アオツヅラフジ
Cocculus trilobus (Thunb. ex Murray) DC.
ツヅラフジ科 離弁花 つる性落葉低木
分布 本州〜沖縄
高さ 5m
花の時期 7〜8月
|
|
つるは長くのび、葉とともに毛がある。葉はハート形、卵形などいろいろで、長さ、幅ともに2〜12cm。小さい薄黄色の雄花と雌花が別の株につく。果実は、球形で直径7mmくらいで、秋に青黒色に熟す。
本州より南の地方の人家の近くや道ばたのやぶにふつうに見られる。ブドウに似た藍黒色の果実が目印である。
和名は青いツヅラフジの意味で、似たなかまにツヅラフジ(別名オオツヅラフジ)がある。どちらも、つる植物で、つるは細い。つるを使って、昔、カゴをつくった。このカゴをツヅラといった。「舌切りすずめ」の昔話で、すずめの宿からじいさんが背負って帰ったツヅラには宝物が入っていた。いじわるばあさんのツヅラからはヘビやムカデが出てきた。また、細いつるを干したもので、昔、カモをとった。琵琶湖では、干したつるを水面に浮かべておく。カモがやってきて、このつるに足をとられ、やがて、体のあちこちにつるがからんで動けなくなったところをつかまえる。昔話の「カモ捕りゴンベエ」の話で、そっくりなカモ猟がじっさいに行われていた。もっとも、話のゴンベエはたくさんのカモの足をひもでしばったので、あとでカモがいっせいに飛んで、ゴンベエは空に飛ばされるのである。
アオツヅラフジの別名をカミエビという。カミは神様のことで、エビは果実がエビズルと同じ色であることからついた。エビ色というのは、果実の汁を水にとかしたときの薄紫色をいう。つるや根を薬として、利尿、痛み止め、熱さましに使う。果実が黒色になるツヅラフジやコウモリカズラは山に生える。ハスノハカズラは果実が赤く、やはり山に生える。
|