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今、面白い万華鏡をたくさん作り出しているのはアメリカの作家たち。しかし日本の万華鏡作家も負けず劣らず楽しい万華鏡を作っている。
この展覧会場に並んだ作品はすべて日本人作家の手になるものである。いくら綺麗な万華鏡を作っても万華鏡作家とは呼べない。綺麗な鏡を使って作れば誰もがみんな楽しい万華鏡を作り出せるからだ。東京渋谷にある日本万華鏡博物館では、6歳の幼稚園年長さんから91歳までの方が、あっというまに美しい万華鏡を手作りしている。
必要なのはアイデア。どれだけ楽しいアイデアが万華鏡に入っているかが、作家の腕になる。万華鏡の形、使う素材、ミラーの組み方による映像の変化、ミラーの枚数による変化、アイデアは無限である。他人の真似をするなんて、そんなことをしている暇はない。
しかも作家は常に新しいアイデアの万華鏡を作り続けていかなければならない。さらに自分の作ったものが他人に気に入られて、買ってもらわなければ、作家としての存在価値がなくなる。結構、万華鏡作家は辛いのである。その辛ささえも楽しさに変えて作られた万華鏡が、これだけ並んでいる。
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