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くらもち  としあき
倉持 利明部長
南米チリで
裂頭条虫を調べる

研究員に聞いてみました
1)専門は何ですか?
寄生虫と呼ばれる動物(扁形動物の吸虫類や条虫類、線形動物の線虫類、輪形動物の鉤頭虫類など)の分類や動物地理の研究をしています。
2)研究者になろうと思ったきっかけは何ですか?
研究を目指すきっかけと言えば、就職先の水族館でイルカの飼育係になったことでしょうか。後には仕事を辞めて再び大学へ行くのですが、自分が思うままにやりたいようにやっていたら、もはや後戻りができなくなっている自分がいました。
3)最近の研究活動で、最も興味深かった出来事は何ですか?
南米チリでの裂頭条虫調査では、チリに本当に広節裂頭条虫がいること、サケ科の魚が生活史に関わっていること、ヒトへの感染源になっている可能性があることが確認されましたが、さらに不可解なことに気付きました。ヒトだけが終宿主であるとすると、報告されている患者の数に比べて魚からとれる幼虫の数が多すぎるのです。ヒト以外に、広節裂頭条虫の終宿主が存在する可能性が出てきました。
4)研究者になりたい方に一言アドバイスを!
顕微鏡のようなミクロで緻密な眼をもつことは重要ですが、それだけでなく広角レンズや魚眼レンズのような、世界を広く眺められる眼も必要だと思います。そのための訓練を心がけてください。
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