第230号
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科博メールマガジン第230号
発行日:2007年11月15日
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メールマガジンのお知らせの欄にもありますように、地域博物館との連携事
業として現在3館とコラボをしています。このコラボ・ミュージアムは、平成
18年から始まりました。遠方で上野まで足を運んでいただくことが難しい方で
も、コラボ先の博物館で当館の研究者による講演会やイベントに参加していた
だくことができます。
今後も様々な地域の博物館とコラボをし、イベント等を通して多くの方とふ
れあう機会を作りたいと考えています。ぜひご参加下さい。
* 科博メールマガジンは、国立科学博物館が毎週木曜日に発行しています。
▼- 目 次 -▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼
■ 館長室から 「資料のアーカイブ化」
■ 科博あれこれ 「砂金採りについて」
■ 上野の鳥 「食事と砂風呂付き? カンガルー舎のスズメ」
■ お知らせ
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◆ 館長室から ◆
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資料のアーカイブ化
国立科学博物館長 佐々木 正峰
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博物館は、自然や人間の営みの証拠である資料を収集し、多角的に調査研究
し、人類共通の財産として保管するとともに、広く人々に公開しています。
博物館に収蔵、展示されるのは、基本的にはオリジナルの資料ですが、オリ
ジナルは一般にもろくて壊れ易いものです。時間の経過や不用意な取扱い等に
より、劣化したり、破損、散逸したりするなどの恐れがあります。オリジナル
だけでは調査研究を進める上で、また人々に鑑覧してもらう上で困難がありま
す。
そのため、オリジナルについて複製品(レプリカ)の作成や図像、映像によ
るコピーの作成が行われています。また、ITを駆使したデジタル画像による高
度なコピーの作成が一般化しました。デジタル画像の製作には多額の経費を要
しますが、劣化や退色のない高精密画像により、オリジナルの価値をより活か
して臨場感をもって伝えることができます。また、オリジナルの外形のみから
ではつかみ取れない隠れた情報を得ることもできるだけでなく、欠損したオリ
ジナルの復元や過去の状態の再現を可能にするなど資料の調査研究に役立ちま
す。このように資料のデジタルアーカイブ化は、資料の保存と活用のために大
きな意義を有しており、これからの博物館は、資料のデータベースを使ったア
ーカイブ化を強力に進めることが必要です。博物館資料としてオリジナルとデ
ジタル画像が補完しあって、資料の保存と活用という博物館機能がより良く発
揮される方向を目指すことが望ましいのです。
資料のアーカイブ化は、資料を分類、同定し、台帳登録し、作成したデータ
ベースをデジタル画像とリンクさせることが基本的かつ重要な作業です。その
際、対象となる資料を十分理解するとともに、関連する情報を適切に整備する
こと、デジタル化の知識、技術を十分に活かすこと、また著作権をはじめ権利
処理等に万全を期して積極的な活用を図ることなど、アーカイブ化の目的が十
分達成されるようにすることが肝要です。
当館では、資料のアーカイブ化とweb上での公開を進めています。たとえば、
日本産魚類データベースは、他の博物館、大学等と連携し、メタ(目録)情報
とともに、タイプ標本(学名を新種と発表、記載した際の実物標本)の高精密
画像やX線画像のアーカイブを構築しています。
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◆ 科博あれこれ ◆
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砂金採りについて
地学研究部 宮脇 律郎
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来年の北京オリンピックの予選が話題にのぼる、今日この頃です。日本選手
の金メダル獲得が期待されますが、今回は「金」、黄金のお話しです。
当館では、来年の夏から開催の「黄金」に関する特別展を企画準備していま
す。砂金、金鉱石、文化財、宝飾品からハイテク製品まで、日本の「黄金」の
総合的な展示を計画しています。研究部では展示に備え、特に砂金標本の準備
に追われています。コレクターへの出品依頼もありますが、部長陣頭指揮の下、
研究者総掛かりで土木作業に励んでおります。時には雪解け水に凍え、あるい
は灼熱の太陽に焼け、また、冬眠前の熊に怯えながら、着々と?標本を集めて
おります。当館ボランティアの皆さんのご協力もいただいているので、充実し
た展示になると思います。
最近、金相場が上がっていますが、研究を止めて砂金採りで食べていくのは
難しい事が、良く判りました。「黄金展(仮称)」、ご期待下さい!
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◆ 上野の鳥 ◆
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食事と砂風呂付き? カンガルー舎のスズメ
文京区役所 渡辺 浩(友の会会員)
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上野動物園の西園にあるカンガルー舎でのことです。中ではオオカンガルー
が寝そべっており、その周辺にはたくさんのスズメがいました。
スズメの数は、50羽近くいたと思います。スズメ達は、オオカンガルーの
餌である草についている実をついばんでいました。また、カンガルー舎は砂地
のため、砂浴びをしているスズメも何羽かいました。砂浴びの跡もたくさん残
っていて、鹿児島県指宿で体験した「砂むし温泉」を思い出してしまいました。
街中にいるスズメは汚れていることが多いのですが、ここのスズメは公園で生
活しているためか、汚れていませんでした。くちばしが黄色い幼鳥もいました。
オオカンガルーがいるにもかかわらず、スズメ達はリラックスした様子だっ
たので、間近でゆっくり観察することができました。近くにいた子どもが親に
「スズメを飼っているみたいだね」と言っていましたが、そのとおりだと思い
ました。
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◆ お知らせ ◆
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【特別展「『昆虫記』刊行100年記念日仏共同企画 ファーブルにまなぶ」】
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「昆虫記」に登場する南フランスの虫たちとその暮らしぶりを紹介するほか、
ファーブルが観察した事柄や彼でも解決できなかった事柄が、後の研究でどの
ように明らかになったかなど、「昆虫記」後の100年間の科学的進展を振り返
ります。
【会 場】 日本館1階企画展示室(第1会場)、日本館2階講堂(第2会場)
【開催期間】 平成19年10月6日(土)〜12月2日(日)
【開館時間】 午前9時〜午後5時(毎週金曜日は午後8時まで。入館は各閉館時
間の30分前まで。)
【休 館 日】 毎週月曜日 ただし10月8日(月)は開館、翌10月9日(火)は閉館
【主 催】 日仏共同企画「ファーブルにまなぶ」展実行委員会(北海道大学
総合博物館、国立科学博物館、滋賀県立琵琶湖博物館、兵庫県立
人と自然の博物館、北九州市立いのちのたび博物館、フランス国
立自然史博物館)
【後 援】 文部科学省、外務省、フランス大使館、フランス政府観光局、ヴ
ォークリューズ県会、独立行政法人日本学術振興会、独立行政法
人科学技術振興機構、国際交流基金、NHK、読売新聞社、日本
分類学会連合、日本応用動物昆虫学会、日本昆虫学会、日本生態
学会、財団法人日本自然保護協会
【協 賛】 プロヴァンス・アルプ・コートダジュール地方庁、プロヴァンス
・アルプ・コートダジュール地方観光局、長島梱包株式会社
詳しくは下記をご覧下さい。
http://www.kahaku.go.jp/exhibitions/ueno/special/2007/fabre/index.html
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【特別展 「大ロボット博 〜からくりからアニメ、最新ロボットまで〜」】
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日本の伝統的な「からくり」をはじめ、二足歩行ロボットや産業用ロボット
などの世界最高水準にある日本のロボットたち、そして漫画やアニメに描かれ
る未来のロボットたちを展示し、日本経済の未来を牽引するロボット技術を科
学史的な視点から紹介する展覧会です。モノづくりの楽しさ、魅力を体感し、
日本の科学技術が描く夢の未来を体験してみよう!
【会 場】 国立科学博物館(東京・上野公園)
地球館地下1階特別展示室及び特別展第2展示室
【開催期間】 平成19年10月23日(火)〜平成20年1月27日(日)
【開館時間】 午前9時〜午後5時(毎週金曜日は午後8時まで。入館は各閉館時
間の30分前まで。)
【休 館 日】 毎週月曜日 12/28〜1/1及び1/15(ただし12/24、1/14は開館)
【主 催】 国立科学博物館、読売新聞社、日本テレビ放送網
詳しくは下記をご覧下さい。
http://www.kahaku.go.jp/exhibitions/ueno/special/2007/robot/
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【企画展「森のクラフト」】
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自然教育園では、子供たちがもっと植物に親しんでもらうため、 毎月第2・
第4 土曜日に「土曜自然教室」を開催しています。木や竹・木の実・落ち葉な
どを素材にしたクラフト作品を展示した企画展「森のクラフト」を開催します。
【会 場】 国立科学博物館自然教育園展示ホール
【開催期間】 平成19年11月3日(土)〜12月2日(日)
【開園時間】 午前9時〜午後4時30分(入園は閉園時間の30分前まで)
【休 園 日】 毎週月曜日(但し、紅葉の季節につき11月26日は特別開園)
詳しくは下記をご覧下さい。
http://www.ins.kahaku.go.jp/topicsimg/1193811700268.jpg
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【地域博物館等連携事業「科博コラボ・ミュージアム」】 実施のお知らせ
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国立科学博物館が地域の博物館等の文化施設と共催で、地域にゆかりのある
テーマで展示・講演会・体験教室などの博物館活動を行います。
【この実 何の実 きになる実 タネで楽しむ秋の植物
-科博コラボ・ミュージアムinいばらき-】
タネがテーマです。いばらきで秋を楽しもう!
【会 場】 ミュージアムパーク茨城県自然博物館(茨城県坂東市大崎700)
【開催期間】 平成19年11月3日(土)〜12月9日(日)
【休 館 日】 毎週月曜日
【主 催】 ミュージアムパーク茨城県自然博物館、国立科学博物館
【イベント】 その他、体験教室など豊富なイベントがあります。予約が必要な
ものもあります。
詳しくは、ミュージアムパーク茨城県自然博物館ホームページ
http://www.nat.pref.ibaraki.jp/g/event/071101/index.html
をご参照下さい。
【問 合 せ】 ミュージアムパーク茨城県自然博物館 TEL:0297-38-2000
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【糸魚川は大地のワンダーランド -科博コラボ・ミュージアム in 糸魚川-】
糸魚川で特徴的な、「ひすい」と「中生代の地層」がテーマです。
【会 場】 フォッサマグナミュージアム(新潟県糸魚川市一ノ宮1313)
【開催期間】 平成19年11月10日(土)〜12月2日(日)
【休 館 日】 毎週月曜日
【主 催】 糸魚川市博物館、国立科学博物館
【イベント】 11月10日(土)に講演会を、11月11日(日)に野外観察会(要事前
申込み)を行います。
※講演会の詳細及び野外観察の参加については、
フォッサマグナミュージアムホームページ
http://www.city.itoigawa.niigata.jp/fmm/をご参照下さい。
【問 合 せ】 フォッサマグナミュージアム TEL:025-553-1880
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【日本海のクジラたち -国立科学博物館コラボ・ミュージアム in 富山-】
日本海のクジラがテーマです。
【会 場】 富山市科学博物館(富山県富山市西中野町1-8-31)
【開催期間】 平成19年11月17日(土)〜12月16日(日)
臨時休館 12月3日(月)〜12月5日(水)
【主 催】 富山市科学博物館、国立科学博物館
【イベント】 11月17日(土)、24日(土)に講演会を、11月17日(土)、25日(日)
に体験教室(要事前申込み)を行います。
※講演会の詳細及び体験教室の参加については、
富山市科学博物館ホームページ
http://www.tsm.toyama.toyama.jp/event/nendo2007/2007_11event.htm
をご参照下さい。
【問 合 せ】 富山市科学博物館 TEL:076-491-2123
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【大人の総合講座「上 野 学 の ス ス メ」】 受講者募集中!
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<上野>について、自然科学にとどまらず歴史や文化、芸術、産業などにもふ
れる「上野学のススメ」の本年度、第2部を開催いたします。第2部は12〜3月の
火曜日の午後に計5回実施いたします。
会場は、クラッシックな雰囲気の日本館講堂です。みなさまの参加をお待ち
しております。
【会 場】 国立科学博物館 日本館(旧本館)2階 講堂
【対象定員】 成人の方 120名程度(第1部全5回参加可能な方)
【受 講 料】 2,500円
【応募方法】 全5回を通してご参加ください。
参加ご希望の方は、往復はがきに @郵便番号、A住所、B氏
名(ふりがなも)、C年齢、D電話番号、E友の会会員は会員
番号 を明記し、下記宛先までお申し込みください。応募者多
数の場合は、抽選のうえ全員の方に結果を通知いたします。
【締 切】 平成19年11月27日(火)(必着)
【内 容】 午後3時から1時間半程度(受付は午後2時30分から)
第1回 12月18日(火)「彰義隊は幕府軍か」
講師:寛永寺執事長 浦井 正明
第2回 1月22日(火)「不忍池をめぐって−歴史・自然・保存−」
講師:しのばず自然観察会代表幹事 小川 潔
第3回 2月5日(火)「下町の子どもの遊びと暮らし−路地・池
と水路・境内・まつり−」
講師:NPO法人たいとう歴史都市研究会副理事長 椎原 晶子
第4回 2月26日(火)「上野の山の近代建築史−上野から建築
の歴史が見えてくる−」
講師:国立科学博物館理工学研究部研究員 久保田 稔男
第5回 3月18日(火)「池波正太郎が育った上野、書いた上野」
講師:池波正太郎記念文庫指導員 鶴松 房治
【問 合 せ】 国立科学博物館 広報課「上野学のススメ」係
TEL 03−5814−9172
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◆ 科博関連メディア情報 ◆
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○ 11月25日(日) 16:34〜16:44
放送局 : SKY PerfecTV
番組名 : サイエンスチャンネル
内容 : 地球館の紹介番組です。
○ 12月2日(日) 15:34〜15:44
放送局 : SKY PerfecTV
番組名 : サイエンスチャンネル
内容 : 地球館の紹介番組です。
詳しくはこちらをご覧下さい。
http://sc-smn.jst.go.jp/
※放送日時、放送局は、関東地区を基準に記載しています。
放送予定ですので、放送局の都合により、変更・中止の場合もあります。
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★ メール募集中 ★
科博に関する思い出、展示物についての質問、特別展の感想など皆様からの
メールをお待ちしております。
宛先: magazine@kahaku.go.jp
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◆編集:国立科学博物館 広報・サービス部 広報課
◆発行:国立科学博物館
東京都台東区上野公園7−20
◆お問合せ:magazine@kahaku.go.jp
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