ヤマノイモ
Dioscorea japonica Thunb. ex Murray
ヤマノイモ科 単子葉 つる性多年草
分布 本州〜沖縄
高さ つるの長さは1〜2m
花の時期 7〜8月
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雌雄異株。上から見て左巻きにのびるつる草である。地下に細長い長さ数十cmのいもができる。このいもは担根体と呼ばれるもので根ではない。つまり、つるの基部にできた冬芽の一番下の節と節の間が、春から夏にかけて横に肥大し地下にもぐったものだ。だから、いも自体には節もなければ芽もなく、1本のつるにはいもは1個しかできない。芽の先はのびて新しいつるとなり葉をつける。花序のつかない葉のわきには、かわってむかごができる。
里山の林のなかやそのふち、道ばたの草むらにふつうに見られる。ちょっと下ぶくれした三角形の葉が対生しているつる草が見つかればまちがいない。たいていかたまって生え、つるどうしが互いに巻きついていたりするので見つけやすい。
山野に自然に生えているので「自然生」とも呼ぶ。ナガイモのなかまでときには栽培もされ、共にいもはとろろ芋として有名。ヤマノイモのいもはナガイモよりずっと細く曲がりくねっていて掘ったり料理したりはむずかしいが、すり下ろしたときの粘りはナガイモより強いので高価にとりひきされる。むかごはゆでて味つけして食べる。むかごご飯にしてもよい。ナガイモはヤマイモとも呼ばれてまぎらわしいが、とろろ芋の本命はこちら。市場のヤマイモは円柱形のナガイモ、球形のヤマトイモ、平たくて扇形のイチョウイモの3品に分けられる。いずれも中国から移入された作物。だから英語ではチャイニーズヤムと呼ぶ。ナガイモは茎や葉の柄が紫色となり、葉身の下半部が大きく左右にはり出す点が、ヤマノイモとことなる。しかし、変異も大きいのでナガイモが野生化した場合は、慎重に観察する必要がある。
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