ニワトコ
Sambucus recemosa L. subsp. sieboldiana (Miq,) H. Hara
スイカズラ科 合弁花 落葉小高木
分布 日本全国
高さ 3〜6m
花の時期 4〜月k

少し湿った所に生える。新芽と同時に黄色がかった白い小さな花がたくさん集まって咲く。花は先が5つに分かれて開き、香りがある。葉は、1本の軸の両側に小さな葉がついて、全体が1枚となる。これを羽状複葉という。初夏のころ、小さくて丸い果実が赤や黄色に熟す。古い枝は薄茶色でゴツゴツしているが、新しくのびる若い枝は緑で、成長が早い。枝の中心には、白い発泡スチロールのような髄がある。

里山の林のふちや人家の近くの少し湿った所のやぶなどにふつうにある樹木で、春先に少し注意をしていると、花を目印にかんたんに見つけられる。果実のときも、よく目立つ。北海道のものは、花や果実が大きく、エゾニワトコという。

花は生け花の材料となる。また、花は、汗を出させ、利尿作用のある薬とされ、お茶のようにして飲む。枝は接骨木といい、骨折や、関節をいためたときに、ほかの薬草と一緒に蒸して、はり薬とする。根の皮を細かくくだいて、菜種油と合わせて火傷の薬とする。茎と葉は痛風の薬にもなる。葉や枝には独特のにおいがあり、クソノキというが、若葉は、山菜として食べられる。果実はニワトコ酒の原料となる。ソクズは草で、高さは2m。日本には2種だけであるが、世界中に約20種のなかまがある。アメリカニワトコはアメリカにある。セイヨウニワトコはヨーロッパからアフリカに分布し、ヨーロッパでは迷信や伝説が多い。この木を切ると木の妖精のたたりがある、この木で子供を打つと生育が止まる、この木でキリストを裏切ったユダをしばり首にした、この木でつくった十字架は魔よけになる、夜にこの木に近づくと悪いことがおきる、などである。