2020-03-30

日本人の貢献が大きいリチウムイオン電池の実用化


(1)暮らしを変えるリチウムイオン電池

図1:モバイル機器などで使われているリチウムイオン電池

 電気は便利です。スイッチ一つで、暗闇を照らし、家庭電化製品が働き、電車や車が走り出す。しかし、電気を沢山使うためには電源ケーブルを繋がなければいけません。電気を多量に貯めて持ち歩くことができればとても便利です。そのため電気の缶詰、電池の開発が進みました。そして現在、携帯電話やノートパソコンの電源として活躍しているのがリチウムイオン電池です(図1)。近年では、i-MiEVやリーフなどの電気自動車や航空機、人工衛星にまで搭載されるようになりました。
 リチウムイオン電池は繰り返し充電できる電池(二次電池)です。未だにガソリン車等に使われている鉛蓄電池や従来懐中電灯などに使われていたニカド(Ni-Cd)電池に比べて、さらに現在もプリウスにも使われているニッケル水素電池(この電池の開発・商品化にも日本が大きく貢献しています)に比べても、倍以上電圧が高く、重量当たりの電池の容量も大きく、モバイル機器の小型化と軽量化に大きく貢献してきました。1991年にソニーが初めてリチウムイオン二次電池を商品化し、京セラの携帯電話に採用されました。翌年には旭化成と東芝、東芝電池との合弁会社であるエイ・ティバッテリーも販売を開始、その後三洋電機やパナソニックも量産化を開始し、各社のビデオカメラやデジタルカメラ、ノートパソコンなどに使われるようになり、2010年頃までは日系企業による寡占状態でした。