ヒトはゾウと似ている

 さて、私たち自身はどうだろうか。胴体はやや細長いが、直立しているので楽に支えられる。脚もまっすぐである。つまり、ヒトの身体のデザインはゾウと似ている。ちなみに、ゾウを後ろから見ると、太いズボンをはいた人間とそっくりである。なお、ヒトもゾウも足にアーチがあるという共通点がある。
 では、なぜ、ゾウほど大きくないヒトがゾウと同じ構造なのだろうか。それは、ヒトが腕という移動にはほとんど役に立たないデッドウェイトを背負って、二本足だけで立って歩いているからである。そのために、ヒトは相対的には大型動物と同じなのだ。ヒトが何とか自慢できるのは、長距離を歩くことである。ヒトも走ることができるが、あくまで二次的な能力であって、ネコやウマから見れば小走り程度にすぎない。

 ヒトは手を使って食物を捕らえ口に運ぶので、顔は前に長く伸び出すことはないし、頸も長くない。この点でも、ヒトはゾウとそっくりである。牙と鼻を取ったゾウの横顔は、口が引っ込んで、額と顎の先がでっぱっており、ヒトの横顔を連想させる。
 なお、ゾウの額は丸く膨隆するので、頭が良さそうに見えるが、実は中身の大部分はガランドウで骨が中空ブロックのようになっている。このような構造は、長大な牙を支えるためのものである。だが、頭の大部分が中空とはいえ、ゾウは脳自体も非常に大きく、頭が良い。その点でも、ヒトはゾウと似ている。いや、こればかりはゾウがヒトと似ていると主張したい。

図2 動物の骨格構造 ヒトはゾウと似ている。
ゾウ ヒト ウマ