺の前に「初音六地蔵」があります。
町名が変わって40年ほど経つというのに、通りの掲示板などに町会の名前で
「谷中初四町会」や「初三親和会」があります。広場ができたときに「初音」
の名が付いて嬉しかった人も多いのでしょう。また、この森ならウグイスが来
て初鳴きをするかもしれないと思いました。
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◆ お知らせ ◆
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【産業技術史資料情報センター ホームページリニューアルのお知らせ】
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産業技術史資料情報センターのホームページが新しくなりました。
日本の産業技術史に関する所在情報をデータベースとして公開しています。ま
た、「産業技術史講座」や年に数回行う「企画展」など盛りだくさんの情報を
掲載しています。
皆様からのアクセスをお待ちしております!
産業技術史資料情報センターのホームページはこちらです。
http://sts.kahaku.go.jp/
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【科博NEWS展示『危険な海の生き物たち』】
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内臓のみならず体全体に毒を持つフグ、「ドクサバフグ」。熱帯のフグです
が、近年、日本南部の近海でも見られるようになりました。無毒の近縁種と外
見が良く似ており、誤って食べての中毒も発生しています。
海のレジャーが楽しいこの季節、身近な海岸でも様々な海の生き物と出会う
ことができます。しかしその中のごく一部ですが、有毒な器官でヒトを刺した
り、咬んだりする危険な生き物もいます。
NEWS展示『危険な海の生き物たち』では、食べると危ない、触ると危ない海
の生き物たちを実物標本で紹介します。
彼らの姿を良く覚えておいて、安全に海を楽しんでください。
【会 場】 国立科学博物館(東京・上野公園)
地球館1階『地球の多様な生き物たち』展示室内
【開催期間】 平成21年7月14日(火)〜9月6日(日)*会期中無休
【開館時間】 午前9時〜午後5時 金曜日は午後8時まで
8月8日(土)〜8月16日(日)は午後6時まで(14日は8時まで)
入館は各閉館時間の30分前まで。
詳しくは下記をご覧下さい。
http://www.kahaku.go.jp/event/2009/07seadanger/
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【つくば植物園 植物園フェスタ2009】
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8月2日(日)まで、「植物園フェスタ2009」を開催しております。
「葉脈の標本しおりを作ろう」や「植物の押し葉しおりを作ろう」など、体験
イベントはお申し込み無しで当日参加できます。クイズラリー「葉っぱ調査隊」
に挑戦して、楽しみながら植物の葉の見分け方を勉強したり、展示「植物の大
冒険」では、たねの模型を飛ばして遊んでみませんか。
大人も子どもも楽しめる「植物園フェスタ」にぜひお越し下さい。
【会 場】 国立科学博物館 筑波実験植物園(茨城県・つくば市)
【開催期間】 平成21年7月18日(土)〜平成21年8月2日(日)
【開催時間】 午前10時〜午後3時30分まで
【休 園 日】 7月21日(火)、7月27日(月)
【主 催】 国立科学博物館 筑波実験植物園
*開園時間は午前9時〜午後5時00分までで、開園を30分延長致します。
(入園は午後4時30分まで)
詳しくは下記をご覧下さい。
http://www.tbg.kahaku.go.jp/event/topics/2009/festa.pdf
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【特別展「インカ帝国のルーツ 黄金の都シカン」
シカン土器レプリカ製作体験】
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文字を持たなかったシカン文化を読み解く、貴重な手がかりとなるのが土器
です。シカン文化の土器は、型どりで作る方法や手びねりで作る方法がありま
した。
小・中学生の皆さんにシカン土器を楽しく学んでいただくために、当館教育
ボランティアがシカン土器に関するお話をするとともに、実際に土器のレプリ
カを石膏で簡単に製作するワークショップを開催します。是非この機会に体験
してみてください。
詳しくはこちらをご覧ください。
http://www.kahaku.go.jp/exhibitions/ueno/special/2009/sican/special.html
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【附属自然教育園ホームページリニューアルのお知らせ】
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附属自然教育園のホームページが新しくなりました。
園内の「見頃情報」を、「リアルタイムに」「見やすく、わかりやすく」知る
ことができるホームページになっています。
最新の園内の四季折々の様子を「植物見頃情報」として、毎週更新、桜及び
紅葉の時期には、「桜開花情報」・「紅葉とれたて情報」として、2〜3日毎
に更新とし、自然教育園の日々の移り変わりを詳しく紹介していきます。
皆様からのアクセスをお待ちしております!
附属自然教育園のホームページはこちらです。
http://www.ins.kahaku.go.jp/
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【2009夏休みサイエンススクエア】
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8月23日まで、恒例の夏休みサイエンススクエアを開催します。今年はさら
に企画数を増やし42団体56企画となりました。お馴染みの企画や、昨年度ご好
評をいただいた企画のほかに24企画が新たに加わります。主な企画は次の通り
です。
1.実験:おもしろメカニカルワールド「環境について考えよう」、はてな?
なるほど!電気ゼミナール「静電気ってなんだろう」、ジュニア水質調査隊な
ど13企画。2.観察:この虫なんだ?土の中、化石のレプリカつくり、魔法の
分子シクロデキストリンなど11企画。3.工作:「電子ほたる」をつくろう、
技術の達人によるものづくり教室「竹のけん玉」、指のレプリカをつくろう、
ちきゅうにわくわくなど21企画。4.その他:遊びの科学技術、パソコンで飛
行機を飛ばそう、親子で探検これが縄文むらだ!など11企画。 この夏休みは、
ご家族揃って国立科学博物館へお越しください。
詳しくは下記をご覧下さい。
http://www.kahaku.go.jp/event/2009/07science/index.html
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【ルーシーと私の楽しむカガクの時間2009@サイエンスミュージアム】
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今年も開催!女子中高生のためのカガクするイベント。ミュージアムでカガ
クが身近になる、カガクするってかっこいい、そう思ったら参加しよう!3つ
のイベントをぞくぞく開催!
詳しくは下記をご覧下さい。
http://www.kahaku.go.jp/event/2009/07lucy/index.html
携帯サイト
http://www.portable.kahaku.go.jp/lucy/index.html
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【「アロサウルスと甑島の恐竜化石‐科博コラボ・ミュージアムin
薩摩川内市‐」の開催について】
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昭和39年(1964年)に、日本で初めて展示された恐竜の全身骨格“アロサウ
ルス”を薩摩川内市で展示します。併せて薩摩川内市の下甑島で発見された恐
竜化石を初公開します。
詳しくは下記をご覧下さい。
http://www.kahaku.go.jp/event/2009/07allosaurus/index.html
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◆ milsil紹介(2009年 No4) ◆
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7月1日、雑誌「milsil(ミルシル)」(年6回刊行)の2009年4号が発行
されました。
2009年4号の特集は「光と色を利用する昆虫たち」です。サイエンス・イン
タビューでは、先日、クラフォード賞を受賞した岸本忠光教授に、「インター
ロイキン6」について話を伺っています。目にやさしい色合いのモンシロチョ
ウが表紙を飾っています。是非、ご一読下さい。
定期購読やバックナンバーなど詳細については下記をご覧下さい。
http://www.kahaku.go.jp/userguide/book/milsil/index.html
友の会、賛助会員(個人特別会員)の方には無料でミルシルをお届けしてい
ます。
詳細については下記をご覧下さい。
(友の会)http://www.kahaku.go.jp/userguide/repeater/index.html
(賛助会員)http://www.kahaku.go.jp/userguide/support/index.html
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【科博のイベント情報紙「kahaku event」7-8月号発行!】
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7−8月号では、9−10月開催のイベントを紹介しています。
今回の表紙は、金魚。艶やかな様子をお楽しみください。
情報紙「kahaku event」(年6回 A4サイズ 6ページ)は、展示や学習
支援活動などの情報を掲載しています。国立科学博物館の施設内等で無料で配
布しています。見学や行事参加の計画をたてる際にご活用ください。
(「友の会会員」「賛助会員(個人特別会員)」の方には郵送でお届けします。)
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【「月の石」の常設展再公開とミニ企画展「名物展示 月の石」開催】
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1970年より国立科学博物館で常設展示され、上野本館のリニューアルのため
収蔵庫に保管されていた「月の石」を、再度常設展示します。この機にあわせ、
名物展示として月の石にまつわる話を関連資料で紹介するミニコーナーを期間
限定で設けます。
詳しくは下記をご覧ください。
http://www.kahaku.go.jp/event/2009/03moon/index.html
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【特別展「インカ帝国のルーツ 黄金の都シカン」】
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日本人によって発掘された古代文化「シカン」。これまでの30年間の発掘史
を、ペルー国内にある貴重な考古遺物約200件や、発掘現場の映像やCGを3D
化したシアターで紹介します。今ここに、1000年の眠りから覚めた、アンデス
の古代黄金文明の全貌が明らかになります。
詳しくは下記をご覧下さい。
http://www.tbs.co.jp/sicanten/
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◆ 科博関連メディア情報 ◆
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○ 7月26日(日) 14:00〜15:54
放送局 : TBSテレビ
番組名 : 古代アンデス大発掘 地底のメッセージ〜黄金国家シカ
ンと格闘した30年〜
ナビゲータは関口宏さんです。
詳しくはこちらをご覧下さい。
http://www.tbs.co.jp/sicanten/tv/
○ 8月8日(土) 21:00〜21:54
放送局 : TBSテレビ
番組名 : 世界ふしぎ発見! 「黄金大仮面が語り出す幻の都・シ
カンの秘密」
黄金大仮面の細部を追っていくことで、シカン文化の全
容を掴む、というものです。シカンに生きた人々が、何
を思い、何を大切にして生きていたのか、それを仮面か
ら紐解きます。
詳しくはこちらをご覧下さい。
http://www.tbs.co.jp/f-hakken/
※放送日時、放送局は、関東地区を基準に記載しています。
放送予定ですので、放送局の都合により、変更・中止の場合もあります。
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★ メール募集中 ★
科博に関する思い出、展示の感想など皆様からのメールをお待ちしておりま
す。(ご感想などについては、このメールマガジンにて紹介させていただくこ
とがあります。なお、お名前は公表しません。)
宛先: magazine@kahaku.go.jp
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◆編集:国立科学博物館 事業推進部 広報・サービス課
◆発行:国立科学博物館
東京都台東区上野公園7−20
◆お問合せ:magazine@kahaku.go.jp
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アドレスをご入力ください。
http://www.kahaku.go.jp/userguide/mailmagazine/index.html
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