Date: Thu, 11 Sep 2002 22:12:23 +0900
Subject: Re:滑車の新しい原理を発見しました
From: 館長
To: 近所の小学生

 う〜ん。なつかしい間違いじゃの。間違いの定番といわれているものじゃ。みんなこれにはよく引っ掛かる。だから科学少年、悪いが引っ掛かるわけにはいかんのじゃ。しかし自分でやってみるということはとても大切なことじゃ。ちょうど1対1で釣り合うようにオモリを調整するなど、よく考えてあることはほめてつかわす。なに?どこが間違いなのか分からないじゃと。定滑車のオモリに釣り合っているのは動滑車のオモリだけなのかな、動滑車を支えている力はどこから来ているのかな、よおく観察してみよう。

 
◆こたえ
 動滑車の重さがオモリと同じになっており、法則通り定滑車側のオモリが2分1になっている。

◆解説
 図2-1のように、動滑車をつり下げているロープをそれぞれ60°傾けて引っぱる場合、引っぱる力の大きさと方向を矢印で表すベクトルを使うと考えやすくなる。図2-2のように上向きと下向きで釣り合っている力をFaとFa'とする。力をそれぞれbとb'の方向に分解するために、図のようにFa'の端点を頂点とする平行四辺形を作図すると、図2-3のようにFbとFb'に力は分解される。この場合、力は正三角形の一辺であるため、力の大きさは下向きの力と等しい。2人で荷物を持つときは仲良く並んでということを意味する。

軽くならない同滑車