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第241号

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  科博メールマガジン第241号          
    発行日:2008年1月24日
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 お知らせ欄にも書いておりますが、このたび39年間続いた「国立科学博物館
ニュース」を見直し、1月23日に新雑誌「milsil」を創刊しました。
 自然と科学の情報誌としてより多くの方に自然科学に興味を持っていただき、
また、当館の特色を出せるような内容にしていきたいと思っています。
 多くの方にご愛読していただけるよう、新たな気持ちで作っていきますので
ぜひ一度お手にとって頂ければと思います。
 
 * 科博メールマガジンは、国立科学博物館が毎週木曜日に発行しています。

  
▼- 目 次 -▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼


 ■ 館長室から    「博物館活動の拡がり」 
 ■ 科博あれこれ   「手が物語ること」
 ■ お知らせ


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◆ 館長室から ◆  
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 博物館活動の拡がり

                    国立科学博物館長 佐々木 正峰
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博物館は、資料を収集保管し、資料に基づく調査研究を行うとともに、研究
成果とそれにより価値づけられた資料を用いて展示・教育活動を行っています。
資料の収集保管、調査研究、展示・教育活動は、博物館の基本的な要件とされ
る活動であり、各館の使命、計画に基づき、館としての一貫した方針により行
われるものです。

 ところで、博物館は、生涯学習社会において社会の文化化を進め、人々の知
的水準の維持向上に重要な役割を果たしています。社会が複雑、高度化し、人
々の意識が多様化する中で、社会や人々の博物館に対する要請も増大し、博物
館は、その人的物的知的資源を積極的に活用して、それに応えることを期待さ
れています。これらの要請や期待は、おおむね博物館の基本的な活動にかかわ
るものといえますが、たとえば自主的な研究グループからの要請に基づく指導
のように、館の計画に従って対処するとは必ずしもいえない活動があります。
また、企業による製品の開発に対する支援のように、館の計画には明らかに含
まれない活動もあります。近年、このような博物館に対する要請や相談等が増
加し、また、それに対する潜在的な需要も高まっています。

 行財政改革が進展し、すべての施設について効率的、効果的運営が求められ、
資源の有効活用が必要とされるとき、博物館としての本来の機能を損わない範
囲で、社会や人々の多様な要請に適切に応えることは、博物館として望ましい
ことであると考えています。このことは、社会や人々の要請に応えるという具
体の行為を通して、資料の収集保管、調査研究、展示・教育活動という博物館
の基本的な活動の基盤を強化し、社会や人々との交流や連携を充実することに
なり、社会の文化化に寄与すると考えられるからです。

 平成19年6月のこれからの博物館の在り方に関する検討協力者会議報告「新
しい時代の博物館制度の在り方について」は、博物館に求められる役割を、
「『集めて、伝える』博物館の基本的な活動に加えて、市民とともに『資料を
探究』し、知の楽しみを『分かちあう』博物館文化の創造へ」としています。
この後半の学習者の知的欲求に応える活動は、博物館が基本的な活動を行って
いく上で市民参加や連携を進めるべき旨を述べたものともとれますし、博物館
の活動を基本的な活動以外の活動に拡大するようにもとれます。

 いずれにしても、博物館の基本的な活動の枠を超えた活動で経済社会に直接
貢献するものが存することは確かです。当館は、この活動が科学の普及や興味
関心を呼びおこすことにつながるものはもとより、広く館の目的を阻害するも
のでなければ、この博物館の活動を社会貢献活動と位置づけ、適宜対応してい
くことにしています。



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◆ 科博あれこれ ◆  
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 手が物語ること 

                        人類研究部 坂上 和弘
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 人間の手は非常に雄弁です。本人が何も言わなくても、様々なことを手は語
りかけてきます。

 例えば、拳闘家のこぶしは潰れていますし、古風な執筆家には中指にペンだ
こができています。中指が黄色く変色している人は愛煙家ですし、右親指の爪
を斜めに削っているのはギター弾きによく見られる特徴です。

 手を見るだけで若者か老人か、男性か女性かをかなりの確率で見分けること
ができます。手先にある指紋や手の甲に浮かぶ静脈は個人を特定するのにも使
われています。手を見る、ということはその人の人生そのものを見ているのか
もしれません。

はたらけど
はたらけど 猶わが生活楽にならざり
ぢっと手を見る

            石川 啄木



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◆ お知らせ ◆  
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【特別展 「大ロボット博 〜からくりからアニメ、最新ロボットまで〜」】
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 日本の伝統的な「からくり」をはじめ、二足歩行ロボットや産業用ロボット
などの世界最高水準にある日本のロボットたち、そして漫画やアニメに描かれ
る未来のロボットたちを展示し、日本経済の未来を牽引するロボット技術を科
学史的な視点から紹介する展覧会です。モノづくりの楽しさ、魅力を体感し、
日本の科学技術が描く夢の未来を体験してみよう!

【会  場】 国立科学博物館(東京・上野公園)
       地球館地下1階特別展示室及び特別展第2展示室
【開催期間】 平成19年10月23日(火)〜平成20年1月27日(日)
【開館時間】 午前9時〜午後5時(毎週金曜日は午後8時まで。入館は各閉館時
間の30分前まで。)
【休 館 日】 毎週月曜日 12/28〜1/1及び1/15(ただし12/24、1/14は開館)
【主  催】 国立科学博物館、読売新聞社、日本テレビ放送網


 詳しくは下記をご覧下さい。
 http://www.kahaku.go.jp/exhibitions/ueno/special/2007/robot/



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【科博ニュース展示 「DNAの先へ!-生命の暗号・ゲノム解読の歴史と未来-」】
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 かつては手作業で行われていた、DNAの塩基配列の解読。30億もの膨大な塩
基を解読するには、数千年以上かかるとも言われてきました。

 1998年に稼動した理化学研究所の高速大容量DNAシークエンサー「RISA‐384」
は、解析を自動化したのみならず、同時に多数の検体処理を可能にした画期的
なシステムでした。
 「DNAの先へ!」ではRISAの実機を中心に、手作業から自動シークエンサー、
大容量化・高速化へと到るDNA解析技術の革新の歴史を紹介しています。
 また、ゲノム・DNA・RNAの役割を解説し、ヒトゲノムの解読終了に伴い、今
後必要となる研究と、得られる可能性のある成果についても取り上げています。

【会  場】 国立科学博物館(東京・上野公園)
       地球館2階展示室
【開催期間】 平成19年12月4日(火) 〜平成20年3月2日(日) 
【開館時間】 午前9時〜午後5時(毎週金曜日は午後8時まで。入館は各閉館時
間の30分前まで。)
【休 館 日】 毎週月曜日 12/28〜1/1及び1/15(ただし12/24、1/14は開館)
【主  催】 国立科学博物館、理化学研究所 横浜研究所


 詳しくは下記をご覧下さい。
 http://www.kahaku.go.jp/event/2007/12dna/index.html



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【企画展 雷龍の王国 ブータン-その多様な自然と人々-】
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 国立科学博物館とブータン王国国立生物多様性センター間の協力活動を紹介
するとともに、植物を中心にその多様な自然と、自然の素材を利用した伝統織
物や工芸品、人々の暮らしや文化について展示します。

【会  場】 日本館1階企画展示室 
【開催期間】 平成20年1月29日(火)〜2月24日(日)
【開館時間】 午前9時〜午後5時(毎週金曜日は午後8時まで。入館は各閉館時
間の30分前まで。) 
【休 館 日】 毎週月曜日(但し2/11は開館)
【主  催】 国立科学博物館
【協  力】 ブータン王国国立生物多様性センター、財団法人進化生物学研
       究所、日本ブータン友好協会

 詳しくは下記をご覧下さい。
 http://www.kahaku.go.jp/event/2008/01bhutan/index.html


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【皇居吹上御苑での自然観察会】
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 皇居の自然に触れることによって自然への理解を深めてもらうため、宮内庁
は「みどりの月間」の一環として来る5月4日(みどりの日)(日)および5
月5日(こどもの日)(月)に吹上御苑内で自然観察会を開催します。この観
察会は,当館が行った皇居の生物相調査の成果を参加者に知ってもらうことも
目的のひとつになっており、当日はこの調査を担当した当館の研究員が詳しい
解説をします。

 参加ご希望の方は、宮内庁ホームページ
 http://www.kunaicho.go.jp/kunaicho/shizenkansatsukai.html
 に掲載の申込要領を参照のうえお申し込みください。
 なお、申込み締め切りは2月4日(月)(当日消印有効)となっております。


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◆ 出版物紹介 ◆   
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 新雑誌「milsil(ミルシル)」創刊!

 このたび、当館では、新雑誌「milsil(ミルシル)」(年6回刊行)を創刊い
たしました。

 「milsil(ミルシル)」のmil(ミル)は「見てみる」「聞いてみる」「やって
みる」の「ミル」。そのような「ミル」から、新たな、そして豊かな「知る」
(sil(シル))が得られるでしょう。

 創刊号の特集は「進化」。ダーウィンの「生物の進化をめぐる旅」や、固有種
の楽園「ガラパゴスのいま」を取り上げるとともに、系統と進化の謎に迫る6人
の研究者たちの取り組みを紹介します。その他、「標本の世界」「親子で遊ぼう
!科学冒険隊」など楽しい連載がいっぱい。

 今後も、「milsil(ミルシル)」を通じて、広く自然史や科学技術史などに関す
る情報を積極的に発信していきますので、ご期待ください。

 発売日 :平成20年1月23日(水)
 頁 数 :本文32ページ(A4版オールカラー)
 販売場所:当館ミュージアムショップ(日本館地下1階)
 定 価 :400円(税込)

「友の会会員」「賛助会員(個人特別会員)」の方には無料でお届けいたします。
入会手続きは、当館のホームページをご参照ください。
(友の会)http://www.kahaku.go.jp/membership/index.html
(賛助会員)http://www.kahaku.go.jp/back_up/index.html


☆★ 新雑誌「milsil(ミルシル)」創刊記念 雑誌プレゼント ★☆

新雑誌「milsil(ミルシル)」創刊を記念しまして、創刊号を抽選で10名様にプ
レゼントいたします。ご希望の方は、magazine@kahaku.go.jp 宛に、(1)ご住所 
(2)お名前 (3)新雑誌「milsil(ミルシル)」プレゼント希望 をお書き添えの
上、メールでご応募ください。応募の締め切りは、1月31日(木)までとします。
また、当選発表は発送をもってかえさせていただきます。

新雑誌「milsil(ミルシル)」創刊号            10冊 10名様分


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◆ milsil創刊号紹介(1月号) ◆  
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             ――特集「進化」―― 

・表紙      「ウミイグアナ」 ・・・・・・・・・・・・・・・・OASIS

・創刊にあたって 「科学を文化に」 ・・・・国立科学博物館長 佐々木 正峰

・サイエンス・インタビュー 科学のいま、そして未来
         「地底での素粒子研究から宇宙の謎に迫る」
       ・・・戸塚 洋二(独立行政法人日本学術振興会学術システ
            ム研究センター所長) 

・特集      「進化」〈第一部〉ダーウィン・生物の進化をめぐる旅  
     ・青年ダーウィンとビーグル号
     ・南アメリカで未知の化石続々発見
     ・進化の「実験室」ガラパゴス
     ・大反響と反発をよんだ『種の起源』

     「進化」〈第二部〉
     ・固有種の楽園、進化の実験室「ガラパゴスのいま」
     ・系統と進化の謎に迫る「6人の研究者たち」 
         動物研究部 山田 格・西海 功/植物研究部 岩科 司・
         遊川 知久/地学研究部 加瀬 友喜/人類研究部 馬場 
         悠男

・標本の世界 「謎の巨大魚 マンボウ」
         ・・・松浦 啓一(コレクションディレクター)
        
・人類と自然の共存をめざして 第1回
         「地球温暖化は、本当に起きているのだろうか?」
         ・・・住 明正(東京大学地球持続戦略研究イニシアティ
            ブ統括ディレクター・教授)

・親子で遊ぼう! 科学冒険隊
         「♯01 光でアートする」 
         ・・・松村 泰三(東北芸術工科大学情報デザイン学科准
            教授)
        
・サイエンスコミュニケーションへの招待 第1回
         「サイエンスコミュニケーションとは何か?」
         ・・・渡辺 政隆(文部科学省科学技術政策研究所上席研
            究員・サイエンスライター)
                              
・NEWS&TOPICS  「世界の科学ニュース&おもしろニュースを10分で」
      
・milsilカフェ/編集後記/次号予告

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 科博イベント情報「kahaku event」も発行!

「milsil(ミルシル)」とともに、展示や学習支援活動などの情報を掲載した
「kahaku event」(年6回 A4サイズ 4ページ)も発行します。

「友の会会員」「賛助会員(個人特別会員)」の方には「milsil(ミルシル)」
とともにお届けします。また、館内でも無料で配布します。見学や行事参加の
計画をたてるときにご活用ください。



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◆ 他館紹介 ◆
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全国科学博物館協議会加盟館の特別展示等をご紹介します。
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■栃木県立博物館
 企画展「集まれ!ホネの動物たち」
 1月4日(金)〜3月30日(日)
 http://www.muse.pref.tochigi.jp/exhibition/thema/hone.html

■入間市博物館(アリット)
 第11回「むかしのくらしと道具展」
 1月6日(日)〜2月11日(月・祝)
 http://www.alit.city.iruma.saitama.jp/02exhibition/01special.html

■千葉県立中央博物館
 「房総発掘ものがたり」
 1月19日(土)〜3月2日(日)
 http://www.chiba-muse.or.jp/NATURAL/exhibitions/special_ex/
 2007hakkutsu/2007hakkutsu.htm

■多摩六都科学館
 化石展リニューアル「関東山地に衝突した丹沢山地と伊豆半島」
 12月20日(木)〜12月14日(日)
 http://www.tamarokuto.or.jp/event/index.html#kaseki
 
■出雲科学館
 特別展「木って、ステ木!〜木材と私たちの生活〜」
 1月29日(火)〜2月17日(日)
 http://www.izumo.ed.jp/kagaku/news/frame_news.htm
 
■徳島県立博物館
 特別陳列「徳島城下町の世界」
 1月7日(月)〜3月2日(日)
 http://www.museum.tokushima-ec.ed.jp/


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☆★ チケットプレゼント ★☆

 上記で紹介の全国科学博物館協議会加盟館のうち、下記博物館の招待
券を、それぞれ先着順でプレゼントいたします!
ご希望の方は、magazine@kahaku.go.jp 宛に、(1)ご住所 (2)お名前 (3)
ご希望の館名 (4)メールマガジンのご感想 をお書き添えの上、メールでご
応募ください。また、当選発表は発送をもってかえさせていただきます。

*栃木県立博物館                     (5組10名様)
*多摩六都科学館                     (5組10名様)

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★ メール募集中 ★                         
                                   
 科博に関する思い出、展示物についての質問、特別展の感想など皆様からの
メールをお待ちしております。

 宛先: magazine@kahaku.go.jp

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 ◆編集:国立科学博物館 広報・サービス部 広報課
 ◆発行:国立科学博物館
     東京都台東区上野公園7−20
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