フクジュソウ
Adonis amurensis Regel et Radde
キンポウゲ科 離弁花 多年草
分布 北海道・本州・四国
高さ 5〜30cm
花の時期 2月下旬〜4月
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1〜多数の花がほとんど同時に咲く。咲き終わった茎は一段とのび、葉も大きくなる。花には、黒味がかった5〜8個のがく片、10数枚の黄金色の花びら、多数の雄しべと50個ほどの雌しべがある。雌しべが熟すと全体がだ円形の果実(集合果という)になる。花が終わって樹林の芽ぶきがはじまると、葉は黄ばみ、新緑のころには果実を散らして地上からはすっかり姿を消す。
里山の雑木林や低山のケヤキ林、ブナ林、ハンノキ林などの落葉広葉樹林の下や土手の草地に群生するので、ともかく木々の芽ぶきの前に探しに出かけること。今では全国的に少なくなった。自生地では方々で福寿草祭りが行われたりするので自生地を知るのはかんたんだ。
幸福と長寿を意味するたいへん縁起のよい草花とされる。福寿草は日本でつけられた名である。中国名は側金盞花といい、黄金色の花を金の盞にたとえ、ちょっと傾いて咲くことによる。「側」は傾くという意味。
多くの家庭で正月の床飾りに用いられ、盆栽の根じめ(木の根もとに小さな草花を植えること)としてウメと一緒に植えられたりもする。旧暦の元旦に咲くというのでガンジツソウの別名もあるが、元日に咲かせるためには温室に入れるなど、ひと工夫が必要。フクジュソウは江戸時代から園芸植物として知られ、赤花系・白花系・緑花系・段咲き系に加えて、一重・八重・万重など、今でも40あまりの品種が栽培されている。
10年ほど前、フクジュソウのなかから、ミチノクフクジュソウが区別された。これは花の時期が4〜5月で少し遅れ、花は株の下から上へと順に咲き、雌しべは30個ほどで、集合果は球形である。
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