第271号
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科博メールマガジン第271号
発行日:2008年8月21日
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8月も後半に入り、特に生徒・学生の方にとっては楽しい夏休みが終わろう
としていますが、皆様は充実した夏休みをお過ごしになったでしょうか?
当館で行っている各種イベントにも多くの方がご参加いただいており、館内
はとてもにぎやかです。まだまだ暑い日が続いていますが、当館では、今年、
地球館横に臨時売店を設置しました。かき氷や生果汁ドリンクなど夏にはうれ
しいメニューがあります。展示を見て少し一息つきたいときにぜひご利用下さ
い。
臨時売店は、7月25日〜9月7日(9月1日休館日を除く)まで、10時〜
16時30分までの営業です。
* 科博メールマガジンは、国立科学博物館が毎週木曜日に発行しています。
▼- 目 次 -▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼
■ 館長室から 「博物館への支援」
■ エッセイ 「マダラコウラナメクジ」
■ ボランティアだより 「皇居のタヌキ!! タヌキ?」
■ お知らせ
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◆ 館長室から ◆
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博物館への支援
国立科学博物館長 佐々木 正峰
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博物館を外部から利用する人々には、直接目に触れる展示や教育活動がいか
に充実しているかに関心が集まり、それ以外の活動は見えにくいものです。標
本資料の収集・保管や調査研究のように一般の人々には見えにくい活動につい
ても、広報等により周知を図り、博物館の活動全般について広く人々の理解を
得ることが求められます。その上で博物館は、その活動をより活発に充実した
ものにするためボランティア活動、寄附・寄贈・寄託等広般な社会の支援を得
ることが大切です。
寄附金の増加を図ることは、自己収入を増やす有力な方法です。近年、企業
がその社会的責任として行う芸術文化支援活動(メセナ活動)が次第に充実し
てきました。その推進を目的とする民間企業の連合体として社団法人企業メセ
ナ協議会も存在します。同協議会が実施した2007年度のメセナ活動実態調査
(スポーツ、学術研究、福祉、環境問題への支援は対象外)によると、メセナ
活動の重視点として、地域文化の振興、芸術文化の啓発・普及をあげる企業が
多いのですが、青少年への芸術文化教育がここ数年増加していることが目につ
きます。当館は、賛助会員制度により団体、個人を問わず広く寄附を募ってい
ますが、メセナ活動を通じて企業が得たこととして、地域との関係がより深ま
った、企業イメージやブランド価値が向上した、自社について広く知られるよ
うになったなどをあげる企業が多く、この観点から賛助会員制度の運用を工夫
することも必要だと思います。
寄贈や寄託は、標本資料の収集・保管と展示等を行う博物館にとって大変重
要なことです。充実したコレクションを形成するためには、採集や購入に要す
る経費を確保することは勿論ですが、標本資料を所蔵する組織や個人との信頼
関係を築き、寄贈や寄託につなげていくことが望まれます。また、散逸等の恐
れがある標本資料の受け皿となれる体勢を整えておくことも肝要です。
博物館ボランティアは、年々充実して年成17年度社会教育調査によると、登
録制度のある博物館は35%弱(416館)、登録者数は約27,600人になっています。
当館も、教育ボランティア制度、植物園ボランティア制度を導入しており、円
滑な館運営に欠かせない存在です。
このように広く社会の支援を得ることが重要な課題であることを踏まえ、当
館は社会との関係性を一段と強め支援の拡充に努めていきたいと思います。
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◆ エッセイ ◆
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マダラコウラナメクジ
動物研究部 長谷川 和範
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人間の活動の急速なグローバル化に伴って、様々な動植物が世界のあちこち
に伝播されることは一般的となっています。
最近、私自身も興味深い例に巡り会いました。始まりは、2年前の夏休み、当
時小学生の息子へ土浦市にお住まいの担任の先生から届いた暑中見舞いに貼ら
れていた一枚の巨大ナメクジの写真でした。庭で見つけられたという、いかに
もエキゾチックな豹柄模様のそれは、話題の「へんないきもの」(続編)にも
紹介されているヨーロッパ産のマダラコウラナメクジに間違いありませんでし
た。再び現れた際には捕獲していただくようお願いしていたところ、昨年の夏
に、今度は多数の生きた個体が届けられ、実物で確認した上で標本として保存
することができたのです。
これは日本の野外からの初めての記録となります。さらに、研究者仲間に情
報を流したところ、同じく土浦市の4 kmほど離れた場所でも繁殖していること
が分かりました。今のところ土浦市以外からは見つかっていませんが、もしお
近くで体長10センチを超える豹柄のナメクジを見かけられたら、ご一報いただ
ければ幸いです。
http://research.kahaku.go.jp/department/zoology/zoology3/hasegawa/index.html
こちらにマダラコウラナメクジの写真を掲載しています。↓
http://www.kahaku.go.jp/news/2008/namekuzi/index.html
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◆ ボランティアだより ◆
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皇居のタヌキ!! タヌキ?
教育ボランティア 吉田 ノリ
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皇居にタヌキが住んでいることをご存じですか?この夏、研究者のお手伝い
で皇居のタヌキの調査に参加いたしました。
調査当日、予定時間より1時間も前から張り切って集合場所へ。所定の手続
きを経て中へ入り、夕食を取りながら調査の仕方の確認をしました。今回の調
査は決められた場所に2時間とどまり、タヌキの移動した方向や、観察できた
行動を記録します。全員の時計を正確にセットして、自分の持ち場へ移動しま
した。
6:30、調査開始です。10分位過ぎると警備の方が「来たよ」と教えてくれま
した。暗くて全く見えずキョロキョロ。何かしっぽの長い動物がのんびりとや
ってきます。「これはタヌキじゃない!」また一匹、これもタヌキじゃない!
私が見たのはハクビシンでした。その後緊張の1時間45分を過ごしましたが、
何事もなく静かに終わってしまいました。
調査後、報告を聞くと、他の地点ではタヌキがいたようです。お目当てのタ
ヌキに会うことが出来ずちょっとがっかりしましたが、とても貴重な経験をす
ることが出来ました。
科博では8月31日まで科博NEWS展示「皇居のタヌキ その生態」を開催して
います。皆さんも是非見に来てください。
http://www.kahaku.go.jp/event/2008/07kahaku_news/index.html
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◆ お知らせ ◆
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【うまみ発見100年記念 うまみ展】
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今から100年前、東京帝国大学(現:東京大学)の池田菊苗(イケダ キクナ
エ)博士により、「甘味・酸味・苦味・塩味」の4つの味に加えて、新たに
「うま味」が発見されました。
本展示では第5の味「うま味」の発見についてや、そのルーツ、また、うま味
調味料の発明から製造技術、なつかしのパッケージや広告(看板)などの展示
も予定しております。是非一度ご覧下さい。
【会 場】 国立科学博物館 (東京・日本橋 三井本館5階)
産業技術史資料情報センター展示ギャラリー
【開催期間】 平成20年8月21日(木)〜8月30日(土) [※期間中は毎日開催]
【開催時間】 午前10時〜午後6時(土日は午後5時まで)
【主 催】 国立科学博物館、日本うま味調味料協会
【入 場 料】 無料
詳しくは下記をご覧下さい。
http://sts.kahaku.go.jp/200808/200808.html
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【特別展「金GOLD 黄金の国ジパングとエル・ドラード展」】
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日本はかつて「黄金の国ジパング」と呼ばれ、現在でも世界有数の金の産出
国であり、身近なところでも金が取れることは意外に知られていません。
金の性質や産地、歴史、利用など多方面にわたる展示を行い、日本が世界に
誇れる金資料について紹介します。
また、日本とコロンビアの外交関係樹立100周年を記念して、エル・ドラード
伝説で有名なコロンビアの至宝を展示します。
【会 場】 国立科学博物館(東京・上野公園)
地球館地下1階特別展示室及び特別展第2展示室
【開催期間】 平成20年7月12日(土)〜9月21日(日)
【開館時間】 午前9時〜午後5時(金曜日は午後8時まで)。
なお、8/9(土)〜8/17(日)は午後6時まで(8/15(金)は午後8時ま
で)。入館は各閉館時間の30分前まで。
【休 館 日】 7月14日(月)、9月1日(月)、9月8日(月)
【主 催】 国立科学博物館、毎日新聞社、NHK、NHKプロモーション
詳しくは下記をご覧下さい。
http://kingold.jp/
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【ルーシーと私の楽しむカガクの時間@サイエンスミュージアム】
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ミュージアムでカガクを楽しみ、体験出来る女子中高生のためのイベント。
カガク?難しくない?と思ってる女の子たちから、どんな仕事があるの?!と
思ってる女の子たち向けのイベントまで。7つのイベントをぞくぞく開催!
TOP http://www.kahaku.go.jp/event/2008/07lucy/index.html
携帯サイト http://www.portable.kahaku.go.jp/lucy/index.html
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【雑誌milsil(ミルシル)4号と定期購読について】
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7月1日、雑誌「milsil(ミルシル)」(年6回刊行)の4号が発行されま
した。 「milsil(ミルシル)」のmil(ミル)は「見てみる」「聞いてみる」
「やってみる」の「ミル」。そのような「ミル」から、新たな、そして豊かな
「知る」(sil(シル))が得られるでしょう。
4号の特集は「海が変わる 海の生物が変わる」。表紙には迫力満点のジン
ベエザメが登場、夏休み前に海の環境変化に注目しています。「親子で遊ぼう
科学冒険隊」ではデジタルカメラで昆虫撮影に挑戦します。特別な道具がなく
ても、驚くほどの昆虫写真が撮れます。ぜひ夏休みの自由研究などでご活用下
さい。
発売日 :平成20年7月1日(火)
頁 数 :本文32ページ(A4版オールカラー)
販売場所:当館ミュージアムショップ(日本館地下1階)、
ジュンク堂書店池袋本店 (東京都豊島区南池袋2-15-5)
明正堂アトレ上野店 (JR上野駅内)
定 価 :400円(税込)
「友の会会員」「賛助会員(個人特別会員)」の方には無料でお届けいたしま
す。(入会時期により、お届けするmilsil(ミルシル) の発行号(送付開始す
る号)が異なります。詳しくは、入会手続き時にご確認ください。)
入会手続きは、当館のホームページをご参照ください。
(友の会)http://www.kahaku.go.jp/membership/index.html
(賛助会員)http://www.kahaku.go.jp/back_up/index.html
なお、バックナンバーをご希望の方は、こちらをご覧下さい。
http://www.kahaku.go.jp/news/2008/milsil/purchase.html
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*「milsil」(ミルシル)定期購読のお知らせ
ミルシルの定期購読をご希望の方は、下記により購読料金をお振込みくださ
い。発行の都度(1年間6回分)、お手元にお届けします。
詳しくはこちらをご覧下さい。
http://www.kahaku.go.jp/news/2008/milsil/purchase.html
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科博イベント情報「kahaku event」04号(8月〜9月)発行!
展示や学習支援活動などの情報を掲載した「kahaku event」(年6回 A4サ
イズ 6ページ)も04号が発行されました。表紙のエッセイとデザインもお楽
しみに! 詳しくはこちらをご覧下さい↓
http://www.kahaku.go.jp/news/2008/kahakuevent04/index.html
「友の会会員」「賛助会員(個人特別会員)」の方には郵送でお届けします。
また、国立科学博物館の施設内や上野駅近隣(松坂屋、上野精養軒、上野公園
案内所等)でも無料で配布します。見学や行事参加の計画をたてるときにご活
用ください。
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◆ 科博関連メディア情報 ◆
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○ 7月7日(月)〜9月29日の毎週月曜日 20:15〜20:45(全13日)
(再放送 毎週火曜日10:15〜10:45)
放送局 : NHKラジオ第2
番組名 : NHKカルチャーアワー 〜人類おもしろ進化学〜
人類学全般をテーマに人類研究部 馬場部長が出演します。
詳しくはこちらをご覧下さい。
http://www.nhk.or.jp/r2bunka/ch01/index.html
○ 9月26日(金) 23:00〜23:30
放送局 : NHK総合
番組名 : 解体新ショー「どうして一重まぶたと二重まぶたがあるの
か」をテーマに人類研究部 馬場部長が出演します。
詳しくはこちらをご覧下さい。 http://www.nhk.or.jp/kaitai/
※放送日時、放送局は、関東地区を基準に記載しています。
放送予定ですので、放送局の都合により、変更・中止の場合もあります。
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☆★ チケットプレゼント ★☆
メールマガジン第239号でご紹介した全国科学博物館協議会加盟館のうち、
下記博物館の招待券を、それぞれ抽選でプレゼントいたします!
ご希望の方は、magazine@kahaku.go.jp 宛に、(1)ご住所(郵便番号) (2)
お名前 (3)ご希望の館名 (4)メールマガジンのご感想 をお書き添えの上、
メールでご応募ください。また、当選発表は発送をもってかえさせていただき
ます。
*旭川市科学館 (5組10名様)
*岩手県立博物館 (2組4名様)
*ミュージアムパーク茨城県自然博物館 (6組12名様)
*群馬県立自然史博物館 (4組8名様)
*神奈川県立生命の星・地球博物館 (5組10名様)
*富山市科学博物館 (10組20名様)
*岐阜市科学館 (4組8名様)
*岐阜県博物館 (5組10名様)
*中津川市鉱物博物館 (5組10名様)
*ディスカバリーパーク焼津 (5組10名様)
*豊橋市自然史博物館 (3組6名様)
*明石市立天文科学館 (3組6名様)
*名古屋市科学館 (6組12名様)
*倉敷市立自然史博物館 (2組4名様)
*防府市青少年科学館ソラール (9組18名様)
*福岡県青少年科学館 (4組8名様)
*宮崎県総合博物館 (5組10名様)
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★ メール募集中 ★
科博に関する思い出、展示の感想など皆様からのメールをお待ちしておりま
す。(ご感想などについては、このメールマガジンにて紹介させていただくこ
とがあります。なお、お名前は公表しません。)
宛先: magazine@kahaku.go.jp
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◆編集:国立科学博物館 広報・サービス部 広報課
◆発行:国立科学博物館
東京都台東区上野公園7−20
◆お問合せ:magazine@kahaku.go.jp
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