魚の仲間


  好んで泥をなめている魚にはボラ,ムツゴロウ,トビハゼといった仲間がいる.なめているというよりは食べているといったほうが適当であろう.もっと正確にいえば泥の中に含まれるを有機物や小さな生物を食物としているのである.温帯域の浅瀬にすむボラの仲間は泥ごとエサをとるので,内臓(胃)もすこし変わっている.干潟にいるムツゴロウやトビハゼといったハゼ類も長時間泥の上で生活するために,胸鰭の使い方や呼吸方法に特殊化がみられる.


群れをつくるボラMugil cephalus cephalus〜ボラの胃はエサとなる有機物を不要の泥からわけるために特殊化しており,外見上はソロバンの玉のようになっている.「ボラのヘソ」と呼ばれる部分はこの肥大した胃である.(撮影:野村智之)


泥をなめる最中のムツゴロウBoleophthalmus pectinirostris〜ムツゴロウは干潟の生活に適応した魚である.泥底に穴をほってその中にすむが,干潮時には泥の上を這ったり,飛び跳ねたりする.(撮影:田北 徹)

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このページは、 2000/09/09に制作されました。
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