日本人の歴史とともに顔の骨も変わってきた。縄文時代から現代まで、幅広で頑丈そうな顔から、細長く華奢そうな顔になってきた。では、見かけだけでなく、内部構造も変わってきているのだろうか。それを知るには、レントゲン写真を撮ってみるのがよい。昔の人と生きている人との比較もできる。なお、レントゲン写真で、前方正面から撮ったように見えるのは、実は、顔の前にレントゲンフィルムを置いて、後方1mほどに設置した線源からレントゲン線を照射して撮ったものである。

江戸時代人男性
(標本・国立科学博物館/撮影・神奈川歯科大学放射線科)

 骨の内部構造

 頭や顔の骨の内部は均一ではなく、表面近くの緻密質と中の海綿質とに分かれている。海綿質の部分には、骨の間に隙間があり、骨髄が詰まっている。頭や顔の骨の大部分は、2枚の緻密質の板の間に海綿質を挟んだサンドウィッチ構造になっている。その骨サンドウィッチは、頭では厚く(5mmほど)、顔では薄い(1〜3mmほど)ところが多い。ただし、上顎骨や下顎骨ではとくに厚く、1cmを越えるところもある。また、鼻の周辺には副鼻腔という空気の入っている部分もある。