ル ア − を 使 う


キアンコウ Lophius litulon 撮影:野村智之


 釣り人にはおなじみのルアー(疑似餌)という道具がある.魚の餌となるイカや小魚,ムシなどに似せて作った釣り道具である.魚のなかにもルアーを使うものがいる.アンコウは背鰭が変化したエスカという器官を頭の上にもっている.アンコウは海底の砂の中に隠れ,エスカを上にのばして先端を激しくふり,ムチのようにしなやかに動かす.すると,エスカはまるで水中をうごめく小さな動物のように見える.このエスカの動きに誘われて魚が近づくと,アンコウは突如として正体を現し,大きな口をあけて獲物を食べてしまう.
 キアンコウは1mに達する大きな魚である.頭の上にある長くのびた背鰭はエスカという特殊な器官で,疑似餌の役目をしている.アンコウの仲間は口が大きく,相当大きな餌ものみこむことができる.キアンコウは北海道以南の日本各地から東シナ海の海底に生息している.

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