Hirotsugu Ono

小野 展嗣(おの ひろつぐ)
動物研究部
名誉研究員


日本に1,500種もいる

クモのなかまは日本からおよそ 1,500種が知られていて(世界には 43,000 種)、私が編纂した『日本産クモ類』(東海大学出版会、2009) という図鑑にほぼ全種が載っています。これまで国内外から300ちかい 新種を記録しました。

生命線は「糸」そして武器は「毒」

進化したクモが糸で織りなす「網」はまさに一級の芸術品です。クモは糸を介して「空中に静止する」という他の動物には真似のできない技を持っています。狩猟性のクモが自分より大きい獲物を(毒の)一撃で倒すのも圧巻です。

ハラフシグモ類

化石で知られる古生代のクモとおなじ形態をしたシーラカンス級の動物です。謎の多いこのクモの先駆的な研究をめざして、九州、沖縄からタイ、マレーシア、ベトナムなどを歩きましたが、全体像はなかなかつかめません。よくいえば研究の醍醐味ですが、苦行にちかいものがあります。

1754357128643コガネグモ Argiope amoena ジョロウグモと女王の座を争う
カニグモの一種カニグモ科の1種 Xysticus striatipes
狩猟性のクモ(ヨーロッパ産)
ハラフシグモハラフシグモ科の1種 Liphistius owadai
クモの進化解明の鍵を握る原始的なクモ(タイ国産)
セアカゴケグモセアカゴケグモ Latrodectus hasseltii
オーストラリア原産の外来種(有毒)

研究員に聞いてみました!

小野博士
1)専門は何ですか?

進化・多様性生物学です。大きいテーマは『節足動物の系統』。なかでもとくに鋏角類(クモのなかま)に重点を置いています。

2)研究者になろうと思ったきっかけは何ですか?

今思い返すと中学1年生のとき。顕微鏡の下で観るゾウリムシやツリガネムシなどの原生 生物の複雑な形態や不思議な動きに魅了され、漠然とそのように思うようになりました。

3)最近の研究活動で、最も興味深かった出来事は何ですか?

ベトナム南部の調査の折に、定説をくつがえす発見をしました。おもわず Punch the air! その後、外国の研究者との共同研究になりましたが、欧米の人が後を追ってくるのは 気持ちが良いですね。国際賞も頂きました。

4)研究者になりたい方に一言アドバイスを !

勉強しすぎないこと。本を読みすぎて個性を失い評論家タイプの学者になってしまう人が意外に多いと思います。また理科偏重でなく 歴史や芸術を理解して創造力を培うこと。そしてなにより日本語を大切に。英語以前の問題です。

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