魚類学入門


Database for Aquatic-vertebrate Science



執筆:松浦啓一

多くの魚は鱗をもっています。鱗にはいろいろな形や構造のものがありますが、最も多く見られるのは櫛鱗(しつりん)と円鱗(えんりん)です。櫛鱗は鱗の後部に小さな棘(きょく)をもっていますが、円鱗の表面はなめらかで棘をもっていません。アジ科の魚は体側に稜鱗(りょうりん)と呼ばれる特殊な鱗をもっています。稜鱗は鋭く尖っていて、山の稜線のように見えます。

櫛鱗(タカベの櫛鱗:電子顕微鏡写真)


上段の写真は右にいくにしたがって拡大。下段は上段の赤枠部分の拡大写真。上段左:鱗の全体写真、白線は1mm。上段中央:鱗の後部の拡大。上段右:年輪のような模様と棘がある。下段中央:小棘の拡大写真。

円鱗(ギンブナの円鱗:電子顕微鏡写真)

写真は右にいくにしたがって拡大。左:白線は500ミクロン。