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カワゴケソウの進化の研究

加藤 雅啓

1. カワゴケソウ(川苔草)科の特徴
(1) 生えているところ=「川」の早瀬の岩の上
(2) 姿かたち=「コケ」のような姿であるが、花が咲く顕花植物(「草」)
(3) 一年の生活=水位の高い雨期(夏)は水中で成長し、水位が下がる乾期(冬)は空中に露出し枯れるが、その前に開花し結実する(4参照)
左:乾期に植物が露出しはじめた(ガイアナ)、中:帯状の根(緑)、右:葉状の根(緑)
2. カワゴケソウの祖先
オトギリソウの一種 オトギリソウ科から2,600万年前に進化したことが分子系統解析からわかった(Forestら2009)

3. コケのような姿
(1)緑色の葉状の体は、光合成できるように特殊化した根であり(根冠がある)、根の上の突起が本来の葉である。
(2)葉は根の内部で、周囲の細胞が崩壊・消失しながらつくられる
4. 植物のつくり(基本設計図)が変わっている
植物のつくり(基本設計図)が変わっている
(1)根の上に葉ができる(2参照)
(2)根の上に花が咲く
(3)成長方向を上下軸から水平軸に切り変えた
5. カワゴケソウ科の保護
(1)天然記念物として保護されているが、実現は
(2)特有の環境が破壊されると簡単に絶滅する(下図)

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名前(なまえ)

加藤 雅啓(かとう まさひろ)

植物研究部長
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