Date: Thu, 11 Sep 2002 22:12:23 +0900
Subject: Re:新居へお越しください
From: 館長
To: 新築した教え子

 新築おめでとう。さっそく遊びに行かしてもらおうかのう。しかしじゃ、お化けの正体はわざわざこのわしが出向かわなくともわかることじゃぞ。あわてん坊の電気屋さんが、大方おやつの時間でも気になって、まちがって配線を仕上げてしまったというところじゃろう。「60Wの方が100Wのものより明るい」となどと書いておるが、それがそのまま事実を語っておるではないか。「並列」とか「直列」とかいえば、わしの弟子ならば察しがつくであろう。では、今週末までに直しておくようにな。
 
◆こたえ
 左の100Wと60Wの配線をよく観察すると直列になっていて、オームの法則により100Wにかかる電圧が低くなり、それで暗くなっている。
 

◆解説
 60Wと100Wの電球の抵抗を計算すると、それぞれ167Ω、100Ωである。並列回路では60Wと100Wの電球はともに100Vの電圧がかかり、それぞれ0.6Aと1Aの電流が流れる。60Wと100Wを直列につなぐと100V÷(167+100)Ω=0.37Aの電流が流れ、それぞれ62.5Vと37.5Vの電圧がかかる。結果、直列回路の電球が並列回路よりも暗く、直列回路の100Wの電球が60Wよりも暗いことになる。実際には直列回路の場合、抵抗、電圧、電流はフィラメントの温度と関係して変化するが、ここでは一定とした。

オームの法則の例外(明るさくらべ)