オドリコソウ
Lamium alubum L. var. barbatum (Sieb. et Zucc.) Franch. et Sav.
シソ科 合弁花 多年草
分布 日本全国
高さ 50cm
花の時期 3〜4月
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地面から四角の茎をのばす。葉はスペードの形で長い柄がある。花は葉のつけ根に集まってつく。花は1本の茎に20個くらい咲くので、たくさん茎が立っていると、「踊り子」が大勢いるように見える。花の色は白かピンクで、学名のalbumは、白いという意味。ヨーロッパにあるなかま(基準種)の花は白い。学名のbarbatumは長い毛があるという意味。茎や葉に毛が多いが、ヨーロッパのものも毛がある。
家の近くの少し湿った明るい日陰に集まって生える。花の季節には、すぐ見つけられる。生えている場所を見つけたら、毎年同じところで、花に出会うことができる。オドリコソウの咲くところは、ムラサキケマンやシャガなど春の花が見られる楽しい場所のことが多い。
若い茎と葉をゆでて山菜として食べる。中国では、花や茎、葉を薬用にする。腎臓の病気に効果がある。根は肝炎や肝結核に効果がある。着物を着た踊り子が大きな笠をかぶって踊っているような形の花が咲くので、この名がついた。「踊り子」は立って両手を前に出し、扇子を開いているように見える。飛んできた虫(マルハナバチ)はこの扇子(花びらの一部)に止まって、笠のなかに頭を入れ、筒になった花の奥の蜜をすう。このとき、笠のなかの雄しべの花粉が虫につく。畑や道ばたの辺り一面に小さな花をつけるヒメオドリコソウやホトケノザがある。ヒメオドリコソウはヨーロッパ原産の帰化植物で葉が紫色になり、茎や葉に強い香りがある。ホトケノザは、春の七草に数えられているホトケノザとちがって、まずくて食べられない。有名な植物学者の牧野富太郎博士がじっさいに確かめたという。
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