ハプト藻類 撮影:井上 勲

海藻などの植物ベントスが浅い海にしか生きられないのに対して、顕微鏡でなければ見えない微小な藻類は、海中に浮遊して生活することができるので、光さえ届くところなら地球上のすべての水域に分布している。流氷の下ですらさかんに繁殖しているものがある(アイスアルジー)。このような浮遊性の植物を、植物プランクトンとよんでいる。植物プランクトンには、藍藻、原核緑藻、紅藻、クリプト藻、黄金色藻、ラフィド藻、真正眼点藻、珪藻、渦鞭毛藻、ハプト藻など実に多様な生物が含まれる。そのなかでも海洋動物に有害な赤潮を形成する渦鞭毛藻や二酸化炭素を吸収して円石と呼ばれる炭酸カルシウムの殻をつくるハプト藻などは地球規模の環境を左右する影響力を持つ重要な存在である。 baison.jpg (5326 バイト)