茎は細く毛が多く、枝分かれして根もとは地面に倒れる。若い葉には紫色の斑点があり、秋には紅葉する。花は白または赤紫色、花びらは5枚で花の直径1〜1.5cm。茎の上部や花の柄には、腺毛（マッチ棒のように先の丸い毛）がある。白花は東日本に多く、赤紫花は西日本に多いが、混じることもある。果実は細長く、長さ2cmくらい。

日当たりのよい田んぼのあぜ道や山野の道ばたなどにふつう。集まって生育することが多い。ありそうな小道へ行ったら、横の草地を注意して見る。ときどき草刈りがあるようなところがよい。春には葉の形と紫色の斑点や毛の生えたようすで見分ける。夏には花を探す。秋には果実と紅葉で見分ける。山道では、葉の形や毛のようすが似た有毒のトリカブトがあるので注意。この葉には、斑点がなく、根はニンジンのようにふくれる。

とてもよく効く下痢止めの薬草として有名。名前は「現の証拠」の意味で、飲めばたちまち効くという。タチマチグサの別名もある。夏の土用のころによく成長しているので、根から掘りとって陰干しにし、それを湯のなかに入れ煮立てて飲む。薬の成分はタンニンやクエルセチン。昔の人は、土用の丑の日に1年分のゲンノショウコをとって家庭薬とした。人のすんでいる近くに多く、あまり山奥にはないので、山に慣れた登山家は、迷ったとき、この草を探して下山する。中国とヒマラヤに腺毛のないゲンノショウコがある。野原や林には、イチゲフウロ、タチフウロなどさまざまな種がある。高山植物には、ピンクの花のハクサンフウロなどがある。帰化植物のアメリカフウロは最近各地でふえている。