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第243号

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  科博メールマガジン第243号          
    発行日:2008年2月7日
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 名物展示第1弾「帰ってきたアロサウルス」展が日曜日に終了し、日本館1階
中央ホールは再びクラシカルな空間をお楽しみいただける状態に戻っています。
 その隣の展示室では「企画展 雷龍の王国ブータン-その多様な自然と人々-」
が開催されています。おすすめの一つとして毎週土・日曜日(10時から16時30
分まで)にブータンの民族衣装を着ることが出来るブースがあります。男性・
女性・子供用があります。民族衣装を着て写真を撮るとブータンの雰囲気をよ
り一層味わうことができるのではないでしょうか。


 * 科博メールマガジンは、国立科学博物館が毎週木曜日に発行しています。

  
▼- 目 次 -▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼


 ■ 館長室から  「「想像力の入口」であるために」 
 ■ 科博あれこれ 「風変わりなギャラリー」
 ■ 上野の鳥   「カモメが嫌い? 森鴎外のペンネーム」
 ■ お知らせ


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◆ 館長室から ◆  
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 「想像力の入口」であるために

                    国立科学博物館長 佐々木 正峰
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当館は、「想像力の入口」をキャッチコピーとし、すべての活動を通して人
々にとって想像力の入口になることを目指しています。特に、展示教育活動に
おいて人々の想像力を刺激し、人々が想像力の翼を拡げられる存在でありたい
と思います。そのため、次のことを大切にしています。

 まず、人々が、感性、好奇心を育て、必要な知識が得られるような新鮮な出
合いを用意することが基本です。人々、特に子ども達は、豊かな感性があって
はじめて好奇心がかきたてられ、科学に興味、関心を持ち、知的なニーズが生
まれます。何度訪れても、感動、驚き、発見等があり、感性が育まれるように
展示教育活動を作っています。

 内容的には、最新の研究成果やこれにより価値づけられた豊富な資料を用い
て、人々が過去を理解し、現在を認識し、未来を展望できるようにしています。
この観点から、環境や生命科学等の現代的課題にも積極的に対応しています。
人々が具体のテーマについて考え、問題意識を共有できるようにするため、解
説等により展示に込めたメッセージが伝わるような配慮をしています。できる
限り一人一人がそれを感得できるようにすることが理想的であると思います。

 また、利用者の目線に立って活動することです。とかく博物館は、そのスタ
ッフが一方的に情報を提供することになりがちで、難しい、面白くないなどと
言われることもあります。博物館は、専門家と一般の人々との架け橋の役割を
期待され、わかり易く、楽しいことが大切です。利用者の立場に立ち、利用者
と共に活動していくことが、人々の想像力を引き出すことにつながります。

 そして、人々が、期待感を持って来館できるように効果的に情報を発信する
ことです。見たい、参加したい、どんなものだろうと思わせることが必要です。
期待感ということでは、日常的な空間から別の世界への鮮やかな転換も大事で、
施設や展示をうまく使う演出にも工夫がいります。

 当館は、幼児から高齢者まですべての年齢層の人々の想像力の入口になりた
いと思います。人々の多様性に応じ、また、社会的に必要とされる情報を収集、
整理し、加工、創造し、あるいは社会の諸セクターと連携協働して、質の高い
サービスを提供することによりこれに応えていきます。大人も子どもも、知的
な喜びや楽しみを共有できる博物館として。



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◆ 科博あれこれ ◆  
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 風変わりなギャラリー 

               産業技術史資料情報センター 久保田 稔男
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 写真家の作品を大きなサイズで見られるのが面白くて、あちこちのギャラリ
ーに出かけるのですが、写真同様、そのギャラリーがある建物に驚かされるこ
とがしばしばです。

 台東区にある「SCAI THE BATHHOUSE(スカイザバスハウス)」は、銭湯を改
修したギャラリーで、脱衣場だったと思われる場所が展示室となっていました。
杉並区の住宅地の中をようやくたどり着いた「Gallery 街道」は、普通に住宅
として使われている木造アパートの2階の1区画で、ここは台所、ここはもと
は納戸かな? などと、以前の姿が想像できて興味深いギャラリーでした。

 エコロジーのキーワードReduce(リデュース)、Reuse(リュース)、Recyc
le(リサイクル)の“3R”を持ち出すまでもなく、建築の分野では建物の用
途を変えて再利用することはよく行われます。その建物が昔はどのように使わ
れていたのかを、間取りや、部材に残された痕跡を手掛かりに復元するのも、
歴史的な建物を観察する重要なポイントとなります。



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◆ 上野の鳥 ◆  
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 カモメが嫌い? 森鴎外のペンネーム

                   文京区役所 渡辺 浩(友の会会員)
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 今回は、メールマガジン第190号「上野の鳥 小説「雁」の舞台・上野周
辺 ガン(その2)」で紹介した森鴎外(本名 林太郎)のペンネームについ
てお話しします。

 「鴎外」というペンネームは、「鴎」(かもめ)に「外」と書くため、「鴎
は外」や「鴎の外」等と読むことができます。このため、「鴎を追い払う」と
か「鴎から遠ざかる」いう意味にもとれると思われます(節分の豆まきの「鬼
は外」のように)。そこで、「鴎外」というペンネームの由来を調べてみまし
た。

 由来については諸説あるようですが、千住にある「かもめの渡し」(吾妻橋
の上流にあり、吉原を指す名称でもあった)という地名をもじったというのが
有力だそうです。遊興の地には近寄らず、遠く離れて千住に在るという意味も
込められているとのことです(文京区立本郷図書館鴎外記念室のホームページ
による)。森鴎外は、父・静男が医院(橘井堂)を開業していた千住に住んだ
ことがあるため、この辺りの事情に詳しかったのでしょう(足立区千住1丁目
にある足立都税事務所の敷地には、「森鴎外旧居橘井堂跡」の碑があります)。

 ペンネームの由来が地名である可能性が高いため、森鴎外は「カモメが嫌い」
だったとか「追い払った」ということはなかったと思います。不忍池には冬季、
ユリカモメ・ウミネコ・セグロカモメ等のカモメが多数飛来しますが、彼らも
安心した?ことでしょう。

 ちなみに上野動物園の北側にある水月ホテル鴎外荘(台東区池之端3丁目)
の中庭には、森鴎外の旧居が残されています。森鴎外は、この地で小説「舞姫」
を執筆しました。ホテルの玄関前には「森鴎外居住の跡」の碑と解説パネル、
看板には「鴎外温泉」という表示がありました。



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◆ お知らせ ◆  
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【アンコール!特別展 「世界遺産 ナスカ展−地上絵ふたたび」】
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 2006年3月から、国立科学博物館を皮切りに、全国9会場を巡回し、総動員数
85万人を集めた特別展「世界遺産 ナスカ展」がクライマックスを迎えます。
 見る機会を逃した方や、あの感動をもう一度!という方のご要望におこたえ
し、19日間限りのアンコールバージョンで開催中です。
 数々の謎と疑問にお答えするバージョンアップ版ナスカ展をお楽しみください。

※注)展示作品は前回展と同様です。尚、作品保護のため「パラカス時代のもの
   とされたミイラ」は展示されません。

【会  場】 国立科学博物館(東京・上野公園)
       地球館地下1階特別展示室及び特別展第2展示室
【開催期間】 平成20年2月5日(火)〜2月24日(日)19日間
【開館時間】 午前9時〜午後5時(毎週金曜日は午後8時まで。入館は各閉館時
間の30分前まで。)
【休 館 日】 2月18日(月)
【主  催】 国立科学博物館、TBS、朝日新聞社

 詳しくは下記をご覧下さい。
http://www.kahaku.go.jp/exhibitions/ueno/special/2008/nasca19/



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【新雑誌「milsil(ミルシル)」創刊!】
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 このたび、当館では、新雑誌「milsil(ミルシル)」(年6回刊行)を創刊い
たしました。

 「milsil(ミルシル)」のmil(ミル)は「見てみる」「聞いてみる」「やって
みる」の「ミル」。そのような「ミル」から、新たな、そして豊かな「知る」
(sil(シル))が得られるでしょう。

 創刊号の特集は「進化」。ダーウィンの「生物の進化をめぐる旅」や、固有種
の楽園「ガラパゴスのいま」を取り上げるとともに、系統と進化の謎に迫る6人
の研究者たちの取り組みを紹介します。その他、「標本の世界」「親子で遊ぼう
!科学冒険隊」など楽しい連載がいっぱい。

 今後も、「milsil(ミルシル)」を通じて、広く自然史や科学技術史などに関す
る情報を積極的に発信していきますので、ご期待ください。

 発売日 :平成20年1月23日(水)
 頁 数 :本文32ページ(A4版オールカラー)
 販売場所:当館ミュージアムショップ(日本館地下1階)、
      ジュンク堂書店 池袋本店
 定 価 :400円(税込)

「友の会会員」「賛助会員(個人特別会員)」の方には無料でお届けいたします。
入会手続きは、当館のホームページをご参照ください。
(友の会)http://www.kahaku.go.jp/membership/index.html
(賛助会員)http://www.kahaku.go.jp/back_up/index.html



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 科博イベント情報「kahaku event」も発行!

「milsil(ミルシル)」とともに、展示や学習支援活動などの情報を掲載した
「kahaku event」(年6回 A4サイズ 4ページ)も発行します。

「友の会会員」「賛助会員(個人特別会員)」の方には「milsil(ミルシル)」
とともにお届けします。また、館内でも無料で配布します。見学や行事参加の
計画をたてるときにご活用ください。



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【科博ニュース展示 「DNAの先へ!-生命の暗号・ゲノム解読の歴史と未来-」】
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 かつては手作業で行われていた、DNAの塩基配列の解読。30億もの膨大な塩
基を解読するには、数千年以上かかるとも言われてきました。

 「DNAの先へ!」では、手作業から自動シークエンサー、大容量化・高速化
へと到るDNA解析技術の革新の歴史を紹介しています。
 また、ゲノム・DNA・RNAの役割を解説し、ヒトゲノムの解読終了に伴い、今
後必要となる研究と、得られる可能性のある成果についても取り上げています。

【会  場】 国立科学博物館(東京・上野公園)
       地球館2階展示室
【開催期間】 平成19年12月4日(火) 〜平成20年3月2日(日) 
【開館時間】 午前9時〜午後5時(毎週金曜日は午後8時まで。入館は各閉館時
間の30分前まで。)
【休 館 日】 毎週月曜日 12/28〜1/1及び1/15(ただし12/24、1/14は開館)
【主  催】 国立科学博物館、理化学研究所 横浜研究所


 詳しくは下記をご覧下さい。
 http://www.kahaku.go.jp/event/2007/12dna/index.html



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【企画展 雷龍の王国 ブータン-その多様な自然と人々-】
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 国立科学博物館とブータン王国国立生物多様性センター間の協力活動を紹介
するとともに、植物を中心にその多様な自然と、自然の素材を利用した伝統織
物や工芸品、人々の暮らしや文化について展示します。

【会  場】 日本館1階企画展示室 
【開催期間】 平成20年1月29日(火)〜2月24日(日)
【開館時間】 午前9時〜午後5時(毎週金曜日は午後8時まで。入館は各閉館時
間の30分前まで。) 
【休 館 日】 毎週月曜日(但し2/11は開館)
【主  催】 国立科学博物館
【協  力】 ブータン王国国立生物多様性センター、財団法人進化生物学研
       究所、日本ブータン友好協会

 詳しくは下記をご覧下さい。
 http://www.kahaku.go.jp/event/2008/01bhutan/index.html



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◆ 上野公園イベント情報 ◆   
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 特別展等開催中の上野公園内の文化施設をご案内します。

・東京国立博物館               
 陽明文庫創立70周年記念特別展「宮廷のみやび―近衞家1000年の名宝」
 1月2日(水)から2月24日(日)まで

・東京都美術館 
 「ルーブル美術館展 フランス宮廷の美」 
 1月24日(木)から4月6日(日)まで  
 http://www.tobikan.jp/



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★ メール募集中 ★                         
                                   
 科博に関する思い出、展示物についての質問、特別展の感想など皆様からの
メールをお待ちしております。

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 ◆編集:国立科学博物館 広報・サービス部 広報課
 ◆発行:国立科学博物館
     東京都台東区上野公園7−20
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