ホタルブクロ
Campanula punctata Lam.
キキョウ科 合弁花 多年草
分布 北海道〜九州
高さ 40〜80cm
花の時期 6〜8月

長さ4〜6cm、幅2cmの釣り鐘のような形の花が、茎の先からいくつも釣り下がる。花はふつう白色で、内側に紫色の斑点がある。春になると、長い柄のある卵形の葉を地面にはりついたように放射状に開く。やがて、その中心から茎をのばし、花をつける。

少しかわいた日当たりのよい草地に生える。北海道の南西部から南に分布する。人家のまわりや畑より、少し山に入ったほうがよく見つかる。花が大きくて目立つので、花の時期には、すぐに見つけられる。海岸に近い平地から高山にまで広く分布し、高山のものは、草丈が小さくなり、花の色が紫色であったりする。富士山の標高2,500mくらいの辺りには、高さが10cmほどで、咲いている花が今にも地面にふれそうに見えるかわいらしいホタルブクロがある。

若い葉はゆでて食用とする。中国の東北地方では、薬草として利用するこころみがあったが、今はとくに利用されないという。花がきれいなので植えられることがある。

和名については、子供が花のなかにホタルを入れて運ぶからホタルブクロだとか、これは「火垂袋」のことで、つまり、ローソクを入れてまわりを照らすちょうちんに似ているから、とかの説がある。チョウチンバナとか、キツネノチョウチンともいう。じっさいに花をつまんで、たたいて、ポンと花が割れる音をおもしろがる子供たちの遊びがある。カンパニュラ属の植物は、約300種も北半球に分布し、花の美しいものが多い。日本では、高山植物で、紫色の花をつけるチシマギキョウやイワギキョウがある。九州にだけ生えるヤツシロソウは、中国にもあり、薬草となる。