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生命進化史研究グループ
 つ い ひ じ   たかのぶ
對比地 孝亘研究主幹
解剖学から迫る恐竜類の進化

化石だけ見ていてもわからないこと 恐竜類の化石は様々な形で私たちを魅了します。その骨格からは、彼らの進化に関する様々な情報が得られます。しかし、恐竜類がどのような動物であり、どのような生活をしていたかを知るためには、化石を見ているだけでは不十分です。例えば動物が歩くためには、筋肉が骨の間の関節を動かさなければなりません。嗅覚や視覚は、感覚器で受け取られた刺激が神経を通して伝えられ、脳で処理されます。このような構造は柔らかい組織でできているため普通は化石に残りません。そのため、それらの形や大きさを復元するためには、今生きている動物からの情報で補う必要があります。比較解剖学の重要性
        恐竜類の一部は鳥類として今も生き残っています。またワニ類も恐竜類と同じ主竜類に含まれる現生分類群です。これらの動物を解剖することにより、筋肉やその他の柔らかい組織からできている器官の形や骨との関連性(付着している部分の骨の形など)の情報を得ることで、恐竜の骨格からそれらの形態やある程度の大きさを推定することができます。このような推定は、恐竜が生きていた時にどのような動きをしていて、またどのような感覚が重要であったかについての示唆を与えてくれます。もともとヨーロッパ諸国において、恐竜類を含む化石脊椎動物の研究は、比較解剖学の中の分野として発展してきた歴史がありますが、解剖は現在でも古脊椎動物学の基礎を成す必須の要素なのです。
研究員に聞いてみました
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1)専門は何ですか?
化石分類群の骨学や、現生種の筋肉系の解剖学を中心とした爬虫類の比較形態学です。特に首の進化的変化に興味を持っています。
2)研究以外の趣味や熱中していることはありますか?
2つのG、Godzilla(ゴジラ)とGiants(東京読売巨人軍)です。
3)研究する上で一番大事だと思うことは何ですか?
絶え間ない努力だと思います。形態学はコツコツと努力することが報われる研究分野です。
4)座右の銘や本などがあればご紹介ください
実るほど頭を垂るる稲穂かな
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