ごあいさつ



 化石は魅力的なものです。それは生物進化の証であり、また数千万年、数億年の時代を超えて甦り、私たちに当時の出来事を語ってくれます。

 この特別企画展では、スウェーデン王立科学アカデミーのクラッフォード賞を受賞したドイツ、チュービンゲン大学アドルフ・ザイラッハー教授とそのグループが世界各地で製作した化石レリーフと故川下由太郎氏が収集された我が国最大の北海道産アンモナイトコレクションならびに最近のアンモナイト研究の成果を紹介し、化石に魅了された人々のロマンに満ちた太古の化石生物の謎解きと思考の過程を伝えます。また、本展示会に出品される展示物の不思議な形とそれを構成する鉱物の輝きは芸術的でもあり、その美しさを堪能していただけることでしょう。

 この展示会を通じて、古生物学に親しみをもち、生物進化の謎を考える機会にしていただければ幸いです。


国立科学博物館長代理
河上恭雄



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