地下には太い根が何本ものびている。この根は菌根と呼ばれ、なかに菌糸という細い糸のようなものがあり、これと栄養のやりとりをして生きる。ラン科の植物はほとんどが菌根をつくる。葉は濃い緑色で固く、ふちに小さな鋸歯がある。花は薄緑色で、真んなかにある唇弁は白く、紫色の斑点がたくさんある。それで、別名ホクロという。またの名をジジババとかオジーオバーという。花を横から見ると、真んなかから雄しべと雌しべがひとつになったずい柱がつき出ている。ずい柱のすぐ下に唇弁がある。ずい柱はじいさん、唇弁はばあさんで、2人が抱き合っているという。じいさんの頭はハゲで、背中が曲がっている。 花や葉に変化が多く、また花の香りのよいものがある。そのため、鉢に植える人が多い。変わった花は、高い値段で売れる。こうして山のシュンランが掘りとられる。よいことではない。 |