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第240号

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  科博メールマガジン第240号          
    発行日:2008年1月17日
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 今年は子年ですので、当館でもネズミにちなんだ展示をしていることは何度
かお伝えしたかと思います。この展示は、陸上にいる「ネズミ」についてのも
のです。では、海鼠はご存知でしょうか?これは「なまこ」と読みます。
 当館では、地球館1階「亜寒帯の海」のコーナーで、海の中にいる生物の一
つとしてマナマコをご覧頂けます。また、日本館3階「日本列島の素顔」には、
マナマコの感触を再現したハンズオン展示があります。
 日本館、地球館を合わせるととても広いのでたとえば、干支についてなど、
何かテーマを見つけてご覧頂くのもより楽しめる一つの方法かもしれません。
 干支「子」展は23日までです。お早めにお越し下さい。

 
 * 科博メールマガジンは、国立科学博物館が毎週木曜日に発行しています。

  
▼- 目 次 -▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼


 ■ エッセイ  「太陽系の暦」 
 ■ 上野散策  「東京文化財研究所黒田記念館」  
 ■ お知らせ


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◆ エッセイ ◆  
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 太陽系の暦

                       理工学研究部 米田 成一
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太陽系の年齢は約46億年と言われています。これはある種の隕石の中に含ま
れる白い固まりの年代測定の結果に基づいています。ウランが放射性壊変する
ことを利用して、この年代は45億6720万年、誤差が±60万年という高い精度で
求められています。このように隕石を調べることで太陽系ができた頃の歴史が
細かく分かってきました。ここでは46億年を1年の暦にして太陽系ができた頃
の歴史をご紹介しましょう。

 元日の0時に太陽系でできた小さな塵は朝8時頃には小惑星程度の大きさの
天体を作りました。夕方6時頃には原始惑星に成長し、翌1月2日には火星程
度の大きさの惑星ができます。地球がほぼ現在の大きさになって、大気ができ
たのが1月5日から6日頃です。月もその少し前に巨大衝突でできたと考えら
れています。このメルマガが配信される1月半ばにはほぼ現在の太陽系の姿が
できあがりました。そして、地球で最初の生命が見つかったのは3月3日のひ
な祭りの頃、そこから進化して人類が現れるのは大晦日の夜8時頃になります。



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◆ 上野散策 ◆  
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 東京文化財研究所黒田記念館 

                      広報・サービス部 石川 昇
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 前回の散策は護国院で、その庫裏は東京美術学校(現在の東京藝術大学美術
学部)教授岡田信一郎(1883-1932)の設計でしたが、岡田は黒田記念館の設
計もしており、庫裏同様に登録有形文化財となっています。黒田記念館は科博
北側の道路を西へ行き、二つめの信号を右折した左側です。館を運営する独立
行政法人国立文化財機構東京文化財研究所はこの先にあります。 
 
 黒田記念館は岡田同様東京美術学校教授であった画家黒田清輝(1866-1924)
が、遺産の一部を美術の奨励に役立てるように遺言したことから建築され、昭
和3(1928)年に竣工しました。そして、昭和5(1930)年に東京文化財研究所の
前身である美術研究所が設置され調査研究と資料収集活動をしていましたが、
東京文化財研究所の新館が平成12年に完成すると、記念館は改修工事を行い、
平成13(2001)年9月にリニューアル・オープンしました。
 木曜日と土曜日の午後1時〜4時に、無料で公開しています。

 まずは建物の外観を味わいましょう。美しい立方体の建物で、外壁はスクラ
ッチタイルに覆われ、重厚かつ端正な雰囲気を生み出しています。現在、夜は
ライトアップが行われています。

 玄関は、ドアの上部に半円形の窓があり、窓に組み込まれた「黒田記念館」
の文字が入ったレリーフパネルが素敵です。ドアの両側に配置された壺と門灯、
郵便受けも凝ったデザインが施されています。中に入ると、階段などの大理石
が美しく、床などはきれいに磨かれ、2階へ上がる階段は赤絨毯敷きです。

 2階へ上がって左側の部屋と右手奥の部屋が展示室です。展示室では上も見
てください。天井にも装飾が施され、窓からは柔らかな外光が入ってきます。
 左手の部屋では、「特集陳列 写された黒田清輝」(平成19年11月15日〜5
月17日)として、御子孫から寄贈された黒田清輝とその周囲にいた人々の写真
展が開かれています。デッサン帖、絵の具箱と絵の具、湯飲み、コーヒーカッ
プ、七宝時計も展示されています。
 右手の部屋は、入口に高村光太郎作の「故子爵黒田清輝胸像」があり、部屋
のなかには、団扇を持って浴衣姿で湖畔にくつろぐ女性を描いた「湖畔」や、
3人の裸婦を連作で描いた「智・感・情」などの作品があります。この2作品
を、外光が入るこの部屋で静かに鑑賞できることは幸せだと思いました。
 また、両方の部屋とも、黒田作品の光学的調査研究に関する展示もあります。
 
 玄関近くのコーナーでは、図録のほか、絵葉書、一筆箋、クリアファイルな
どのグッズも販売しています。



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◆ お知らせ ◆  
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【特別展 「大ロボット博 〜からくりからアニメ、最新ロボットまで〜」】
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 日本の伝統的な「からくり」をはじめ、二足歩行ロボットや産業用ロボット
などの世界最高水準にある日本のロボットたち、そして漫画やアニメに描かれ
る未来のロボットたちを展示し、日本経済の未来を牽引するロボット技術を科
学史的な視点から紹介する展覧会です。モノづくりの楽しさ、魅力を体感し、
日本の科学技術が描く夢の未来を体験してみよう!

【会  場】 国立科学博物館(東京・上野公園)
       地球館地下1階特別展示室及び特別展第2展示室
【開催期間】 平成19年10月23日(火)〜平成20年1月27日(日)
【開館時間】 午前9時〜午後5時(毎週金曜日は午後8時まで。入館は各閉館時
間の30分前まで。)
【休 館 日】 毎週月曜日 12/28〜1/1及び1/15(ただし12/24、1/14は開館)
【主  催】 国立科学博物館、読売新聞社、日本テレビ放送網


 詳しくは下記をご覧下さい。
 http://www.kahaku.go.jp/exhibitions/ueno/special/2007/robot/



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【企画展 富士山展 宝永噴火300年】
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宝永噴火から300年経過した本年に、これまで明らかとなった富士山の地質お
よび防災に関する研究を広く一般の方々に普及することを目的とします。また
日本の象徴でもある富士山を、歴史や文化的側面から語り、生活の中にある富
士山の様々な面を紹介します。

【会  場】 日本館1階企画展示室 
【開催期間】 平成19年12月15日(土)〜平成20年1月20日(日) 
【開館時間】 午前9時〜午後5時(毎週金曜日は午後8時まで。入館は各閉館時
間の30分前まで。)
【休 館 日】 毎週月曜日(但し12/24,1/14は開館)、12/28〜1/1および1/15
【主  催】 国立科学博物館
【学術協力】 東京大学地震研究所、国土交通省富士砂防事務所

 詳しくは下記をご覧下さい。
http://www.kahaku.go.jp/event/2007/12fujiyama/index.html



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【科博・干支シリーズ2008 「子」】
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 2006年から始まった、科博・干支シリーズ。
 今回は「子」。動物では、“ネズミ”の年になります。今回、「子年のお正
月。ネズミを知る。」をテーマにミニ展示を行います。展示では、日本に生息
する全種類のネズミを一大公開!また、世界のネズミ、ネズミ研究の最前線、
ネズミと人との関わりなど、関連イベントと共にネズミについて迫ります。

【会  場】 日本館地下1階多目的室(シアター36○となり)
【開催期間】 平成20年1月2日(水)〜1月23日(水)(常設展料金でご覧いただけ
       ます。)
【開館時間】 午前9時〜午後5時(毎週金曜日は午後8時まで。入館は各閉館時
間の30分前まで。)
【休 館 日】 毎週月曜日(但し12/24,1/14は開館)、12/28〜1/1および1/15
【講 演 会】 平成20年1月20日(日)14:00〜16:00 (事前申込制 定員80人)

       「げっ歯類の多様性〜小さなネズミ、大きなネズミ」
                   動物研究部研究員 川田 伸一郎

       「ねずみ学〜知られざる小さな世界」
                   日本大学専任講師 岩佐 真宏

<講演会の応募方法>
往復ハガキ、FAX、Eメールのいずれかでお申し込み下さい。
1講演会名、2参加者氏名、3住所、4電話番号 を必ずご明記下さい。
〒110−8718 東京都台東区上野公園7−20 国立科学博物館広報課 干支係
FAX:03−5814−9898、メールアドレス:sanjyo@kahaku.go.jp
※申込みは、当日まで受付。但し、先着順で定員に達した場合は締め切ります。

☆まだまだ席に余裕がありますので、ぜひお誘い合わせの上ご応募下さい!☆


※「科博・干支シリーズ2008 子」の展示及び各種イベントは入館料のみで
ご参加いただけます。
 


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【科博ニュース展示 「DNAの先へ!-生命の暗号・ゲノム解読の歴史と未来-」】
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 かつては手作業で行われていた、DNAの塩基配列の解読。30億もの膨大な塩
基を解読するには、数千年以上かかるとも言われてきました。

 1998年に稼動した理化学研究所の高速大容量DNAシークエンサー「RISA‐384」
は、解析を自動化したのみならず、同時に多数の検体処理を可能にした画期的
なシステムでした。
 「DNAの先へ!」ではRISAの実機を中心に、手作業から自動シークエンサー、
大容量化・高速化へと到るDNA解析技術の革新の歴史を紹介しています。
 また、ゲノム・DNA・RNAの役割を解説し、ヒトゲノムの解読終了に伴い、今
後必要となる研究と、得られる可能性のある成果についても取り上げています。

【会  場】 国立科学博物館(東京・上野公園)
       地球館2階展示室
【開催期間】 平成19年12月4日(火) 〜平成20年3月2日(日) 
【開館時間】 午前9時〜午後5時(毎週金曜日は午後8時まで。入館は各閉館時
間の30分前まで。)
【休 館 日】 毎週月曜日 12/28〜1/1及び1/15(ただし12/24、1/14は開館)
【主  催】 国立科学博物館、理化学研究所 横浜研究所


 詳しくは下記をご覧下さい。
 http://www.kahaku.go.jp/event/2007/12dna/index.html



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【企画展 雷龍の王国 ブータン-その多様な自然と人々-】
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 国立科学博物館とブータン王国国立生物多様性センター間の協力活動を紹介
するとともに、植物を中心にその多様な自然と、自然の素材を利用した伝統織
物や工芸品、人々の暮らしや文化について展示します。

【会  場】 日本館1階企画展示室 
【開催期間】 平成20年1月29日(火)〜2月24日(日)
【開館時間】 午前9時〜午後5時(毎週金曜日は午後8時まで。入館は各閉館時
間の30分前まで。) 
【休 館 日】 毎週月曜日(但し2/11は開館)
【主  催】 国立科学博物館
【協  力】 ブータン王国国立生物多様性センター、財団法人進化生物学研
       究所、日本ブータン友好協会

 詳しくは下記をご覧下さい。
 http://www.kahaku.go.jp/event/2008/01bhutan/index.html



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 平成20年度から活動を開始する教育ボランティアを募集いたしております。
応募締切 平成20年1月18日(金)(必着)

 詳しくはこちらをご覧下さい。
 http://www.kahaku.go.jp/news/2007/1220.html


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◆ 科博関連メディア情報 ◆   
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 ○ 1月17日(木) 16:54〜(内18:30頃〜の予定)
   放送局 :TBS
   番組名 :「イフニング・ファイブ(森田さんのお天気コーナーにて)」
   内容  : 風船爆弾の高度保持装置について 理工学研究部 鈴木研
         究主幹が出演します。


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◆ 出版物紹介 ◆   
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 新雑誌「milsil(ミルシル)」創刊!

 このたび、当館では、新雑誌「milsil(ミルシル)」(年6回刊行)を創刊い
たします。
 
「milsil(ミルシル)」のmil(ミル)は「見てみる」「聞いてみる」「やってみ
る」の「ミル」。そのような「ミル」から、新たな、そして豊かな「知る」(s
il(シル))が得られるでしょう。

 創刊号の特集は「進化」。ダーウィンの「生物の進化をめぐる旅」や、固有種
の楽園「ガラパゴスのいま」を取り上げるとともに、系統と進化の謎に迫る6人
の研究者たちの取り組みを紹介します。その他、「標本の世界」「親子で遊ぼう
!科学冒険隊」など楽しい連載がいっぱい。
 
 今後も、「milsil(ミルシル)」を通じて、広く自然史や科学技術史などに関す
る情報を積極的に発信していきますので、ご期待ください。
 
 発売日 :平成20年1月23日(水)
 頁 数 :本文32ページ(A4版オールカラー)
 販売場所:当館ミュージアムショップ(日本館地下1階)
 定 価 :400円(税込)
 
「友の会会員」「賛助会員(個人特別会員)」の方には無料でお届けいたします。
入会手続きは、当館のホームページをご参照ください。
(友の会)http://www.kahaku.go.jp/membership/index.html
(賛助会員)http://www.kahaku.go.jp/back_up/index.html
 
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 科博イベント情報「kahaku event」も発行!
 
「milsil(ミルシル)」とともに、展示や学習支援活動などの情報を掲載した
「kahaku event」(年6回 A4サイズ 4ページ)も発行します。
 
「友の会会員」「賛助会員(個人特別会員)」の方には「milsil(ミルシル)」
とともにお届けします。また、館内でも無料で配布します。見学や行事参加の
計画をたてるときにご活用ください。
 
 
 
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 『南方熊楠 菌類図譜』   萩原 博光/解説 ワタリウム美術館/編集
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 本書は、南方熊楠がキノコを細密に描写、彩色し、その生態を英文で記録し
た図譜から120枚を厳選したもので、熊楠展を担当した植物研究部萩原研究主
幹が解説を加えたものです。
 
 出版社 : 新潮社
 判 型  : A4判
 頁 数 : 135ページ
  ISBN : 978-4-10-305551-8
 C-CODE : 0371
 発売日 : 2007年9月27日
 定 価 : 3,990円
 
 
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★ メール募集中 ★                         
                                   
 科博に関する思い出、展示物についての質問、特別展の感想など皆様からの
メールをお待ちしております。
 
 宛先: magazine@kahaku.go.jp
 
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 ◆編集:国立科学博物館 広報・サービス部 広報課
 ◆発行:国立科学博物館
     東京都台東区上野公園7−20
 ◆お問合せ:magazine@kahaku.go.jp
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       http://www.kahaku.go.jp/magazine/index.html
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