ハネカクシ談話会ニュース No. 9
The Newsletter of the Staphylinidological Society of Japan, No. 9

1999年9月25日発行
The Newsletter of the Staphylinidological Society of Japan
ハネカクシ談話会ニュース No. 9
25 September 1999
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事務局からの連絡
 暑い夏も去り,会員の皆様も今年採集した標本をそろそろ整理され始めたのではないでしょうか.それでは,ハネカクシ談話会ニュース第9号を,お届けすることに致します.
(1).新幹事のご紹介
 ハネカクシ談話会の幹事に,岸本年郎さん(東京農業大学)が,新たに加わりました.岸本さんには,会計と会員住所の管理をやって項くこととなりました.
(2).会費および退会についての連絡
 会費と退会について,幹事会にて議論しまして,以下のようにしたいと思いますので,ご理解とご協力のほどお願い申し上げます.(年会費の20円値上げ等については,第4回例会において,ご出席の会員のご了解をいただきました.)
 2a.会費は,2000年度から,500円です.会員の方によっては,稀に520円とか,560円とか,半端な会費を送ってこられる方がいらっしやいますが,会は現在,赤字の運営(たとえば,印刷代は事務局払い)となっていますので,半端な額は,会へのカンパとみなさせてください.1,000円送って頂いたら,当然,2年分の会費として処理します.
 2b.年会費が,20円高くなりましたが,2000年度以降の会費をすでに納入の方は,“次回会費を振り込まれるときで”結構ですので,1年につき20円の不足分を振り込んで頂ければ幸いです.
 2c.会費の納入状況は,ニュース発送の際の各人の住所の下に記入させて頂きましたので,今年度の会費の未納の方は,早めに納入頂ければ幸いです.なお,手違い等により,記入されている年度が間違っている場合,お手数ですが,事務局までお知らせください.
 2d.2年間会費を未納されている方は,原則として認定退会とさせて頂きます.
2000年度からの会費(年会費500円)は,以下の郵便振替で,納めて頂くようご協力お願いします.
加入者名:ハネカクシ談話会;口座番号:00170−2−145635
 例会や採集会などでの現金での納入も可能です.
(3).ハネカクシ談話会関西支部活動のご案内
 11月28日(日曜日)に,大阪市立自然史博物館にて,1999年度の例会が開催されます.ご参加希望の方は,関西支部事務局の林靖彦さん(p. 8)まで,連絡をとってください.
(4).新入会員
 斉藤修司 〒960−0231 福島県福島市飯坂町平野字北ノ内屋敷17
 島田孝 〒156−0054 東京都世田谷区桜丘1-1-1 東京農業大学昆虫学教室
(5).訃報
 本会の会員の中根猛彦先生が,1999年5月26日にお亡くなりになりました.謹んでご冥福をお祈り致します.
 中根先生は,甲虫全般を研究されてこられましたが,ハネカクシについても,オオキバハネカクシ亜科(Nakane and Sawada,1956),Phylidrodes属(ヨツメハネカクシ亜科;(Nakane and Sawada,1956),Megalopsidia属(メダカオオキバハネカクシ亜科;Nakane,1957)などの分類再検討をはじめ,多くの新種記載的研究をしてこられました.上で引用した中根先生のハネカクシについての代表的論文を,改めてご紹介したいと思います.
 Nakane,T.and K.Sawada.1956.A revision of tbe subfamily Oxyporinae in Japan(Coleoptera:Staphylinidae). Sci. Rep. Saikyo Univ.,2(2):Al16−126.
 Nakane,T.and K.Sawada.1956.On the genus Philydrodes Bernbauer in Japan with descriptions of a new subgenus and several new species. Sci. Rep. Saikyo Univ., 2(3):A181−186.
 Nakane,T.1957.Eine neue Art der Gattung Megalopsidia aus Japan. Ins. Matsu., 21(1/2):53−55.(現在は,Megalopinusの属名が用いられている.)

ハネカクシ談話会1999年度採集会へのご案内
採集会日時:1999年10月30日(土曜日)〜31日(日曜日)
宿泊:両神山荘(埼玉県両神村日向大谷:TEL:0494-79-0593);宿代7,000円(飲み物代を含まない)
採集地:両神山(1724m)は,秩父山魂の北に位置する高峰で,中腹以上には素晴らしい原生林が広がっています.今回は,宿から清滝小屋方面へ向かって採集を行う予定です.宿への交通:最寄りの駅は,秩父鉄道(三峰口駅)ですが,ここから直接日向大谷へ乗り入れる交通機関はありませんので,タクシー(約40分,約5,500円)を使った方が無難のようです.多くの方は,車でお出でになると思われますので,車の便のない方は,早めに幹事の方へいって頂ければ,便乗できるよう手配いたします。
 参加ご希望の方は,野村周平氏(科博)03-3364-7126までご連絡下さい.10月15日ぐらいまでにご連絡頂くと,大変助かります.
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ハネカクシ談話会第4回例会の報告

 第4回例会が,7月25日中央博物館で開催されました.参加者は,以下の15名です:新井志保,小田博,岸本年郎,柴田泰札島田孝,豊田浩二,直海俊一郎,直海昌子,西川正明,野村周平,Volker Puthz,Marianne Putbz,吉崎真紀,吉田進,渡辺崇.
 事務局連絡,1人1話のあと,以下の3名の方の講演がありました.

(1).Volker Putbz(Schlitz,Germany):メダカハネカクシ亜科Steninaeの研究の現状
1-a.全世界のヒョウタンメダカハネカクシ属 Dianousハネカクシについて
 ヒョウタンメダカハネカクシは約200種から構成される大きな属であり,主に東洋区の山岳部に分布する.そのうち,78種が中国に分布している.
 ヒョウタンメダカハネカクシは,2群に大別される.その第1群は,外形がメダカハネヵクシに良く似ているものである.すなわち,複眼間が深く窪み,その中央部は強く隆起せず,複眼は非常に大きく,側頭部はないか,あっても非常に狭いという特徴を持つ.他方,第2群では,複眼間は深く窪まず,単に2つの縦長の溝が走るだけである.また,複眼の発達の程度は,第1群に比べ弱く,側頭部は明瞭に発達する.ただし,第1群と第2群の中間的な形態を持った種も存在する.すなわち,D. corticicola Puthz, D. kinabalumontis Puthz, D. naicus Puthz, D. smetanai Puthzの4種では,複眼間の窪みの程度や,側頭部の発達の程度が,中間的な状態を示す.(現段階では,最初の種は,暫定的に第1群に,後の3種は,第2群に分類されている.)
 第1群には,ヒョウタンメダカハネカクシの約30%が含まれる.第1群は,それ以上の亜群には分けがたく,1つの大きな複合群を形成していると考えられる.第1群は,大きく発達した複眼ばかりでなく,ふ節が単純,第9腹節および雄交尾器の構造が均質,体表面の彫刻模様が均質であることなどで,特徴づけられる.
 第2群には,ヒョウタンメダカハネカクシの残りの約70%が含まれる.第2群内の形態的多様性は高く,D. carceatus複合群,D. yunnanensis複合群.D. lobogerus群,D. aereus-D. andrewsi複合群,D. ocellatus複合群,D. chinensis複合群,D. coerulescens複合群という7つの複合群に区分可能であるが,それにもかかわらず,第2群は,おそらく単系統群であると考えられる.
 日本産ヒョウタンメダカハネカクシはいずれも,第2群に属する.D. moritai Naomiは,D. carceatus複合群に,D. yoshidai Naomiは,D. chinensis複合群に,D. japonicus Sawada,D. viridicatus Naomi,D. shibatai Sawada, D. Iwakisanus Watanabe,D. gongen Watanabe,D. morimotoi Naomi,D. amamiensis Sawadaは,D. coerulescens複合群に属する.
1-b.メダカハネカクシ属ハネカクシの下唇前基節の構造について
 メダカハネカクシの下唇(labium)前基節(prementum)は,著しく長く,その先端部の側舌(paraglossa)に粘着物質を出す腺がある.メダカハネカクシは,その腺から分泌される物質を用いて,獲物を狩る.すなわち,獲物(たとえば,トビムシなど)が近づくと,メダカハネカクシは,勢いよく下唇前基節を前方に突き出し,粘着物質で獲物を捕らえ,.下唇前基節を引っ込めることによって,獲物を大あごでくわえ直し,それから,餌の体液をすう(次のページの図参照).この非常に興味深いメダカハネカクシの下唇前基節の構造と機能がBetzによって詳しく研究された(O. Betz,1998:Comparative studies on the predatory behavior of Stenus spp.(Col.,Staph.)−the significance on its specialized labial apparatus.J.Zool..244(4):627−544.).
 下唇前基節の構造は,機能形態学的に非常におもしろいが,側舌の横造は,分類学的な形質としても利用できそうである.たとえば,東洋のメダカハネカクシでは,その構造に2型,すなわち卵型(oval form)と円錐型(coniform)が認められる.卵型は通常型で,円錐型が特殊型である.円錐型の側舌は,日本産メダカハネカクシでは,S. bicolon とS. coronatus(zipanguensis亜種) の2種においてのみ認められる.最近,卵型および円錐型のいずれにも属しない型の側舌をもったメダカハネカクシが,南アメリカから見出された.日本産のS. sharpi Bernhauer et Schubertもいずれの型に属さない側舌を持っていて,今後研究される必要がある.
1-c.日本産メダカハネカクシ亜科の研究史
 現在,日本産メダカハネカクシ亜科は,2属207種(ヒョウタンメダカハネカクシ属9種;メダカハネカクシ属198種)から成り立っている.このうち,155種が日本列島にしか分布していない固有種であり,他の52種が,日本と他の地域から見出され,多少とも広域にわたる分布を持つ種である.生物地理的な起源が判明している種に,以下の種などがある.
 S. biguttatus, S. clavicornis, S. ruralis, S. boops, S. melanariusなどは,北方系の種であり,旧北区あるいは全北区に分布する.後麹はよく発達している.S. humilis群に属するメダカハネカクシは18種知られている.これらのうち4種が,旧北区あるいは全北区起源であり,他の14種は,日本列島固有種である.S. sexualisは,アフリカからインドにかけて多くの種が分布する種群に含まれる.Tesnus亜属は2つの単系統群を含み,いずれも全北区起源であるが,日本からは,2種知られている.

(2).岸本年郎(東京農業大学):日本産ヒゲブトハネカクシ亜科(Aleocharinae)Homalotini族Gyrophaenina亜族の分類学的研究
 日本産Gyrophaenina亜族には,以下の5属52種が認められた:Brachida属(3種;そのうち1種が新種),Adelartura属(1新種),Sternotropa(1新種),Phanerota(1種),Gyrophaena(46種;そのうち26種が新種).系統解析の結果,属間の系統関係は,(Brachida + ((Sternotropa+Adelarthra)+(Gyrophaena+Phanerota)))という樹形で表わされることが解かった.

(3).柴田泰利(町田市):日本産ハネカクシ亜科Staphylininaeハネカクシ族Staphylininiコガシラハネカクシ亜族Philonthinaの分類学的研究
 日本産コガシラハネカクシ亜族は,10属112種からなる.その構成は,以下の通りである:Neobisnius属(3種),Erichsonius属(10種),Philonthus属56種(Onychophilonthus亜属2種.Philonthus亜属54種),Rabigus属(1種),Gabronthus属(3種),Bisnius属(7種),Gabrius属(20種),Hesperus属(4種),Cafius属(7種),Belonuchus属(1種)
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ズグロメダカハネカクシの生息環境について
豊田浩二*

 Stenus flavidulus (SHARP) ズグロメダカハネカクシは,本邦産メダカハネカクシ類の中ではその美麗かつ特異な色彩により他種とは容易に区別ができる種であるが,採集例は決して多くないようである.基亜種のS. flavidulus flavidulusは本州,八丈島及び屋久島から知られており,さらにNAOMI(1990)により東洋区に広く分布する亜種S. flavidulus paederinusが奄美大島と沖縄本島より見出されている.
 筆者は去る1997年に関東地方の平野部において,複数の本種を目撃,採集する機会に恵まれた.また,1998年と1999年の春季に八重山群島の西表島でも多数の個体を得ることができたので,記録と共にそれぞれの生息環境について報告する.
 基亜種S. flavidulus flavidulus が得られたのは埼玉県内の湿地環境4ケ所からであるこのうち多くの個体が観奏された東松山市毛塚の湿地では,田んぼ脇にあるアシとミゾソバの入り混じる植生で,水際の地表部に近い草上にみられた.また,他の3ケ所はいずれも丘陵地の谷津環境であり,スゲ類が生い残る湿地であった.しかしながらこの3ケ所では本種の個体数は非常に少ないようであり,多数のStenus cicindeloidesアシマダラメダカハネカクシに混じって1個体づつが得られただけである.
 西表島で亜種S. flavidulus paederinusが得られたのは,低地に広がるスゲ類が繁残した湿地である.泥水の中ににスゲが辛うじて根をおろしているような状態であり,足を踏み入れるとヒザまで沈むような場所で,スゲの根際や実の隙間を調べたところ非常に多くのゴミムシ類やハネカクシ類に混ざって多数の個体が観察された.
 それぞれ植生こそ違うが,水際に近い場所で草上を排掴する様子は同様であり,両亜種の生息環境には差異がほとんど無いものと思われる.食性に付いては不明であるが,今後詳細な観察が望まれる.また,八重山群島からの記録はこれまで無いようであるが,スゲ類が生い残る湿地環境を調べることでさらに記録されるであろう.以下にデータを示す.
1.Stenus flavidulus flavidulus(SHARP)ズグロメダカハネカクシ
 16頭,31.ヲ.1997,埼玉県東松山市毛塚,新井志保,石川忠及び筆者採集.直海俊一郎及び筆者保管.2頭,12.ィ.1997,同所;1頭,14.iii.1998,同県嵐山町古里柏木沼;1頭,10.ィ.1998,同町将軍沢;1頭,31.ィ.1998,同県飯能市天覧山,いずれも筆者採集.保管.なお,嵐山町の記録は同町教育委員会の博物誌動物相調査で得られたものである.
2.S. flavidulus paederinus CHAMP10N ズグロメダカハネカクシ(亜種)
 58頭,29.IV.1998,沖縄県竹富町西表島中野,筆者採集.保管.14頭,2.V.1999,同所,新井志保及び筆者採集.直海俊一郎及び筆者保管.
 末筆ながら,本種についてご教示いただいた千葉県立中央博物舘の直海俊一郎博士に,また,記録の公表について快諾された東京農業大学昆虫学研究室の新井志保,同大学院の石川忠の両氏及び嵐山町教育委員会博物誌の関係諸氏に厚く御礼申し上げる.

参考文献
NAOMI,S.,1990.Studies on the Subfamily Steninae(Coleoptera,Oxyporidae)fromJapan.Elytra, Tokyo, 18 (2): 197-207.
*(〒355−0221埼玉県比企郡嵐山町菅谷686)
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ハネカクシ研究家の横顔.4:David.H.Kistner博士

 David H.Kistner博士は,長年,好白蟻性ハネカクシおよび好蟻性ハネカクシの研究を,Califbrnia State University(1971年以前の論文の住所は,Chico State Collegeとある.)でやってこられたことと同時にSociobiologyの編集長であるということで,有名な昆虫学者です.Alzada.C.Kistner(1998)のカバー(p. 8の書評参考)の解説によると,博士は,これまでに,200本以上の論文を書き,その中で約160新属500新種のハネカクシを記載してこられたとのことです.
 彼のアフリカでの野外活動については,奥様の著書の書評の中で触れるとして,ここでは,彼と日本産ハネカクシおよび日本人研究者との関わりを,簡単に述べてみたいと思います.彼は,1965年の8月に,奥様のAlzada C.Kistnerと御令嬢のAlzada H. Kistnerの3人で,福岡県英彦山で約3週間,好蟻性生物の研究をされています(Kistner,1971).最大の目的は,Aspidobactrus claviger Sharpの採集にあったようです.残念ながら,この種は,採集できませんでしたが,約500匹の好蟻性生物を採集されたとのことです.ただし,この種は,彼らが英彦山を訪れた1年後の1966年に,原記載後初めての追加個体が,同地から採集されました(Naomi,1986,Proc.Japn.Soc.Syst.Zool.,34:50).
 Kistner博士は,九大の安松京三博士の依頼を受けて,1969年に,ミカンハダニやスギハダニの天敵であるOligota属の日本産ハネカクシの1新種(O. yasumatsui Kistner)を,記載されています(Kistner,1969).1971年には,安松京三博士の退官記念論文集に,1論文を投稿されていて,そこで,Zyras haworthi Stephens,Pella japonicus(Sharp),Pella comes(Sharp),Falagria myrmecophila Sharpの分類および生態について,論じておられます(Kistner,1971).
 彼の好白蟻性生物と好蟻性生物の総説は,1969a年と1979年に発表されていますが,そのうち,前者の論文は,岩田隆太郎氏によって1991年に翻訳されています.なお,私と岩田氏は,共著で,Kistner博士に献名した新属新種(Kistnerium japonicum)のハネカクシを発表しています(Naomi and Iwata,1996,Sociobiology., 28:73−81).
 現在も,カリフォルニア州立大学の名誉教授として,お元気で活躍されていると聞きます.ちなみに,彼のハネカクシのコレクションは,最終的には,ChicagoのField Museumに納められるようです.なお,彼と彼の研究を語るに当って,彼にH.R.Jacobson博士という優秀な共同研究者がいるということも,忘れてはならないことでしょう.
 以下では,上に引用された論文に加えて,彼の代表的な論文を紹介しておきます.
 Kistner,D.H.1969.A new species of Oligota Mannerheim from Japan which is predaceous on the citrus red mite(Metatetranychus citri(McG.))in Japan(Coleoptera:Staphylinidae,Aleocharinae).Mushi,Fukuoka,42(11):141−146.
 Kistner,D.H.1969a.The biology of termitophiles.In K.Krishna and F.M.Weesner(eds.),Biology of Termites Vol. 1.,PP.525−557.Academic Press,N.Y(岩田隆太郎訳.1991.D.H.キストウナー著.白蟻生物の生物学.K.クリシュナ.F.M.ウイーズナ}編:白蟻の生物学第1巻第17章;所収:昆虫分類学若手懇談会ニュース,(59):1−34.)
Kistner,D.H.1971.Studies of Japanese myrmecophiles Part l.The GeneraPella and Falagria(Coleoptera,Staphylinidae).Ent.Essays Comem.Retir.Prof.  K.Yasumatsu,pp.141−166.
 Kistner,D.H.1979.Social and evolutionary significance of social insect symbionts.In H. R. Hermann(ed.),Social Insects Vol.1.,pp.339−413.Academic Press,N.Y.
 Jacobson,H.R.,D.H.Kistner,and J.M.Pasteels.1986.Generic revision,phylogenetic classification,and phylogeny ofthe termitophilous tribe Corotocini(Coleoptera:Staphylinidae). Sociobiology,12(1):1−245.
 Kistner,D.H.1993.Cladistic analysis,taxonomic restructuring and revision of the Old World genera formerly classified as Dorylomimini with comments on their evolution and behavior(Coleoptera:Staphyhnidae).Sociobiology, 22(2):151−383.

結婚40周年を祝うDavidH.払ster博士と奥様(写真:Kaplans of San Antonio)
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書評

Alzada Carlisle Kistner.1998.An Affair with Africa: Expeditions and Adventures across a Continent. Island Press, Washington,D.C.
 本書は,Kistner博士の奥様によるエッセイで,彼女が御主人とともに,アフリカ大陸へハネカクシなどの生物を採集に出かけることを目的とした旅行の記録です.その採集旅行とは,ベルギー領コンゴとケニア(1960年に約4ケ月),リベリアとアイボリーコースト(1962年に約4ケ月),南アフリカとタンザニア(1965年〜1966年に約7ケ月),ロ}デシア,ザンビア,タンザニア,ケニヤとウガンダ(1970年に約8ケ月),南西アフリカ,ナミビア,アンゴラ,ボツワナ(1972年〜1973年にかけて約10ケ月)への5回にわたる旅です.その期間の長さにまず驚かされますが,採集した生き物の数がすごい.25万頭(!)の好白蟻性および好蟻性生物を採集したと記してあります.さらに,政情不安定なァフリカでの様々なハプニングも盛りだくさんで,採集記や冒険記に興味のある方は,ぜひ一読されるべきでしょう.(日本語訳が,早く出ると良いのですが.)
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1999年8月来日されたKee-Jeong Ahn氏(野村氏と岸本氏とともに)
来日されたAhnさんとの間で、ハネカクシについての話が弾みました(千葉中央博にて)
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ハネカクシ談話会ニュースNo.9(1999年9月25日発行)
発行責任者:直海俊一郎
事務局:〒260−8682千葉市中央区青葉町955−2千葉県立中央博物館 直海俊一郎(TEL:043−265−3111;FAX:043−266−2481)
ハネカクシ談話会幹事(千葉中央博:直海俊一郎);(科博:野村周平);(東京農大:岸本年郎)
年会費500円(2000年度から)郵便振替にてお支払いください.
加入者名:ハネカクシ談話会;口座番号:00170−2−145635
関西支部事務局:〒666−0116兵庫県川西市水明台3−1−73 林靖彦(TEL:0727−93−3712)
関西支部幹事(川西市:林靖彦);(八幡市:伊藤建夫)

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