ヘクソカズラ
Paederia scandens (Lour.9)Merrill
アカネ科 合弁花 つる性多年草
分布 日本全国
高さ 2〜3m
花の時期 8〜9月
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つるや葉に強いにおいがあり、ヘクソカズラの名前がついた。
つるは草であるが、下のほうは木のように固くなる。葉は、長さ4〜10cmであるが、大きい葉と小さい葉のつるでは、別の植物のように見える。葉には毛があるが、毛の多いものをビロードヤイトバナ、海岸に生えて、毛のまったくないものをハマサオトメバナという。学名のPaederia は「汚い」の意味である。
全国で見られる。日当たりのよい道ばたのコンクリートの壁や石垣についているので、見つけるのはかんたんである。夏休みのころに花が咲く。葉の大きさが生えている場所で大きく変わる。日陰では大きく、乾燥した日当たりのよいところでは小さくなる。本州の日本海側では大きく、太平洋側では小さくなる傾向がある。これらを比べてみるのもおもしろい。
方言には、ヘックサヅル、ヘヒリバナ、ヘフンドなどばかりか、テクサレ、ウマクワズ、シラミゴロシなど恐ろしい名前もある。中国では、「ニワトリのオシッコのつる」という。しかし、名前に似合わず白いきれいな花を田植えのころに咲かせるので、サオトメバナとかタウエバナの名前もある。ヤイトバナの名もあり、花を手や足にはりつけると、お灸(やいと)のように見えるからという。花を鑑賞するため、庭に植えられる。また、夏休みの自由研究のおし葉標本にはよく利用される。中国ではつるや葉を下痢や消化不良の薬とする。インドネシアではシラミを退治する薬とする。
日本に似たなかまはない。熱帯を中心に20種くらいのなかまがあることからも分かるが、日本では夏の植物といえそうである。熱帯には、花が黒紫色の種類もある。
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